今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

本「戦前の怪談」

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田中貢太郎の「戦前の怪談」(河出書房、2018刊)を読みました。著者は、伝記作家であり、怪談文芸の大家と言われています。明治13年(1880)に高知県で生まれ、昭和16年(1941)に60歳で亡くなっています。この本は著者が書いた数多くの実話怪談のなかから優れものを24話おさめたものです。

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本は2018年の出版ですから、凡夫が、ここ湯梨浜町に移住してから購入したようです。覚えがないのですが、たぶん、倉吉の今井書店で購入したのでしょう。いつか読もうと本棚に並べたまま、すっかり忘れていました。先日、本でも読もうかと、本棚をあさった時、目に留まりました。

怪談集といっても、"怖い" ではなく、"怪しい" ほうですから、定番の、狸や狐の化身話や幽霊話が数多くあります。もっとも、化身も幽霊も、ドロドロしたものではなく、あっさりしています。以前紹介した「耳袋」(art20-0294) に収録されている話を彷彿させます。
なかには、つつましい幽霊も登場します。

幼い子供を残して妻が病死したので、亭主は後妻を貰う。しばらくすると、夜な夜な、寝床に若い女が現れて、後妻に向かってお辞儀をする。後妻は怖くてしかたがない。話を聞いた亭主は、現場に立ち会い、女に向かって、言う。「おい、お前は、子供もこんなに可愛がって貰っていながら、何の不足があっていつもいつもやってくるんだ」と。女は、「私はお礼にあがっております」と答える。亭主は、わかったから、もう来るなと諭す。女は二度と現れなかった。[藍微塵の着物]。

毛並みの異なる話もあります。気味の悪い話なども。一押しは、[蟇の血]です。
ふとした縁で知り合った若い女と素人屋の2階で同棲することになった青年、高等文官の受験生。女のことで先輩の家へ相談に行った帰り、とある女と道連れになる。素人屋で自分の帰りを待っている女が気がかりであったが、女に請われるままに、女の姉が住むと言う家に上がり込んでしまう。そこで、奇怪なことを目にする。慄いて、必死に家から逃げ帰ろうとすが、それもままならず。そして、・・・・。

視覚化すればおもしろいだろうと思い、ネットで検索したところ、映画やドラマはみあたらなかったのですが、漫画になっていました。”近藤ようこ” の「蟇の血」です。


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