パプリカ 野菜栽培
2018 11 01 (art18-0073)
夏野菜の収穫が、キュウリ、トマト、ナス、ピーマンと続きました。最後の野菜はパプリカです。10月に入り、緑色の果皮が変色し、パプリカ独特の鮮やかな赤色や黄色の輝きがでてきました(画像1-3)。さっそく、野菜サラダとして食べました。旨い。辛みがなく、肉厚のパプリカは、色どりだけでなく食感も楽しめます。パプリカは、辛みがありません。これは、辛み成分のカプサイシンが合成されないためと言われています。カプサイシンの生合成の最終段階は、バニルアミンと脂肪酸の縮合です。この反応に、PUN1遺伝子がコードするアシルトランスフェラーゼ(Acyltransferase)が関与しています(画像4のCS)。パプリカやピーマンでは、このPUN1遺伝子に欠失があり、遺伝子が機能しません。その為、最終段階の縮合反応が起こらず、カプサイシンが合成されません。
凡夫が子供の頃、パプリカを見かけませんでした。最近食べるようになった野菜と思われます。ちょっと来歴を調べてみました。
パプリカは、南米原産で、大航海時代にヨーロッパに搬入され、ハンガリーで栽培された後、近隣国のイタリア、スペイン、オランダに広がる。パプリカの呼び名は、唐辛子全般をさすハンガリー語 paprika から。ちなみに、ピーマンはフランス語 piment から。
日本へは、1993年にオランダから輸入され、2006年には熊本県で栽培され、2010年以降、広島、茨城、宮城の各県で生産されている。現在消費量の90%は輸入品であり、輸入元は、オランダ、ニュージーランド、韓国である。韓国産が、2000年頃から増え続け、2017年には、輸入パプリカの80%を占めている。
畑の、純国産パプリカには、まだ、緑色の果実が沢山ついています。茎葉にも勢いがあります。色がつくのを待って収穫します。画像5の4枚組写真は、10月8日、12日、17日、19日に撮ったものです(画像5)色づき始めてから全体が赤色に変わるのに10日程かかりました。このぶんでは、しばらくの間、収穫の楽しみが続きそうです。
追記:パプリカの色づきは、緑色の光合成色素クロロフィルが減り、代わって、カロテノイドと呼ばれる色素の割合が高くなることによる。カロテノイドには、いろいろな色のものがあり、パプリカには数種のカロテノイドが含まれている。なかでも、赤色カロテノイドのカプサンチン(注:カプサイシンと混同しないように)が多く作られると赤色になり、少ないと黄色になる。