今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩3分で東郷池, 自転車10分で日本海です。 また、ハワイ温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。

干し柿

2018 10 29 (art18-0072) 
畑の柿木に実が沢山付きました。平核無柿(ひらたねなしがき)という品種の渋柿です。生では、渋くて食べられませんから、干し柿にしました。

渋柿を食べると渋味を感じます。これは、タンニンが舌や口腔粘膜の蛋白質を変性させることによって起こる痙攣や痛みに近い感覚であると言われています。渋味は、所謂4つの基本味、甘味、酸味、塩味、苦味を感じる仕組みと異なります。こちらは、舌の表面にある味細胞が、味物質を受容(酸味と塩味はイオンチャンネルで、甘味と苦味は受容体で)してシグナルを味神経へ伝達し脳に届けます。

タンニンが蛋白質を変性させることで渋味を感じさせるためには、水溶性が高く、唾液によく溶けることが必要です。水に溶けなくなると、渋味を感じなくなります。渋柿も熟してくると甘くなりますが、これは、タンニンがアセトアルデヒドを介して互いに結合し巨大な分子となり、水に溶けなくなるからです。渋味を感じなくなれば、もともと持っている甘味を感じるようになります。

渋柿の渋味を感じさせないようにするには、水溶性のタンニンを不溶化すればよいことになります。これを人為的に行っているのが “柿の渋抜き” です。方法は、アルコールやドライアイスで処理する、湯に浸ける等です。こうして渋を抜いた柿を “合わせ柿” と呼んでいます。一方、干し柿にして渋を抜く方法もあります。

干し柿
皮をむくことで、表面に皮膜ができ、呼吸ができなくなります。嫌気下で解糖系が働き、産生されたピルビン酸からアセトアルデヒドがつくられます。これがタンニン分子を重合させ不溶化させます。同時に、多糖が分解され、果糖、ブドウ糖、マンニトールができ、甘みが増します。更に、水分が抜けることで糖分濃度が高くなります。こうして、干し柿は甘くなります。なお、渋柿は甘柿より甘みが豊富であるので、渋柿を干し柿にした方が甘くなると言われています。

【干し柿つくり】
1.軸枝を少し残して(T字様に)枝を切り、柿を収穫する
2.皮を剥き易いようにヘタを一部取り除き、皮を剥く
3.(オプション)剥いた柿を沸騰水に10-20秒浸す
4.ビニール紐を軸枝にくくり、竹の棒に掛けて、柿を軒下に吊るす
5.ときどき、竹の棒の左右を入れ替えて、柿の両側に日差しをあてる
6.1~2週間したら、柿をもみほぐす
7.3~4週間後、好みの硬さになったら、食べる
8.残りの干し柿は、冷凍用パックにいれて冷凍保存する

干し柿つくりは、一回あたり80個の柿をつかいました。家内とせっせと皮を剥きました。4回に分けて行いましたから320個の干し柿ができることになります。もうすぐ、できあがります。楽しみです。

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