ツバキ
2019 03 07 (art19-0113)
春の到来を感じてか、樹木の芽が少しずつ変化しています。冬の寒さに負けまいと、硬く固まっていた樹木の芽がほころんできました。もうすぐ春です。冬の花の代表格のツバキ。1月下旬からポツリポツリと咲き始めたツバキが、日増しに花数を増やし、いまでは、全体に広がりました。木全体が赤い花で覆われています。照葉の常緑樹らしく、表面の照りのある緑の葉とのコントラストがみごとです。青空に映えます。
“牧野富太郎の植物紀”より、
「花は小枝端に着き無柄で形ち大きく下に緑色の芽鱗と萼片とがあって花冠を擁している。花冠は一重咲のものは六、五片の花弁より成って基部は互に合体し謝する時はボタリと地に落ちる。花中に在る多雄蕊の本は相連合して筒の様に成り花冠と合体し葯は黄色の花粉を吐く。中央に一子房があって三つに岐わかれた花柱を頂き、子房の辺に蜜汁が分泌せらるるのでよく目白(めじろ)の鳥がそれを吸いに来り、その際に花粉を柱頭に伝え媒助してくれる。ゆえにツバキは鳥媒花であるといえる」
ツバキの花は “ポタリ” と、環状の雄しべが花弁にくっ付いたまま、落ちることは、よく知られています。この散り方は、鳥媒花であることに関係していると思われます。鳥媒花の特徴の一つは、花の構造が強固であることです。これって、“ポタリ” に通じますでしょう。