今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

12月のトマト、濃厚で甘い

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畑に、トマト(品種:フルティカ)の株が一つ残っています。この株は、夏に栽培した3株のなかの一つです。秋の栽培を試そうと、上部の茎を切り取り、下部から新芽を出させて、大きくしたものです。
果実は沢山付いたのですが、いつまでも緑色のままで、なかなか赤くなりませんでした。それでも、10月の後半になると、ポツリポツリと赤く熟れてきましたから、収穫して食べました。

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しかし、11月になると、日増しに、葉の緑色が薄くなり、一部枯れたような黄色がかり、体全体に勢いがなくなってきました。新しい脇芽が出なくなり、先端部の茎葉が展開せず、成長がとまっているように見えます。しかし、付いていた緑色の果実は白っぽくなり、白っぽい果実はすこしづづ赤みがかってきました。ゆっくりゆっくりとですが、熟れています。
12月の今日日、トマトは枯れ株のように見えます。それでも、収穫は続いています。果実が赤くなるのに、何日もかかります。

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秋取れトマトは美味しいと聞いていましたが、確かに美味しいです。甘みと旨味が濃厚で、ちょっと、ざらざらした食感があります。水分がすくなく、酸味がありません。夏取れトマトとは大違いです。こちらは、みずみずしく、甘さと酸味がありました。夏の暑い時期には、さっぱりとしたトマトが、一方、寒くなっていく秋には、濃厚で甘いトマトが美味しく感じるのでしょう。夏は夏取れトマトを、秋は秋取れトマトを、でしょうか。

ところで、秋取れトマトはなぜ、濃厚な甘みをもつのでしょうか。
積算日照時間の差異で説明している人がいます。曰く、トマトの積算温度(800-1200℃。ここでは、着果後、赤く熟するまでの積算温度で、日平均温度x日数で算出)になるまでの日数は、夏より、気温の低い秋の方が多くなる。そのため、その間の積算日照時間も増える。日照時間が増えれば、光合成による養分の産生、蓄積が増大する、と。

本当でしょうか。気象庁の月別平均気温と日照時間の測定データを用いて計算してみます。湯梨浜町の測定データはありませんから、倉吉の測定データ(2025年)を用います。 着果から赤くなるまでの積算温度を1000℃とし、かかった日数を計算し、その間の積算日照時間を出します。

夏、8月1日に取れたトマトの場合
7月の31日+6月の4.5日=>35.5日。積算日照時間は 347時間。
秋、12月1日に取れたトマトの場合
11月の30日+10月の31日+9月の3日=>64日。積算日照時間は 282.3時間

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確かに、赤く熟れるまでの日数は多くなります(35.5日と64日、1.8倍)。しかし、この間の積算日照時間は増えていません。減少しています(347時間と282.3時間、0.8倍)。したがって、秋取れトマトの甘さを積算日照時間で説明することはできません。ただし、秋季に天気の良い日が続く地域であれば、積算日照時間が増えるかもしれませんが。

植物体を見ていると、夏と秋の生育の様相に大きな違いがあります。夏は、果実がぐんぐん大きくなり赤く熟れてきますが、同時に、茎葉もぐんぐん成長します。秋は、茎葉の成長はほとんどみられません。
光合成で産生された養分の使い道(配分)が、夏と秋では異なるのでしょう。秋になり気温が下がって茎葉の成長が抑制されると、茎葉への養分供給が必要なくなり、その分が果実へ供給されます。光合成による糖分の産生力は低下するでしょうが、ほとんどを果実へまわすことができるので、日数が経てば、多量の養分が果実に蓄積されていると思われます。

真偽はどうであれ、本当に美味しいトマトを、家内と味わっています。

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