クワイの植え付け
2021 5 17 (art21-0342)
クワイの種芋を、かつての苗田の北側、用水路の傍、に植えました。クワイは好きな食べ物の一つです。甘さの中にほんのりとした独特な苦味があります。苦味の成分はイソアビエノールのようです(Yamazaki et al. 1986 Agri Biol Chem 50:3179)。また、デンプン質が豊富で、カロリーはサツマイモに匹敵します。
クワイ(Sagittaria trifolia ‘Caerules’ ) は水性多年草のオモダカの栽培品種です。オモダカより大きな矢じり形の葉をつけ、大きな塊茎になります。食用のクワイには、青クワイ、吹田クワイ、そして、白クワイがあるそうです。スーパーマーケットにならぶクワイは青クワイです。主に埼玉県と広島県で生産され、国内生産量の90%を占めているそうです。吹田クワイは小ぶりの品種で、大阪府吹田で古くから栽培されています。一方、白クワイは大型のクワイですが、お店に並ぶことはほとんどありません。
今回、植え付けたクワイは白クワイです。近所の人にお願いして、種芋をわけてもらいました。ポリバケツで栽培してみようと、2, 3 個の種芋をもらい受けるつもりでしたが、10 個以上も戴いたので、急遽、田圃で栽培することに変更して、植え床造りに取り掛かりました。
まず、苗田の片隅に広さ 2.0m x 0.6m、 深さ 0.4mの穴を2つ掘りました。
この苗田は、20年ほど放置されていた田圃で、一面葦が繁茂していました。葦は年に数回、草刈機で切除されていました。こちらに移住してから、”葦” 刈り作業を引き継ぎました(art19-0139)。葦は地下茎から生えてきますから、地上部を刈っても、しばらくすると、また出てきます。
今回、穴掘り作業を行い、葦の地下茎が上層の作土だけでなく下層の心土にも侵入していることがわかりました。葦の地下茎、恐るべしです。地下茎ともども土を掘起し、所定の大きさの穴をあけました。
次に、掘り起こした作土を、数日乾かした後葦の地下茎を取り除いて、ブルーシートで囲った穴に戻しました。僅か、広さ 2.0m x 0.6mの穴2つですが、出て来た葦の地下茎は、ちょとした小山をつくりました。やはり、葦の地下茎、恐るべしです。
堆肥と肥料をくわえてかき混ぜた後、水を入れてこね回し、どろどろの土にしました。最後に、石灰をくわえて、pHを調整しました。これで、植え床の完成です。
数日後、家内といっしょに、クワイの種芋を植え付けました。
初めて水性作物を栽培するので、生長の様子を眺める楽しみがあります。ただ、一つの懸念があります。あの葦が、頑固な地下茎から出てきて、ブルーシートを貫通しなければよいのですが・・・。