カマキリの卵鞘とクモの卵嚢
2022 2 10 (art22-0414)
このところ、プルーン、ウメ、カキの剪定をおこなっています。陽射しがあって、お昼前後の比較的暖かい時間帯に出かけて作業を行っているだけですから、なかなか終わりません。急ぐ作業ではありませんから、気長にやっています。プルーンとウメの枝に、カマキリの卵鞘が付いていました。また、カキの枝に、ジョロウグモの卵嚢が掛かっていました。
カマキリもクモも一度に多数の卵を産みます。卵は密着して卵塊となります。
卵塊が何らかの構造物の中にあれば、”卵嚢” とか ”卵鞘” と呼びます。
卵嚢は、ふくろ(嚢)状のものに包まれています。クモの卵は糸状のふくろ、カイガラムシの卵は綿状のふくろに包まれています。
卵鞘は、さや(鞘)状のものに覆われています。カマキリの卵は分泌物のさやに、ゴキブリの卵は硬いさやに覆われています。
普段見かける大型のカマキリには、チョウセンカマキリ、オオカマキリ、そして、ハラビロカマキリです。ハラビロカマキリは、腹部が大きく、翅に小さな白斑がありますから、分別は容易です。チョウセンカマキリは、胸部が長いという特徴がありますから、これで見分けられます。また、前脚の付け根の色でも見分けられます。オオカマキリは黄色ですが、チョウセンカマキリは赤みがかっています。そっと、カマキリを摘まんでひっくり返してみれば分かります。
カマキリのメスは、交尾後多数の卵を、泡立てた分泌物でつくられた卵鞘の中に産み付けます。卵鞘の形状は種によって違います。写真の卵鞘は、上がチョウセンカマキリ、下がオオカマキリのものです。
ハラビロカマキリの卵鞘がみあたりませんでしたが、昨年の夏に姿を見ていますから、どこかにあるのでしょう。
ジョロウグモの、葉に包まれた白い卵嚢は、カキの枝に糸で結ばれ、風に煽られてふらふらしていました。周りに葉があるうちは目立たないのですが、葉がすっかり落ちたこの時期は結構目立ちます。
ジョロウグモはきれいなクモです。楕円形の腹部には黄色と黒色の横縞模様があり、細長い脚にも暗い褐色に黄色の帯が入っています。