今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩3分で東郷池, 自転車10分で日本海です。 また、ハワイ温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。

カエル

2018 07 20 (art18-0033) 
裏庭の石臼に雨水が溜まっていました。石臼は、かつて、餅つきに使っていたものです。その石臼に、トノサマガエルが住みつきました。日中は、水から顔だけ出して、浮かんでいます。夕方になると、水から上がり臼の淵でじっとしています。雨の日は、姿がみえません。

最初に見たときは、緑がかった体色でしたが、徐々に黒っぽくなってきました。庭には、ハエ、クモ、ガ、アリ、ケムシ、ダンゴムシ、ミミズ等、餌になりそうな小さな生き物がたくさんいます。餌に困ることはないだろうと思います。ただ、いつ見ても、そこにいます。ちゃんと食べているのだろうかと気になります。

周辺の田圃では、6月中旬に機械による田植えが行なわれました。それからほぼ1ヶ月、稲株は分蘖を繰り返して随分育ってきました。田の水も減り、泥土がむき出しになっている箇所が増えてきました。水たまりには、オタマジャクシがいます。よくみると、足が生えています。むき出しの泥土の上には、子供のカエルがいます。近づくと飛び跳ねます。カエルはツチガエルです。地味なカエルです。

古池や 蛙飛び込む 水の音。
松尾芭蕉の俳句です。ここでのカエルはツチガエルであると、人は推測しています。生息分布からみても、また、生息数からみても、納得できます。気になるのは、音です。一匹のカエルが発した単発音 “ポチャン” なのか、多数のカエルが発した連続音(ポチャ、ポチャ、ポチャ、ポチャ、ポチャン)なのか。シーンとしたなかでのかすかな “ポチャン” であるが故に、静寂の極みが表現されていると思います。 ”ポチャン” です。しかし、疑問が残ります。それは実際に聞いた音なのかと。
カエルが水に飛び込むのは緊急避難時の行動と言われています。また、一匹が避難行動をとると、周辺のカエルも同じ行動をとることになります。たった一度の “ポチャン” を耳にする状況は、近くの古池の淵に一匹のカエルがいて、何かの動きに反応して、池の方へ飛び跳ねた。これは、よくある日常ごとではなさそうです。むしろ頭の中での状況なのでしょう。情景です。ここに、“才” と呼ぶべきものがあります。
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