今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

CNCルーター(9)

2021 3 12 (art21-0326)
前回、文字の浮かし彫りを試み、「今日も ようこそ」の文字彫り作品、なかなかの出来映えでした。今回は画像の切削に挑戦します。用いた画像は、東郷池で見かけた白鳥の写真(先月の月別写真に使用したもの)です。

写真をCNCルーターで彫るには、切削刃の軌道を指令できるように、写真の画像を数値化した線画にする必要があります。線画への変換は、写真をドロー系ソフトで表示させ、画像の輪郭線を直線や曲線でトレースすることで行います。これを自分でなぞって手作業で行うことは大変な手間ですから、ここは、変換機能をもったソフトウエアの一つであるInkscapeを使いました。Inkscapeはオープンソースで開発されているベクター画像編集ソフトウエアです。

ところで、画像はラスター画像(ビットマップ)とベクター画像(ベクトル)に大別されます。ラスター画像は、点の集まりで構成されるもので、写真や絵画、印刷物はこれです。拡大していくと画像が粗くなるという特徴があります。一方、ベクター画像は、点と線を解析幾何学的な図形の集まりとして表現したものです。拡大しても画像が粗くならないという特徴があります。

Inkscapeには、ビットマップをトレースしてパス要素を作成(線画化)するツールがあり、3タイプのフィルターが用意さています。また、自動トレース機能もあります。
(1) Brightness cutoff ピクセルの赤緑青 (RGB) の合計を黒あるいは白とみなす指標として使用する。
(2) Edge detection 境界線にコントラストが類似した平衡線を使用する。
(3) Color quantization 境界線に色が変わる平衡線を使用する。
(4) Autotrace
3タイプのフィルターより、(4) の自動トレースが、白鳥の形状を単純に浮き立たせていますから、これを使うことにしました。

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写真の白鳥の輪郭線を2つ彫り、一つは内側を面彫りします。今回彫る白鳥像は、小さいので、切削刃(エンドミル)は、前回までの2mm径より細い1mm径を用いました。
実際の手順は、以下の通りです。
❶.Inkscapeを立ち上げ、白鳥の写真 (.jpg) を取り込む。
❷.パスタブより「ビットマップのトレースを」クリックし、Autotraceを選び実効させる。白鳥のAutotrace像を.DXFファイルで保存する。
❸.Jw-CADを立ち上げ、白鳥像 (.DXF) を表示し、内側の面削りに必要な切削線を加え(下図の緑線)、(.jww) で保存する。
❹.NCVCを立ち上げ、白鳥の加工図(.jww)を表示し、NCプログラムを生成させる。
❺.NCプログラムに変更を加え、grblで使える Gcodeに合わせる。
❻.Grbl controllerからCNC1310ルーターへ送り、切削を実行させる。
❼.サンドペーパーで、バリをとる。

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今回、内側を面彫りしました。細かい切削をしようと、1mm径のエンドミルを用いたのですが、エンドミルの切れ味が今一で、切削面がシャープにでませんでした。また、MDF板の材質が柔らかいので、こまかい彫りは出来ないようです。もうすこし硬い材質のもので試してみる必要があります。
いくつかの課題は残りますが、これで、CNCルーターによる2次元 (平面) 彫刻の方法を一通り試してみたことになります。次は、Z軸方向の切削を加えた深みのある彫刻です。誰でも使えるフリーソフトのNCVCで、NCプログラムを生成させてきたのですが、これは、Z軸方向が動的に変化するNCプログラムを生成させることができません。さて、どうしたものか?

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