蒜山ハーブガーデン(続き)
2020 09 24 (art20-0275)
生食野菜の美味しさを左右する因子は、もっぱら、栽培環境と栽培方法です。しかし、蕎麦は加工食品ですから、美味しさを左右する因子はソバの栽培の良し悪しだけではありません。蕎麦が口に入るまでに、畑でのソバ栽培に始まり幾つかの工程を経ます。栽培―>収穫・保存―>製粉―>製麺―>調理(茹でて洗う)ー>食事。どの工程でも、多かれ少なかれ、旨み成分や風味が失われます。そして、時には、何の味もしない蕎麦を食べることになります。ソバは双子葉植物で、種子の中には大きな子葉(胚芽)があります。子葉は、蕎麦の旨さや風味を醸し出す脂質や、つなぎとして重要なたんぱく質を多く含みます。子葉部分は硬さや粘り気が他の部分と異なるため、玄そば(ソバの実/種子)全体をうまく製粉することは難しく、また、製粉後のふるい作業で子葉の脂質や蛋白質が失われると言われています。旨みを保ったまま製粉することはなかな難しいようです。製粉時の熱も旨みを損なう原因になります。石臼挽きによる製粉は熱が出にくいので、旨い蕎麦粉ができると聞いています。また、蕎麦作りの各工程で、失われるのは旨みだけでなく香りもそうです。蕎麦の香りは、ノナナール、ヘキサナールなどの多数の揮発性成分と言われていますが、細かい粉にされ、空気に触れると、揮発したり酸化されて、香りが失われると言われています。
蕎麦の「三たて」(挽きたて、打ちたて、茹でたて)は、美味しい蕎麦を食べる条件と言われています。理にかなっています。「三たて」に ”採れたて” を加えた「四たて」が、よりよい条件と言えそうです。しかし、「四たて」蕎麦にありつくことは、なかなか難しそうです。
それはさておき、話はドライブです。“そばの館”を出て、車を南方へ3km走らせると、蒜山ハーブガーデン・ハービルに到着です。駐車場に車を入れ、入園料の300円を払ってガーデンに入りました。
予想通り、ラベンダーの花は終わっていました。青空のもと、小山の南斜面に広がるラベンダー畑の斜面を上方へ向かってぶらぶら歩きました。高所に立つと、北の方角に蒜山の3つの稜線が見えます。左から上蒜山(1,202m)、中蒜山(1,123m)、下蒜山(1,100m)の三座です。高さがてごろなのか、多くの登山客が三座の縦走を楽しんでいるそうです。その三座の裾野に蒜山高原が広がっています。目を凝らすと、ヒルゼン高原センターの遊園施設の観覧車が見えます。
2階建ての母屋(香りの館)の東隣りにちょとした庭(ハーブガーデン)があります。多種類の植物が所狭しと植わっています。ハーブも幾種かあるのでしょうが、凡夫には、どれがハーブなのか識別できません。ぶらぶら一巡しましたが、特に目を引くものはありません。やはり、ここは、ラベンダーの開花期に訪れるのがベストのようです。一昨年(2018)の7月上旬に、ラベンダー畑で、家内がラベンダーの花を摘み取っていた姿が思い出されます。
帰路、ひるぜんジャージーランドに寄り、牛を見ました。駐車場は第1、そして第2第3ともほぼ満杯でした。関西だけでなく関東のプレートをつけた車も多数見うけられました。天気に恵まれそうな4連休、あわただしく多くの人が移動しそうです。そんな、人々の慌ただしさを尻目に、広い草原で、牛は、陽の光を浴びて、のんびりと気持ちよさそうにしていました。