木製スプーン(2)(木工)
2021 2 1 (art21-0312)
カトラリーの3条件は、(1) 口当たりの良さ、(2) 持ちやすさ、(3) 金気がしないこと、と言われています。木製カトラリーの場合、 (3) はクリアしていますから、(1) と (2) です。スプーンの場合、口当たりは、くぼみ(つぼ)の形状と厚みによって左右されるようです。持ちやすさは、柄の長さ、太さ、曲りに左右されます。さらに、バランスの優劣もあるかと思います。こう考えると、スプーンを一つ作ることも大変です。ただ、3条件以前に、具材がすくえなくては話になりません。
先日、木製スプーンを作ったことをブログに書きました (art21-0307)。完成品を見て、家内は「形が変だと」言っていましたから、使えない?と懸念していましたが、現実になりました。2つの不備があります。
(1) 先端部の角度が大きいので、具材をすくいにくい。
(2) つぼが深いので、具材がスプーンのつぼに残りやすい。
そこで、2回目の作成にとりかかりました。
方法は前回と同様です。ただ、つぼ部は、彫刻刀を使わず、ミニルーターで掘削しました。材は、前回と同じで、サクランボの丸太から切り出した角材です。2度目の作成ですから作業ははかどりました。ただ、2本のスプーンを作成するつもりで、角材を2つ切り出したのですが、途中、一つに、つぼ部の裏面に亀裂が入りましたので、中止し、1本のスプーンの作成になりました。
出来上がったスプーンは、少し大型になりましたが、よい形に仕上がりました。早速、試してみました。使えます。ただ、つぼ部をもう少し深くし、厚さも薄くした方が、具材をすくいやすく、すくった具材が安定するようです。次回の作成時に、この点を生かしたいと思います。たかが、スプーンですが、作るとなるとなかなか難しいものです。
さて、今回は、つぼ部の掘削に彫刻刀を使わず、ミニルーターのみで行いました。ペン型ルーターでパワーはありませんが、それでも、スプーンのつぼを掘るくらいのことはできました。しかし、時間が結構かかりました。そこで、ルーターを使うのであれば、手動でなく、自動で削ることを考えてもよさそうです。それを可能にする機械があります。CNCルーターと呼ばれています、CNCはComputer Numerical Controlの略語で、コンピューターによって数値で制御することを意味します。CNCルーターは前から興味がありましたが、高価過ぎて手が出ませんでした。しかし、木製カトラリーを作る程度であれば、大きな作業領域を必要としませんから、小型のCNCルーターで間に合います。そう考え、ネットで調べたところ、安価な機種(中華製)が販売されていることが分かりました。近々、手に入れて、使ってみようと思います。