今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

新型コロナワクチンの接種(副反応)

2021 8 26 (art21-0366)
家内が2回目のワクチン接種を受けました。体が熱く感じると言っています。体温は上がっていないので、”ほてり感” のようです。1回目の接種時も、同様な症状が出ていました。
ワクチン接種の副反応として、接種部位の痛みの他に、発熱、頭痛、倦怠感、鼻水などが報告されていますが、体の "ほてり感" は取り上げられていません。そこで、少し、調べてみました。

厚労省のHPに、「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」として、副反応のデータがのっています (データへ)。ここには、接種部位の症状として "熱感" が疼痛や痒みと併記されていますが、全身症状として、”ほてり感” の項目はみあたりません。

しかし、青森県立中央病院が調査したデータ(令和3年7月2日、新型コロナワクチン 1 回目および 2 回目の接種後副反応調査報告について[最終報]) には、"ほてり感" の項目がありました (データへ)。この報告書は、ワクチン接種後7日間の症状についてアンケート調査し、解答をまとめたものです(解答者数:1回目1,380人、2回目1,323人)。

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副反応としては、注射部位の痛みに加えて、筋肉痛、疲労、頭痛、発熱 (37.5℃以上) が多いのですが、その他の症状として、ほてりを感じた人が、1回目の接種で17人(1.1%)、2回目の接種で11人(0.8%) いたそうです(下表)。割合は低いのですが、"ほてり感" も、ワクチン接種の副反応と考えることができそうです。
また、その他の症状として、リンパ節の腫れが、1回目2回目の接種で、それぞれ、3人 (0.2%) 、28人 (2.1%) に起こっています。家内も、2回目の接種後、接種側の腋窩リンパ節が痛いと言っていました。

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ところで、凡夫は、ワクチン接種を2回受けていますが、2回とも少し接種部位に痛みを感じた程度で、他の副反応の自覚はありませんでした。接種後、体に何も起きないと、これで免疫学的な戦闘体制が備わったのかいな? と、かえって不安になります。

ファイザーのワクチンは、mRNAワクチンです。ウイルスのスパイク蛋白質のmRNAを体内に注入して、体内でウイルスのスパイク蛋白質を合成させ、これを抗原にして免疫反応を起こそうとするものです。このワクチンは、mRNAだけでできている訳ではなく、mRNAの分解を防いで細胞まで届くように脂質ナノ粒子にくるまれています。これは、脂質やポリエチレングリコール(PEG)から成ります。また、接種時には、溶液に溶かしますから、塩類や緩衝液も含みます。
ワクチン接種時の副作用は、これらのワクチンの成分とmRNAから体内で合成されるスパイク蛋白質に対して起こった免疫反応によるものと考えられます。合成されたスパイク蛋白質だけに反応していれば、副反応の症状が出た時、”ああ、免疫系が頑張ってスパイク蛋白質に対する抗体を産生しているのだなー”、と思えるのですが、ワクチンに入っている他の成分にも反応しますから、ことは複雑です。他の成分に強く反応して、強い副作用が起こることもあり得ます。

実際のところ、副反応の強さとワクチンの効果の関係はどうなっているのでしょうか。よく耳にするのは『接種後の副反応の強さと体内で作られる中和抗体の量には関係がないので副反応が無くてもワクチンの効果について不安に思う必要はない』ですが、これは本当でしょうか。

国立病院機構 村山医療センターが 「ワクチンにより誘導された抗体産生と、性、年齢、および実際に生じた副反応との関連について」と題するコロナワクチン副反応調査レポートを公開しています(データへ)。ワクチン接種後に、副作用の強さと、ウイルスのスパイク蛋白質に対する抗体価(S抗体価)と中和活性の関係を、225人 (男性84人、女性141人) について、調べています。
そして、『以上の結果より、ワクチン接種後の全身的な副反応が強い場合、特に発熱や強い倦怠感が出現した場合、血液中のS抗体価の上昇や中和活性値の増強が期待できることが示唆されました。倦怠感の強さはワクチンによる抗体産生、即ち免疫学的な効果の強さを示す指標になりうると考えられました』と結んでいます。
下図は、公開データの一つです。倦怠感が強いほど、スパイク蛋白質にたいする抗体がたくさん産生され、中和活性も高くなることが示されています。有意水準の表示は、*:p<0,05, **:p<0.01, ***:p<0.001です。
この図から、倦怠感が無かった人でも、抗体も中和活性も、ある程度、増強していることが読み取れます。この増強分が正しく計測された値で、なおかつ、ワクチンの効果を担保しているとすれば、副反応が無かった凡夫にとって、一つの安心の種になります。

何はともあれ、副反応が強いほどワクチンの効果が強くなる?のであれば、多少の副反応は我慢できるというものです、かな。 ただし、両者には関係がないとの報告がありますから、?マークは外せませんが。

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