円柱を切り出す(木工)
2023 12 4 (art23-0603)
厚い木材を円柱に切る、例えば、10cm厚のブロック材から直径10cmの円柱を切り出す、には、ブロック材の上面に円を描いて、それに沿って垂直に切れば円柱ができあがります。円や曲線に沿って木材を切るには、鋸を使います。ただ、直線切りと異なり、曲線切りは、切りながら鋸の向きを変えていく必要があります。そのため、幅の狭い鋸を使います。しかし、幅を狭くすると、ノコ身が曲がりやすくなりますから、これを避けるために、硬い鋼材製の鋸刃を使ったり、鋸刃の両端を引っ張ったりして切ります。前者は引き廻し鋸、後者は糸鋸です。それらの電動工具が、ジグソーであり糸鋸盤です。
ジグソーに長い刃を取り付ければ、厚い木材を切ることができます。しかし、直線切りはできますが、曲線切りには問題があります。ジグソーの刃は、刃元だけて固定されていますから、刃を曲線に沿って向きを変えようとすると、刃先側が刃元と同じように向きを変えてくれませんから、刃元と刃先で歪みが生じて、垂直に切ることができません。厚さ6cmの木材を円に沿って切ると、円柱ではなく、円錐になります。しかも、いびつな円錐です。厚さ10cmの木材となると、ほぼ不可でしょう。
糸鋸盤では、鋸刃の両端が固定されていますから、ノコ身が曲がりにくく厚い木材でも曲線に切ることができます。しかし、前に書きました(art23-0599) が、趣味に使う程度の糸鋸盤の最大切断厚は5cmですから、厚さ10cmの木材は切れません。
ここはやはり、バンドソーを使うのがよさそうです。バンドソーは、輪になった鋸刃を上下の車輪にかけて回転させることで、鋸刃を上から下に一方向に動かしますから、厚みのある木材でも、真っすぐ、垂直に切れます。最近購入したRexonのバンドソーBS-10K2の最大挽き割高さは18cmですから、厚さ10cmの木材は問題なく切れます。刃幅の狭い替え刃を使えば、曲線も切ることができます。
さて実際の作業です。
- 10.5cm角の桧の柱材を長さ12cmに裁断し、ブロックを作る。
- バンドソーBS-10KS2に自作の円切り治具を取り付ける。
- ブロック材の中央に穴をあけて、円切り治具の円軸にはめこみ、ブロック材をセットする。
- ブロック材を円軸まわりに一回転させる。
円切り治具は、ネット情報を参照にして作りました。MDF合板に穴を開けて、ボルトをナットで固定し、円軸としただけの、簡単なものです。円の大きさは、バンドソーの刃と円軸の距離で決まります。
直径9.5cm用の円軸を使い、10.5cm厚のブロック材を切りました。使った刃はシャークブレード(刃幅6mm、山数4)です。
まずまずの円柱が切り出せました。