大きな穴をあける(木工)
2023 11 20 (art23-0599)
厚い木材に大きな穴、例えば、6cm厚のブロック材に直径6cm円の穴、を開ける方法はいくつかあります。糸鋸盤があれば簡単です。しかし、趣味に使う程度の、従って安価な、糸鋸盤の多くは、最大切断厚が5cmですから、6cm厚の木材には使えません。6cm厚の木材が切断できる糸鋸盤は市販されていますが、高価ですから、趣味で木工をやっている凡夫のような者にはちょっと手が出ません。
そこで、穴あけには、これまで、ボアビットを使っていました。ボアビットをボール盤に取り付けて使うと、柔らかい木材であれば、直径6cm円の穴を開けることができました。
しかし、ボアビットによる穴あけは、開けたい穴の大きさごとに個別のボアビットを用意することになりますから、いろいろな大きさの穴を開けるには、各々に対応したサイズのボアビットを用意する必要があります。ボアビットは安くないので、木工趣味人には金銭的に全サイズのボアビットをそろえることはできません。せいぜい、よく使うボアビットだけを手元におく、これが現実的です。
今回、別の方法として、トリマービットによる穴あけを試みました。方法は、6cm厚のブロック材の表と裏から3cm掘って穴を貫通させる、と言ったものです。
成否は、深堀できるビットが手に入るか否かです。手持ちのトリマー(リョービ/京セラTRE-60V、軸径6mm)で使えるシャンク部の長いストレートビットを探しました。市販されている多くのビットの全長は50mmです。これだと、削れる深さが3cmに届きません。アレコレ調べて見つけました。シャンク部48mm、刃長20mmのロングタイプのストレートビット6x6(2P)(与板利器工業)です。これだと、3cmの深堀はできます。早速、通販で購入しました。
さて、穴あけ作業です。
トリマーに自作の円切り用治具をとりつけました。円切り用治具は、厚さ12mmのMDF合板にトリマーを取り付け、すこし離れた所にボルトを取り付けただけの簡単なものです。ボルト軸が削り出す円の中心軸となります。直径6cm円の場合は、トリマー軸からの距離 "3cm-刃幅の1/2" の所に穴をあけて、ボルトを通してナットで固定します。ボルトを取り付ける位置を変えれば、切り出す円の大きさが変わります。
トリマーにロングタイプのビットを取り付けて削っていきました。TRE-60Vには切り込み深さの調整ネジがついていますから、一回転ごとに、調整ネジを回せば、ビットが下方に移動し、少しづつ深く掘削できます。
表側を削ったら、裏側に入ります。その前に、表側面を両面テープで当て板に貼り付けます。これは、穴が貫通する時、削り出された円柱が動かないようにするためです。
ちょっと時間は掛かりましたが、6cm厚のブロック材に6cm径の円穴をあけることができました。