カキノヘタムシガの幼虫
2018 08 24 (art18-0050)
柿の木につく代表的な害虫は、イラガとヘタムシと言われています。イラガは、幼虫が6-7月と8-9月に発生し、葉を食べます。2回目の幼虫は、一回目の幼虫が蛹となり、羽化した成虫が産んだ卵から孵化した幼虫です。イラガによる葉の食害は、目につきやすいものです。食害された葉には幼虫がいます(イラガ art18-0027)。
一方、ヘタムシ(ヘタムシガの幼虫)の姿を見る機会はあまりありません。ヘタムシの被害は、果実の落下です。発生期は6-9月です。ヘタムシが、カキのヘタの隙間から侵入し、果肉を食べて、実を落下させます。落下は、ヘタを残しての落下で、生理落下と区別されます(生理落下は、果硬/花柄とヘタとの接点に形成される離層によって起こるので、ヘタ付き落下となる)。
畑の奥の方に、2本の柿の木があります。その一本、種なし西条、に幼果がたくさんついています。まだ緑色の幼果に混じって、赤茶に変色したものが2個ありました。ヘタ部をみると、排泄された虫糞がヘタとの隙間についています。芋虫が中に侵入しているようです。ヘタを外してみると、茶褐色の芋虫がいました。ヘタムシです。頭を隠しています。ちょっと、いじって、出て来てもらいました。なかなか、立派な姿です。4齢虫あたりでしょうか。
新芽に産み付けられた卵から孵化したヘタムシは、3齢虫になると芽から果実へ移動します。1~5個の柿の実を食害し、5齢虫になるとヘタに繭をつくって蛹になります。
収穫前の果実がボタボタ落ちるところを見るのは、気分のよいものではありません。6月上旬と8月上旬に農薬を散布しました。