キジ
2019 04 25 (art19-0128)
夏野菜の栽培の準備を進めています。畑の土を掘り起こし、堆肥と石灰を播いて均しました。数日空けて2,3回耕します。3つ目鍬を使用しています。この鍬は母が使っていたもので、凡夫には柄が短く、腰を曲げて扱うことになりますから、結構疲れます。夕方近く畑へ出かけ、土のかき混ぜ作業を行っていると、「カー、ギャー」とすぐ近くから鳥の鳴き声らしい音が耳に入りました。普段、耳にしない鳥の声です。鳴き声の方へ視線を向けると、畑の前の舗装道路の向こう側の休耕地に、大型の鳥がいました。雌のキジです。キジは、草叢の間を通り抜け、舗装道路に上がってきました。
頭部は濃い青紫色、体部は黒緑色です。背中側と翼は茶色や茶褐色の斑模様があります。長い尾羽には濃い茶褐色のストライプがみえます。また、目の周りの赤色がとても目立ちます。これは、上部のとさかと下部の肉垂が充血して膨らみ、赤くなっているからです。繁殖期の特徴です。
畑は民家の近くにあります。実際、キジがいた休耕地の隣は、民家です。こんなところで、キジを見かけるとは思いませんでした。
凡夫が子供の頃には、春の田圃には畝が立ち、小麦が植わっていました。夏期の稲との2毛作として、冬期に小麦が栽培されていました。梅雨期が近づく前に、小麦の収穫が始まります。そのころ、田圃でキジをよく見かけました。時には、キジが飛び出た場所の近くに卵が見つかりました。卵は、鶏の卵を一回り小さくした大きさで、その数は数個。小麦が少し外側に倒されてできた巣床に収まっていました。
今では、冬期に小麦を栽培する農家はなく、秋の稲の収穫後の田圃は放置状態です。耕耘されることもなく、稲の切株が整然と並んでいます。切株の合間には雑草が、場所によっては蓮華が群生しています。この時期、かつての小麦のような、体を隠せる背丈の高い作物はありません。繁殖期を迎えたキジが産卵し抱卵できる場所が残っているのだろうかと、ちょと心配になります。