今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩3分で東郷池, 自転車10分で日本海です。 また、ハワイ温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。

カマキリ

2018 08 30 (art18-0052) 
プルーンの木の葉上で、チャドクガの幼虫を捕食しているカマキリに出会いました。鎌状の前脚でチャドクガの幼虫をしっかり捕まえています。カメラを近づけると、顔をこちらに向けてくれました。逆三角形の頭に大きな複眼と小さな黒点、とても愛嬌があります。

黒点は、ちっちゃな黒目にみえますが、黒目ではなく偽瞳孔と呼ばれているものです。目は、頭の両端についている緑色の楕円状の部分です。これは、複眼で、2-3万個の筒状の個眼が集合したものです。黒点は、いつも、観察者の方に向いているように見えます。
黒点に見えるのは、光を反射しない個眼の奥の眼底部を見通しているからです。この眼底部が見通せる個眼は、観察者の視線の先にある個眼のみです。周辺の個眼の眼底部は見通せず、光が途中で反射して緑色にみえます。こうして、緑色のなかに、絶えず観察者の方を向いた黒点が浮かび上がります。

食事の邪魔をしないように、数枚の写真を撮って、その場を離れました。チャドクガの天敵は、カマキリ、クモ、狩バチと言われていますが、実際の捕食シーンを見たのは初めてです。

カマキリの共食い。カマキリのオスは、交尾後、メスに食べられると言われています。オスを食べたメスからより多くの子供が生まれることが知られています。オスの交尾が、生涯で、一度限りであれば、話しは簡単です。オスはメスに食べられることで、自分の子孫と遺伝子をより多く残すことができます。しかし、オスは、生涯に、複数回の交尾ができるようなので、話しは複雑になります。最初の交尾でメスに食べられることが、自分の子孫と遺伝子を多く残す為の戦略として、ベストとは限りません。何度目の交尾で、メスに食べられるべきか、オスの悩むところです。一方、メスは、容赦なく、交尾のオスに襲い掛かってきますから、オスはメスから、必死で、逃げなければなりません。そうしないと、別のメスとの交尾の機会が持てません。

カマキリは4-5月に孵化し、脱皮を繰り返して8齢で成虫になります。この間、2ヶ月弱です。10月ー12月には死んでしまいますから、成虫になって数ヶ月が交尾期間です。メスとの出会いの確率を正しく予測しなければなりません。逆三角形の頭を傾けながら、カマキリのオスは、今日も、メスとの出会いを計算し、何度目の交尾でメスに食べられるべきか、思案しているのでしょう。オスは、オスなりに、たいへんです。(追記:写真のカマキリはメスです)

52-1_kamakiri 52-2_kamakiri