超大型の台風10号
2019 08 19(art19-0163)
今日は8月16日。中国地方を台風10号が通過した翌日です。母屋と納屋の間のスペースで、鉄管を切断していると、Kさんが脇道を通りすがりに言葉をかけてくれました。「せいがでるね」、続けて「台風がいってよかったなー。でも、いつ風が吹いたのかいな。テレビで、大型、大型といって騒いでいたのに」。同感です。台風が最も近づいた時(15日の18時頃)も、その前後の数時間にも、雨風はなく、時折日が差したりしていました。いつ来るのかな、そろそろ来るかな、と思っているうちに通過していたようです。14日、畑に出て、”超大型” 台風に備えて、柿の木の暴風対策作業を行いました。柿の木は、畑の東端にあります。台風予報によると、東から強い風が吹くとのことでした。柿の幹が強風で裂けないようにロープを巻き、果実の重みでしなっている枝に紐をかけて、強風で枝が折れないように補強しました。完成した作品を眺めては、効果の程を知るべく台風の襲来の日を心待ちにしていました。しかし、当日、風が強く吹くことはなく、検証はできませんでした。肩透かしをくらった感じです。
なにか誤解がありました。TV報道番組がこぞって「台風10号は超大型、超大型」と連呼し、海上の高波の映像を幾度となく放映していたため、強烈な風を伴った台風がやって来ると刷り込まれたようです。ただ、TV報道が超大型と言う割には、気圧(965hpa)や最大瞬間風速(40 m/s以下)の数字を見ると、どうと言うことのない台風とも思われ、違和感がありましたが。何をもって、超大型台風と言っていたのか理解しようと、気象庁のHPにアクセスしました。
台風は ”大きさ” と ”強さ” であらわしているそうです。
"大きさ" は、強風域(平均風速15m/s以上)の大きさによって分別し、大型(半径500~800km)と超大型(800km~)の階級を設けています。
"強さ" は、最大風速によって、強い(33~44m/s)、非常に強い(44~54m/s)、猛烈な(54m/s~)に分類しています。
両者を組み合わせて、"大型で非常に強い" 台風のように表現するそうです。
台風10号は、強風域が広かったので、超大型台風に区分されたようです。これは、広域で、樹木が倒れたり枝が折れるような、強烈な風が吹くことを表現している訳ではなかったのです。誤解はここから来ていました。
それにしても、この度のTV報道は、台風の ”大きさ” にスポットをあて過ぎて、我々が知りたいこと、即ち、台風の "強さ" を地域ごとに正確に伝えることをないがしろにしていたように思います。台風の到来をひかえ、予想される風の強さを知ることで、備えの程度・範囲を決めます。この度は、TV報道にまんまと乗せられて、不要な備えをやってしまいました。
台風が通過した15日、町の広報車が、「暴風警戒が発令されました」と、マイクの声を響かせながら町中を回っていました。無風の中。ご苦労さん。