筆立て(その2)
2019 02 14 (art19-0106)
筆立て作り(スライド丸鋸の応用)の続きです。前回作成した筆立ては、底面が正多角形の直角柱体です。底面の正多角形は、4,5,6,7,8角でした。側面は全て同じ大きさの長方形で、底面と直交しています (art19-0103)。
直角柱体を維持したまま変形するには、底面の形を変えることになります。6辺とも異なるサイズの6角形にしてもよいのですが、おさまりを保つために、対面の辺は同じサイズにしました。「底面が6角形の直角柱体」です。側面はいずれも長方形になります。
元の正6角形と比べると、ちょっと、いびつな印象を受けますが、そう悪くはありません。整い過ぎた感のある正6角形の直角柱体に飽き足らない人は、こちらを好むかもしれません。
底面の正6角形を維持したまま変形するには、上下底面の大きさを変えることになります。直角柱体から離れて角錐台になります。下底面の正6角形を大きく、上底面のそれを小さくしました。これによって、側面の形は、等脚台形となります。「正6角形の角錐台」です。
下部が太く上部が細くなりますから、よい座り感があります。さらに、側面が全て同じ形ですから、どの方向から見ても座り感は同等です。
上の変形2では上底面が狭くなりますから、筆立てとしては好ましくありません。そこで、上底面を広げるため、側面に長方形を入れ込んで、等脚台形と長方形の側面が互い違いになるようにしました。そうすると、両側面が向き合うことになります。
随分、上底面が広くなり、筆を立てる中空が確保されました。また、下部が幾分太いので座り感も保たれています。
変形2の上底面を広げるための代案として、等脚台形を交互に逆向きにしました。上底面と下底面は、平行移動では重なりませんが、同じ形(合同)になります。隣り合う側面の交線のシルエットが底面と直角に交わるので、一見、直角柱体のように見えますが、全ての側面が、交互に、内側か外側に少し傾いています。
柱体ではないのに上下の底面が同じ大きさ、同じ形であるこの変形体は、変化に富みながら、筆立てとしての広さがあります。多くの人に好まれるのではないかと思います。