今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

ミカン畑

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この数日、水田の一画を嵩上げして、畑の造成作業を行ってきました。防風対策のネットも張り、ぼぼ完成しました。その畑に、自家栽培した温州ミカンを食べる日が来ることを楽しみにミカンの苗木を植えました。

このあたりの水田転換畑では、温州ミカンは栽培されていません。「植えてみたけれど根付かなかった」とか、「最初の数年はよかったのだが、そのうちダメになった」などの声を聞きます。
水田転換畑は、下層土(心土)を残したまま土を盛って畑にしたものが多く、排水が悪く、水位が高いままです。温州ミカンは水はけのよい土壌を好みますから、水田転換畑には不向きな果樹です。

ミカンを育てる上で考慮すべき因子には、土質の他に、気温、日射量、降雨量などがあります。この内、気温が重要です。温州ミカンの栽培には、年平均気温が高くても低くても問題があり、15-18℃である地域が適地だと言われています。和歌山、愛媛、静岡が代表的な産地です。しかし、地球の気候温暖化によって年平均気温は上昇していますから、温州ミカン栽培の適温地域が変化します。ちょっと古いのですが、おもしろい論文に出会いました。気温変動に注目して、温州ミカンの栽培適地の変遷を推察したものです。

以下は抜粋です。
   現在 (2004) の年平均温度が15-18℃となる地域は南関東以南の太平洋・瀬戸内海の沿岸部および九州の沿岸部が主に該当し、温州ミカンの主産地とおおむね一致している。4つの気候変動シナリオの平均値から推定すると、年平均気温が15℃以上となる地域は2020年代には山陰地方を中心とした本州の日本海側に出現し、2040年代には関東および北陸の平野部全域が15℃以上となり、2060年代には南東北の沿岸部まで広がる。(杉浦俊彦、横沢正幸 [園学雑 73:72-78, 2004])。
  
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気象庁のデータにアクセスし、実際の年平均気温の変化をみてみました。残念ながら湯梨浜町のデータがありませんでしたので、近くの沿岸地、塩津と青谷のデータで代用します。確かに、年平均気温は上昇しています。近年では15℃を超えています。今後も上昇傾向は続くでしょうから、このあたりは、温州ミカン栽培の適温地域になります。将来、山陰地方が温州ミカンの産地になることも、ありえない話ではなさそうです。

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温州ミカンの自家栽培を目指して、造成した水田転換畑で温州ミカンを育てるには、土質の問題をなんとかしなければなりません。この転換畑は、水田の土を盛って造成したもので、土全体の改良は容易ではありません。そこで、造成した畑の上に、更に、土を盛って温州ミカンを栽培することにしました。
土の盛り方は、2段ケーキ型としました。下段は直径65cm高さ15cmの円柱とし、上段は直径40cm高さ25cmの円柱としました。円柱の形は水田用の畦シートで作り、その内部にかつて梨を栽培していた梨園(椎山地域)の土を詰めました。

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2段ケーキ型盛り土に、ホームセンターで購入した6本のミカンの苗木を植え付けました。ミカンの品種は、温州ミカン3本とキンカン、レモン、ネーブル各1本です。温州ミカンは、早生品種の “宮川” と “ゆら” です。植え付け後、納屋に保存されていた農ポリシートをかけました。

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