そろいそろいしなはれよ (夏野菜の栽培)
2018 06 11 (art18-0018)
畑で作業することが多くなりました。この時期の野菜の生長は、目を見張るものがあります。特に、キュウリは。連日、親づるを支柱に結びつけています。キュウリ栽培の指南書に、開花から収穫まで1週間とあります。そんなバカな、と思っていましたが、誤記ではなさそうです。朝晩で、実が肥大していることが見て取れます。毎日、キュウリをもぎ取って食べています。残念ながら、家内はこの恵みを享受することができません。娘の住む横浜に出かけていて、不在です。10日ほど。その間、台湾で開催されるスヌーピーランに参加するそうです。
日の照る暑い日に、畑で作業していると、道行く人から声をかけられます。「がんじょしなはるが、そろいそろいしなはれよ」と。
ゆっくりできればよいのですが、そうもいきません。すべてが初めてのことなので、できるだけ、野菜の生長に合わせてやっていくことになります。経験を積めば、適当に手を抜くことができるのでしょうが、今はそうはいきません。
生き物相手の仕事は、言わば、“しもべ” になることです。昨年まで、ヒト癌細胞の “しもべ” でした。一度、細胞の培養を開始すると、数カ月、細胞の世話をすることになります。細胞を継代培養しながら、幾つかの実験を行います。その間、継代培養細胞に異常が生ずれば、全ての実験を中止します。毎日、細胞の ”顔” をみて、異常がないことを確認します。培養自体は簡単な作業ですが、同時にたくさんの細胞株を用いた実験になると、作業量は半端ではありません。
凡夫は、今、野菜の “しもべ” です。しかし、相手は野菜ですから、アレコレすべきことを指図してくれません。野菜の状態をみて、すべきことを推し量ることになります。これが、初心者には難事です。多くが、試行錯誤です。完璧な “しもべ” からほど遠い、初学の “しもべ” です。