チューリップ畑と 日吉津村
2019 04 15 (art19-0125)
朝方雲一つない青空が広がっていましたので、チューリップ畑の見物に出かけました。チューリップは庭先にもあります。家内が育てているもので、赤と黄色の花が咲き、これはこれで楽しんでいます。しかし、ちょっと遠出して、畑一面のチューリップを見ることにしました。場所は、日吉津村(ひえづそん)です。米子市に三方を囲まれた、鳥取県の唯一の “村” です。チューリップは “とっとり花回廊”(米子市の南隣、南部町の山間部にあるフラワーパーク)でも見ることができます。だだし、有料です。日吉津村のチューリップは、農家の人が球根の出荷用に育てているチューリップです。言うなれば、田圃に咲く花です。無料です。
日吉津村のチューリップ畑、みごとでした。ただただ、”おー” と感嘆するばかりでした。
ここのチューリップは、60年前に水田転作として栽培したのが始まりで、ひところは多数の農家が栽培に参加していたと聞いています。県内で最大規模の生産地となり、県下の出荷チューリップは全てここで栽培されていたとか。しかし、年々栽培規模が小さくなり、今では4戸が栽培しているそうです。 それでも、畑一面のチューリップは、十分、見応えがありました。
畑の向こう側に、王子製紙工場(旧日本パルプ工業、1953年操業開始)が見えます。この大型事業所が、市町村合併時に、日吉津村を米子市にとりこまれることなく、村として存続させた一因と考えられます。人口わずか3,500前後の小さな村にとって、このパルプ工場からの税収は村の発展に大きく寄与したものと思われます。その後、県下でも最大級のショッピングセンター ”イオンモール” の誘致開業(1999年)は、更に村の財政と就業環境を良好にしたものと考えられます。財政の恒常的な余裕は長期的な政策を可能にします。特に、子育て支援政策と住宅団地の造成は特筆できます。若い世代の転入が促進され、人口減が続く県内で唯一、日吉津村は人口増を続けています。
国立社会保障・人口問題研究所は「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」をまとめ、データをWeb公開しています(将来推計人口)。データは2045年までの人口推移の予測です(5年間隔)。2015年の人口を基準とし、それとの比率で各年の推計人口をプロットしてみました。鳥取県の東中西部を代表する3市(鳥取、倉吉、米子)、いづれも人口が減少していきます。凡夫の住んでいる湯梨浜町も、同様に減少しますが、減少幅は隣接の北栄町と倉吉市よりも少ないと推計されています。
しかしながら、何と言っても目立つのは日吉津村です。ここだけが、人口の減少とは無縁のようです。