田舎(1)
2020 07 09 (art20-0253)
田舎とは都会の対義語で、『 (都会の人から見て) 都会以外の所、特に、人家が少なく田畑の多い所』と定義されているようです。それでは、都会とは何かといえば、『人が多数住み、商工業が盛んでいろいろな文化的設備がある土地』だそうです。これは、田舎の人が、そう感じることなのかどうかわかりませんが、いずれにしても、都会と田舎の関係性はあくまで相対的です。鳥取県は、人口(56.0万人)及び住宅数(25.66万、そのうち、居住は21.56万)で、どちらも全国最下位ですから、県単位の田舎度で言えば、No1です。ただ、同じ人口でも、土地の広さによって、受ける印象は異なりますから、人口密度をみたほうがよさそうです。鳥取県の人口密度は160人/平方キロメートルで、全国順位では37位です。人口密度も低い県と言えますが、最下位ではありません。(データは、平成30年版です)。
ところで、田舎の定義に、田畑の多いとの言葉が入っています。森林ではなく田畑です。総土地面積のうち、耕地面積(田畑)が占める割合(%)を、耕地率といいます。鳥取県の耕地率は9.8%(全国順位26位)ですから、田畑の比率が特別高い県ではありません。しかし、総土地面積にたいする可住地面積の割合は25.7%ですから、可住地面積のうち田畑の割合は結構高い比率(38.1%)になります。鳥取県の風景は、総じて、平坦地が少ない割に田畑が多いな、との印象を与えてもおかしくありません。(データは総務省が出している【統計でみる都道府県の姿 2020】より)。
ここが田舎だと感じるのは、周辺の風景だけではありません。
羽合町(市町村合併前の町名、現湯梨浜町)に生まれ、中学を卒業すると羽合町を離れ、米子市、福岡市、町田市、熊本市、横浜市、京都市、と移り住んできました(途中、海外にも数年いました)。横浜市で暮らした期間が一番長く(20年間程)、横浜市での生活様式がいつの間にか自分の標準になりました。暮らしに必要な情報をインターネットで検索し手に入れることが日常化しました。外食しようと思えば、Web検索し、適当なレストランを探します。レストランが何処にあろうと、必要な情報、・・・広さはどうか、雰囲気はどうか、どのような料理か、値段はどうか、予約は可能か、評判はどうか、営業時間はいつか ・・・、を手に入れることができます。これらの情報によって、出かけるレストランを決めます。
自宅に居ながら、インターネットを使って暮らしに必要な情報を手に入れること、今や当たり前のことです。しかし、この当たり前には前提があります。必要な情報がネット上にあることを前提にします。ネット上にあるのは、誰かが、その情報をネット上に発信しているからです。レストランの詳しい案内を入手できるのは、経営者がネット上に案内情報を発信しているからです。レストランの評判を知ることができるのは、そのレストランで食事をした人が、感想をネット上に発信しているからです。
湯梨浜町に家内と移住してしばらく経ったころ、久しぶりに外食でもしようと家内の同意を得て、さて、どこにしようかと、PCに向かい、周辺のレストランをWeb検索しました。レストラン名の一覧が出てきえ、よさそうな店を選び、店の案内を見ようと、クリックしますが、それは出てきません。他のレストランの案内はどうかと試みますが、同じく出てきません。レストランを含め、日常生活にかかせない店の多くが、自店を案内するWebページを持っていません。外壁修理を依頼できそうな業者をネットで探したのですが、ままならず、結局、Webページのハウツー情報を参考にしながら、自分で行うことになりました。
前回のブログ記事 (art20-252)、メダカを購入した西倉吉バッテリー店はWeb検索で見つけたのですが、これは、誰かのブログ記事で知ったのであり、店の案内Webページを見た訳ではありません。見たくても、無いものは、見れません。
田舎とは、『 (都会の人からみて) インタ―ネットが使えるのに地元の情報がネット上に発信されていない所』と定義できそうです。