田舎(2)
2020 07 13 (art20-0254)
田舎(1)のブログを読んだ家内の発言。「私も、美容院を探すのが大変だった」と。家内は、PCに向かい、近くの美容院をネット検索し、店の情報を収集しようとしたそうです。店名と所在地の情報は入手できたそうですが、美容院が店の案内情報をネット上に発信していない為、店の雰囲気、営業時間や予約状況、料金など、比較検討する情報が手に入らず、美容院の選択が出来なかったと。結局、どの美容院が自分に合っているのかわからず、ドライブ中に目を引いた美容院に入ったそうです。余談ですが、凡夫は大学から床屋とは無縁です。独身のころは自分で髪を切っていましたが、結婚後は家内に切ってもらいます。家内も何十年とやっていますから慣れたもので、5分程しかかかりません。ただし、準備と後片付けがあります。
前回のブログで、田舎とは、『 (都会の人からみて) インタ―ネットが使えるのに地元の情報がネット上に発信されていない所』と定義できそうだと書きました。
こうした状況下、地元民は何か困ることがあるのでしょうか。ここで生まれた凡夫が、外に出て都会の生活に馴染み、ほぼ50年ぶりに郷里で暮らすことになり、Web検索で地元の情報が得られないとあげつらっているだけかもしれません。「何をそんなに騒ぎ立てることがあるの?」と、地元民は軽く受け流すことでしょう。地元民は地元のことはよく知っていますから、地元の情報を、わざわざWebページで入手する必要性などあろうはずがありません。「Web検索、何じゃそりゃ」と言ったところでしょうか。
凡夫が住んでいる地区は僅か250戸ほどの集落ですが、いくつかの店があります。商店(3店)、電気店、美容院(所在の移動あり)、床屋、設備の修理屋などです。これらは、凡夫が子供の頃に、既にありましたから、かれこれ、60年以上続いていることになります。地元民は、電気製品はK電気店、髪はK美容院かK床屋、水道配管の修理はK設備、お酒はO酒店、釣り道具はM商店などと言った具合に、地元の店を、何十年も、利用してきたのです。地元の店のことは、地元民がよく知っていて当然です。また、集落から車で2,3分の所に、スーパーマーケット ”味想“ とホームセンター “いない” があります。食料品や日用品は前者で、日用雑貨や住宅設備は後者で購入します。これまた、何十年も利用していますから、地元民はよく知っています。また、週に何度か店で買い物しますから、時折の安売りキャンペーンのことも知っています。
地元民しか利用しない商店、飲食店、専門店などが、自店の案内情報を、Webページを設けて、発信することにメリットがあるのでしょうか。Webページ上での宣伝に見合うだけの集客効果があるとは思えません。さらに、Webページの新設・維持には費用がかかりますから、費用対効果の面でも、自店のWebページをもつことは小さな地元の店に受け入れらることとは思えません。かくして、地元の情報がネット上に発信されることはありません。これが田舎です。
『 (都会の人からみて) インタ―ネットが使えるのに地元の情報がネット上に発信されていない所』にはそれなりの事由があります。