木のひび割れ
2023 5 1 (art23-0541)
とある用で、家内と広島に来ています。と言っても、今日帰ります。幸いなことに天気がよくドライブ日和です。この時期、湯梨浜町と広島市で、湿度が大きく違っていることを知りました。天気予報によると、昼の湿度は、広島市が27%湯梨浜町が57%です。どちらも、良い天気のようですが、空気の質に違いがありますかな。さて、今日の本題です。 丸太が乾燥してくると、心割れと言って、中心から放射線状に割れ目が入ります。割れが木口の浅いところで留まっていればよいのですが、深く割れると、せっかく手に入れた丸太が台無しになります。
木が割れるのは、乾燥によって細胞壁の木材繊維などと化学的に結合している結合水が失われるときに、収縮のひずみを伴うためです。生木は、結合水の他に、自由水を持ちます。自由水は、細胞の内腔や間隙に含まれる水分で自由に移動できますから、これが失われても、木が割れることはありません。
乾燥によって、まず、自由水が抜けていきます。そして、水分含量が30%前後になると、結合水だけになります。さらに乾燥が進むと、結合水が失われて木は収縮します。この時、木に厚みがありますから、木の表面の結合水は早く失われていきますが、内部(中心部)の結合水はゆっくり失われます。この違いが、外と内で収縮力の歪みとなり、ひび割れを引き起こします。ひび割れは、水分含量が外気の湿度と平衡になるまで続きます。この状態(気乾状態)の水分含量は15%前後です。
長さ3、40cmに裁断した丸太を手に入れていますが、このまま、ひび割れを起こすことなく気乾させることはできそうにありません。丸太の心割れが内外部位の結合水の減少速度のズレから起こるのであれば、なかなか減少しない内部(中心部)をくり抜けば、ひび割れを避けることができそうです。しかし、このくり抜きは言うは易し行うは難しそうです。より現実的な方策は、中心部を避けてブロックを切り出し気乾することでしょうか。所謂、芯去り材です。