木製スプーン-材木(1)
2022 2 21 (art22-0417)
前回、スプーンを作成した木材は、桜桃です。自家製サクランボを食べようと、サクランボの木を畑に植えて育てていたのですが、虫が発生して駆除が大変でしたので、栽培を断念しました。7-8年の樹齢で、根元の幹は7cm程になっていました。伐採した木を使って、スプーンを作成しました (art21-0312)。サクランボの木は、硬く緻密で耐水性がありますから、スプーンを作るには適しています。しかし、もはや手元に、スプーンが作成できる程大きなサクランボの木がありませんから、それに代わる木を手に入れる必要があります。
どのような木が使われているかWebページで調べてみました。
木製カトラリーに使われている木はヤマザクラ、クルミ、ブナ、ナラなどの広葉樹です。このなかで、ヤマザクラは緻密な硬い木ですが、加工し易く耐水性があるので、カトラリーにはよく使われているようです。
薪を取り扱っている業者からヤマザクラの輪切り材をわけてもらいました。
木口を見ると、そとから樹皮、辺材、心材の3層に分かれています。樹皮は外樹皮(外の覆い)と内樹皮(養分の通路、師部)からなります。また、外樹皮には周皮があり、水分の漏れを妨げています。樹皮に包まれて辺材と心材があります。内樹皮と辺材の間に形成層があり、細胞分裂によって性質の異なる2種類の細胞を形成し、縦方向と横方向に肥大させます。辺材は、水を通したり栄養を蓄えたりと生理活動を行っています。一方、心材は、死んだ細胞からなり生理活動は行っていません。心材には樹種固有の色がでます。ヤマザクラの場合は、辺材は淡黄褐色、心材は赤褐色で両者の境界は明瞭です。
加工前に、輪切り材を乾燥させる必要があります。この時、亀裂が生じます。これは、水分を失って収縮するとき、部位によって収縮率が異なるからです。輪切り材、特に、厚みのない場合は、を風乾させると亀裂が入ります。乾燥方法に工夫を凝らしたり、背割りと言って、あらかじめ割れ目を縦に入れることで、乾燥による亀裂をコントロールできます。
わけてもらったヤマザクラの輪切り材の樹皮を剥いで放置しました。どの程度、割れが入るものか、様子をみることにしました。