イチジク
2025 8 14 (art25-0778)
数日降り続いた雨が上がりました。久しぶりに、畑に出てみると、イチジクの果実が大きくなって熟れていました。しかし、熟すと、果肉が柔らかくなり、果皮全体が濃い赤紫色に色づく品種ですが、柔らかくなっているのに、果皮が薄い赤紫色のままです。日照が足りず、色付きが進まなかったのでしょう。大きくなった果実は水膨れ状態と言ったところです。食べてみると、濃厚な甘さはなく、水っぽく薄味です。


イチジクの果実は、成熟期に急激に肥大します。一日で一回りも二回りも大きくなって、驚くことがあります。この時期の肥大は、水分の吸収で起こります。
果実の大きさを決めるのは、果肉の細胞数と細胞容積、そして細胞間隙の容量です。成熟期の肥大は、細胞間隙が著しく拡大することで起こると言われています。細胞数と細胞容積はほとんど変わりません。
また、果肉の細胞壁でペクチンの可溶化が進み、水溶性ペクチンが急増します。この水溶性ペクチンは、糖と相互作用しゲル状になり、より多量の水分を保持できるようになります。肥大に伴い、果肉は柔らかくなります。また、糖質が増えるので、ねっとりした甘味がでてきます。
成熟期の果実の肥大に水分は必要です。しかし、長雨などによる過度の水分の吸収は、肥大こそしますが、水っぽい果実になります。また、日照不足は、糖質の生成・蓄積が滞り、濃厚な甘さの果実になりません。
なお、今回収穫したイチジクは、ジャムにすると家内は言っています。