ユリクビナガハムシの幼虫
2018 05 14 (art18-008)
世の中、変な虫がいるものです。自分の排泄物(糞)を背負って生活しているとは。背負うどころか、むしろ、全身糞まみれです。始めてこの虫をみる人は、虫をみる前に、糞をみることになります。「あれ、葉っぱに糞がついている」と。そして、多くの人は、糞の中にいる虫をみることなく、糞だけをみておしまいにするのでしょう。凡夫も、もうすこしで、見過ごすところでした、が、長年の研究生活の習性がものを言いました。「どうして、この糞は湿っているのか。どうして、似たような糞が散見されるのか。どうして、葉っぱの切れ端に付いているのか」等の懐疑が。
数本のユリが庭の片隅に生育しています。糞は、ユリの葉についていました。葉の表側にも、裏側にも。糞を取り除くと、中には、薄い橙色のいもむしがいました。ユリクビナガハムシの幼虫です。ハムシの仲間には、変わった習性をもつものが多いと聞きます。自分の糞を背負って生活する幼虫、これはこれで理にかなっているのでしょう。