ヒメジョウゴゴケ
2018 09 18 (art18-0059)
庭のブロック塀にヒメジョウゴゴケが生えていました。名前にコケとついていますが、コケ類ではなく、地衣類です。地衣類は、菌類(多くは子嚢菌類)と藻類(藍藻と緑藻)からなる共生生物です。菌糸が藻類の細胞を包み込んで地衣体と呼ばれる特殊な植物体を形成します。藻類が光合成した養分を菌類は利用し、菌類は藻類にすみかと水分を供給しています。
ヒメジョウゴゴケは、名前の通り、“じょうご”状に広がった子柄を伸ばします(画像1)。中には、子柄の淵からとび出た小枝の先端に、褐色の子器をつけているものもいます(画像2)。子器は共生菌の胞子が形成されるところです。放出され胞子は周辺に付着した後、条件が揃うと発芽し、菌糸を伸ばします。その後、藻類をとりこんで地衣体を形成します。
肉眼で見える ”小さな生き物の世界”です。高さ10mmに満たない造形です。身近な所にも興味を引く生き物がいます。