卓上バンドソー壊れる
2023 7 10 (art23-0561)
1年半ほど使っていた電動工具の卓上バンドソー(リョービ/京セラ、TBS-80、art22-0416)の調子がおかしくなり、動かなくなりました。最初の不調は、スイッチをONにしても回転を開始しないことです。しかし、カバーを開けて、手で少しプーリーを動かすと、回転を始め、普段通りに使えました。しばらく、そうして使っていましたが、プーリーを回しても、動かなくなりました。
回転を開始しないのは電気回路のトラブルだと思っていました。しかし、モーター直下に黒い粉が多量に落ちていましたので、モーターの異変かと思い、カーボンブラシを点検してみました。外筒のブラシキャップネジをはずしたところ、1つから、スプリングとカーボンの小塊が出てきました。カーボンは金属製の留め具から離脱していました。もう1つには何もありません。スプリングもカーボン塊も。ただ、金属製の留め具だけがありました。どうなっているのかと、モーターを本体からはずして分解したところ、カーボンの粉が、モーター内部から多量に出てきました。この量には驚きました。さらに、カーボンブラシとスプリングが見つかりました。スプリングは、破断して3個のかけらになっていました。モーター内部で見つかったカーボン塊はかなりのサイズでしたが、片端が破損していました。これまた、驚きです。 さらに、円筒形の整流子を構成する16片の導電板を点検すると、導電板の1片がありません。また、周辺の導電板は焦げたように黒ずんでいました。
状況から、こう考えました。
何らかの原因で、整流子の導電板の1片が脱落した。その為、モーターが停止するとき、回転軸がこの箇所で止まり、スイッチONで始動できなくなった。ただ、手で少し回して位置を変えると回転を始める。
整流子の導電板の1片が欠けて生じた凹みと、隣の導電板との間に段差ができる。回転すると、カーボンブラシがこの段差にぶつかり削られる。モーター内にカーボンの削粉が溜まり、同時に、空気を通す隙間から外に出て落下し、カーボンの黒い粉が直下にも溜まる。カーボンの片端が破損する。変形したカーボンは、整流子の凹み部に引っ掛かりスプリングごと、内部に引き込まれる。そして、スプリングの破断がおこる。こうなると、もやは、回転をすることはない。
カーボンがすり減って回転しなくなることは、よく聞きます。この場合には、少しずつすり減りますから、今回のように、カーボンの粉末が多量にモーターの内部や直下に溜まることはないと思います。今回の故障の原因は、整流子の導電版の1片が脱落したことだと考えられます。
使用頻度が低く、また、無理をしない使い方をしてきたつもりです。まさか、モーターが、モーターの整流子の導電板の1片が脱落するとは、思ってもみませんでした。そもそも、1年半ほどの使用で、整流子の導電板の1片が脱落するものでしょうか。幾種かの電動工具を数年使ってきた凡夫に言わせると、この程度の使用で、脱落し壊れるようでは、電動工具としては欠陥品です。よく名の知られたメーカーの製品だけに残念です。
整流子の導電板の1片の脱落について、メーカーに問い合わせています。