畑の様子(12月中旬の大雪)
2020 12 24 (art20-0301)
冬至を過ぎたので、これから日が少しずつ長くなります。と言っても、冬本番はこれからですが。例年正月前後に雪になりますが、今年は、早くも先日ドカ雪に見舞われました。ダイコンとカブ、共に雪にすっぽり覆われたのですが、その後の降雨と好天で雪がとけ、埋まっていた茎葉が現れています。冬の野菜らしく、ダイコンの茎葉は生き生きとしています。カブは雪の重さで押しつぶされて、ぺしゃんこになっていますが、そのうち立ち上がってくるだろうと思います。(このHPをアップしたら、畑に出かけてビニールシートをかけてやります)
一方、夏野菜の方は悲惨な状態です。ナスは全滅です。凍死で、葉が縮んで黒灰色に変わっています。ピーマンは多くの葉が縮れ、実が随分傷んでいます。パプリカの葉も一部傷んでいます。パプリカの幼果はピーマン同様に傷んでいますが、幸いなことに、大きくなりきった果実はぼぼ無事でした。
雪に覆われた地面の温度は0℃より下がらないので、その中の作物は凍結しないことはよく知られています。ダイコンとカブ、共に雪にすっぽり覆われていましたから (最下段の画像) 、凍結をのがれたのでしょう。
一方、ダイコンやカブ、ホウレンソウなどの冬野菜は耐凍性メカニズムをもっていますから、ちょっとやそっとの雪や低温では凍結しません。『ダイコンは雪が降ってからの方が甘くなる』と言われていますが、これは、耐凍性メカニズムの一つで、細胞内に糖類、アミノ酸やタンパク質が蓄積するからです。
真水は0℃で凍ります。この水に塩や砂糖などの溶質をとかすと0℃で凍らなくなります。海水は塩分濃度が3.4%ですが、-1.8℃で凍り始めると言われています。塩分濃度が15, 16%の醤油は、-20℃でシャーベット状になり -60℃で氷状になると言われています。塩分濃度が15, 16%の塩水は -12℃で凍ります。醤油が-12℃では凍らず、もっと低い温度の -60℃で凍る理由は、醤油には塩分以外の物質、アミノ酸、ブドウ糖、乳酸など、が沢山溶けているためです。
冬野菜は、冬が近づき寒い日が続くと、低温(2-4℃)に感応して糖類、アミノ酸、タンパク質を細胞に蓄積するようになります。これらの細胞に蓄えられた物質は、細胞が凍ることを防ぐことになります。謂わば、冬支度です。十分な冬支度をすませた野菜は、そのまま畑に放って置けます。ただし、乾燥には留意が必要ですが。
そして、冬支度を済ませたダイコンは、格別の旨さを食卓に添えます。