古代エジプト美術館展
2024 4 15 (art24-0641)
先日、家内の用事で鳥取へ出向い時に、県立博物館に寄って、古代エジプト美術展をみてきました。先王朝時代からローマ支配時代までの出土品、200点の展示です。確かに、多くの美術品をみることができました。ただ、ほとんどが小物で、装飾品と彫刻品、そして、生活雑貨でした。彫刻品は、人の指大の大きさのものが、低い陳列台に並べられていました。小さな立像を正面から見るには、腰を折って目を近づけることになり、ちょっときつく感じました。
平日であったので、観客は少なく、ゆっくり見て回れるだろうと予想していたのですが、予想に反して、多くの人が来館していました。行列状態で、せっつかれながらの観賞?になりました。平日とは言え、天気も良く、今回の美術展は始まったばかり(4月6日~5月12日)であったので、気の早る人が押し寄せたのでしょう。来館者の多くは、老人が多かったのですが、高校生の集団もチラホラ見かけました。
古代エジプトの美術に思い入れはありませんから、特に見たい品はありません。今回の展示品は、東京の渋谷に2009年にオープンした「古代エジプト美術館」所蔵のもので、美術展の地方巡回の一環のようです。国内では一級の美術館だそうですが、大英博物館とは較べようもありません。大方は忘れてしまいましたが、館内の古代エジプト展示室に足を踏み入れた時に感じた驚きと圧倒されたことははっきり覚えています。巨大な人や動物の彫像、ヒエログリフで記された大きな壁画、大きな棺とミイラマスク、そして、数体のミイラなど、です。とにかく、でかかったのです。
それでも、今回、ぐるっと見て回ると、ヒエログリフの文字形と彫像の色彩は印象に残りました。赤色と青色、いい色です。また、9つの護符のセットは、妙に興味を引かれました。護符は、死者を埋葬するときに添えるもので、死者の再生につながるものと考えていたそうです。このセットは、女神と雄神の組み合わせからなり、夜の間沈んでいた太陽が毎朝登るように、死者の再生復活を約束するものだそうです。また、東部が動物で身体が人間の半身半獣の神、トト神の像も興味深いものでした。
最後の展示室には、大きな棺桶が中央に置かれていました。壁際の陳列ケースには、ミイラマスクが収められていました。