今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

ちくわのくいさし 消えゆく

2023 11 13 (art23-0597)
羽合(ハワイ)小学校の5、6年生の頃、県中部の小学校陸上競技大会に出ました。種目は800m走です。選ばれての出場ですから、校内では早かったのでしょうが、結果は散々でした。他校には、早い奴がいるものだなーと、思い知りました。

競技大会は倉吉市営の陸上競技場で行われました。そこは、打吹山(204m)の裾野にあたり、倉吉市役所横の坂道を少し上がった高台の東側になります。高台の西側は打吹公園です。公園には小動物園が併設されています。

市役所のすぐ隣に倉吉市立成徳小学校があります。誰言うとなく、“ちくわのくいさし”、と呼ばれていました。この通称は、校章の形が竹輪を齧った時の断面に似ているからだと聞いています。工場を表す地図記号を少しディフォルメしたような形です。街の小学校への対抗意識から、あっ、ちくわのくいさしだ、とあざけるように言ってふざけていました。

この成徳小学校は、2023年4月に灘手小学校と統合しました。統合後の新校名は二転三転した後、「成徳」となりました。
新校名を決めるにあたり、学校名が募集されました。集まった学校名が統合準備委員会で協議され、「至誠」が候補名となり、市議会にかけられました。市議会 (2022年9月) で「至誠」と決まりました。
しかし、統合準備委員会での候補名の選抜方法が物議を醸すことになります。公募で集まった学校名とその数()は、「打吹」(150)、「打吹桜」(10)、「打吹山」(5)、「打吹中央」(4)、「倉吉」(9)、「倉吉中央」(4)などで、「至誠」はわずか (1)でしたから。新校名の「至誠」に納得できない市民は反対運動をおこし、条例を廃止させて新校名を白紙に戻しました。
そこで、再度、統合準備委員会で協議することになり、「打吹至誠」が候補名となり、市議会臨時会 (2023年1月) にかけられました。ところが、議会で「打吹至誠」ではなく「成徳」に決まりました。4月に、成徳小学校は、灘手小学校と統合し、校名は「成徳」のままスタートしました。暫定的な校名として。

今年の10月、市の教育委員会は、事前のアンケート調査をふまえ、統合した小学校の校名を「打吹、うつぶき、東、光星、つばき」の5つにしぼり、現在と将来の児童の家庭に投票を募りました。結果は、105、29、23、13、13でした。有効投票数(183)の57%を占める「打吹」が、最終校名案として、12月の定例市議会に提出されるそうです。来年の4月には、統合小学校名は「成徳」から「打吹」に変更されるでしょう。

一件落着、メデタシメデタシです。もっとも、昨年行われた公募で多数に支持された「打吹」に戻っただけのことなのですが。
いずれにしても、もう、ちくわのくいさし、と呼べなくなります。一つの思い出の実体が失われることになります。さみしいかぎりです。「打吹」小学校の校章は、ツバキの花をイメージした図柄のようです。成徳の名前が消滅し、校章もお払い箱になり、ちくわのくいさし、の通称は過去のものになります。

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