雨の日は昔の映画でも観よう
2023 7 3 (art23-0559)
朝食前に畑に出て、プルーンの木に防虫剤を散布しました。雨が続き、散布が延び延びになっていましたが、昨日、今日と雨が一段落したようなので、決行しました。プルーンの木が大きくなり、脚立を使っての作業なので、時間がかかり、ひと仕事です。雨が上がった昨日、3番目のミニトマトが萎れました。青枯れ病です。結局、ミニトマト3株ともダメになりました。土壌中に病原細菌が潜伏していたのでしょう。残念ながら、今年は自家製ミニトマトを食べることができません。
さて、本題です。
1950年代の映画を立て続けに観ました。「沓掛時次郎」、「大利根の対決」、「初姿丑松格子」、そして、「六人の暗殺者」です。いずれも島田正吾が主演の作品です。映画はPrime Videoで視聴します。料金がかかりませんから、ありがたいことです。もっとも、会費を納めているからですが。
島田正吾は、ウィキペディアによりますと、1905年に横浜市で生まれ、2004年に98歳で亡くなった新国劇の俳優です。新国劇は1917年に創設され、「剣劇」を創案したことで知られています。島田正吾は、1923年に入団し、1931年には辰巳柳太郎とともに主役に抜擢され、以降、2人は、長い間新国劇の大黒柱として活躍したそうです。「動の辰巳、静の島田」と呼ばれていたとか。
最初に、「沓掛時次郎」を観ました。
博徒の男(時次郎、島田正吾)が、一宿一飯の恩義から、何の恨みもない男(三蔵、辰巳柳太郎)を斬り殺す。息を引き取る寸前の男から、身重の妻(おきぬ、水戸光子)と子供(太郎吉、香川良久)を託され、おきぬの実家へ送り届けることになる。道中、太郎吉はなついたが、おきぬは憎さを露わにして距離をおく。おきぬと太郎吉は実家(兄夫婦)で暮らすが、肩身が狭い。一方、おきぬを送り届けた時次郎は刀を捨てて堅気になる。しばらくして、おきぬと再会する。二人は惹かれ合い一緒に暮らすことになる。これで、終わりかと思いきや、更に続く。
おきぬが出産を前に病気にかかり、金が必要になる。金を稼ぐため、時次郎は一度捨てた刀を手に、ヤクザの喧嘩に助っ人として参戦する。ほうほうの体で生き長らえた時次郎は、金を手におきぬの元へ駆けつける。おきぬは時次郎の名を連呼しながら亡くなる。失意の時次郎は太郎吉を背負って旅路につく。
ありきたりの単純なストーリーですが、楽しめました。この映画の公開は1954年です。時に島田正吾48歳、新国劇に入団して31年、既に大ベテランです。画面からも堅実な芸風、伝わってきます。
島田正吾主演の他の同時代の映画を3本視聴しました。いづれの映画も楽しめました。なかなかの俳優です。昔の映画、よいものです。それだけ、歳をとったと言うことでしょうかな。
余談ですが、沓掛時次郎の物語は、股旅ものの傑作と評されているそうです。原作は、長谷川伸の戯曲で、1928年6月、雑誌『騒人』に掲載され、同年11月に単行本化、12月に新国劇によって帝国劇場で初演された、とウィキペディアにあります。
なお、映画だけでも、8回作られたそうです。公開年と時次郎とおきぬ役の俳優は以下の通り。
1929 大河内伝次郎 酒井米子
1932 海江田謙二 酒井米子
1934 林長二郎 飯塚敏子
1936 浅香新八郎 山田五十鈴
1953 長谷川一夫 山根寿子
1954 島田正吾 水戸光子
1961 市川雷蔵 新珠美千代
1966 萬屋錦之助 池内淳子