今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩3分で東郷池, 自転車10分で日本海です。 また、ハワイ温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。

ジャンボタニシの卵

2018 07 29 (art18-0037) 
早朝の散歩から帰ってきた家内が、「公園の遊歩道のわきに、変なものを見た」と告げます。「赤いつぶつぶの塊。何かの卵かも」と。しばらくして、Webで調べていた家内が、「ジャンボタニシの卵ではないか」と言います。

凡夫も、見に行きました。確かに、いままで、見たこともない、赤いつぶつぶの塊がありました。赤色が鮮やかです。遊歩道の側溝脇の芝生に、また、側溝から伸びたコンクリート壁に付いています。いずれも、日が当たる陸上です。合計10個ほど。卵塊のように見えます。しかし、タニシは卵胎生と記憶していますので、タニシの卵であるのは、変です。また、陸上にあることも、変です。

満水の側溝には、マルタニシのような大型巻貝がいました。取り上げて、浅瀬に置くと、4本の触角(2本は長い)を出して、かなり早く移動します。タニシの触角は2本の筈ですから、変です。

ちょっと、調べてみました。家内が言うように、ジャンボタニシの卵のようです。ただ、ジャンボタニシはタニシではなく、スクミリンゴガイ (竦み林檎貝) (Pomacea canaliculata) の俗称でした。卵生で、卵は陸上の乾燥に耐えるとあります。更に、卵は鮮やかな赤色の警戒色を呈し、卵内部は神経毒のPcPV2が満たされていると記述されています。
和名の ”竦み林檎貝” の "林檎貝" は、 "apple snail" の訳でしょうが、 "竦み" がどこから来たのか判然としません。歩行がぎこちなくなり、動けなくなる状態を ”竦み” といいます。リンゴカイ自体が竦んでいるのか、それを見た人が竦んでいるのか、はたまた、それを食べた動物が竦んでいるのか。三つ目であれば、卵の神経毒と関連付けることができそうですが。

1981年(昭和56年)に、食用の大型巻貝として台湾から導入され、2年後には、35都道府県、500ヶ所で養殖場ができたそうです。しかし、食用としての需要が伸びず、また、野生化したものが、稲を加害したこともあり、その後、養殖業は廃れる。廃棄された貝や逃げ出した貝は、生き残り、生息分布を拡大している。鳥取県で生息が確認されたのは、1989年(昭和64年・平成元年)だそうです。

毎年、盆と正月には、子供を連れて横浜から帰省していたのですが、卵の見られるこの時期(7月中下旬)に帰省したことは、一度もありません。それ故、ジャンボタニシの卵を見る機会はなかったことになります。
37-1_Janbotanisi 37-2_Janbotanisi