生成AIを利用したウェブ検索 (11)
AI-文書要約
2024 3 11 (art24-0631)
田山花袋の紀行集「東郷池の一夜」を画像ファイルからのテキストファイルに変換しました (テキストファイルへ)。このテキストファイルを生成AIに読み込ませて、「東郷池の一夜」の内容をまとめてもらいましょう。それには、あらすじと要約があります。どちらもまとめではあるのですが、違いは、ストーリーをなどっておこなうかどうかにあります。ここでは、文章要約ツール、ELYZA DIGEST、要約AI Samaru、Glarity-ChatGPT4、を使うことにします。ウェブツールの前二者はテキストを入力して、後者はChromeの拡張機能として使いました。いずれも無料です。ただし、後者はトライアルのみのようです。では、結果をみてみましょう。
ELYZA DIGEST
(東京大学・松尾豊研究室発のツールで、どんな長文も3行にまとめることができるそうです)
東郷池の温泉に潜入した筆者が、女中を相手にビールなどを飲んだ。その女中は「東郷池」という名物で、川魚が取れるという。旅館の客は「東郷池では、何と言っても、大山ですよ」と語った。
短くまとめてくれるのはよいのですが、ちょっと文章がおかしいので、もう一度、要約させてみました。生成AIによる作文は、毎回内容が異なります。
東郷湖の一夜、松崎駅で筆者が女中を相手にビールなどを飲んだ。温泉としてよりも、倭文神社と吉川元春の陣した馬の山との方が面白いという。女中の足袋の裏も白く、着物も愛仙位は着ていて、何慮かいきなところがある。
要約AI Samaru
(テキストやURLを入力するだけで、指定した文字数や圧縮率に合わせて要約文を生成するそうです)
美しい静かな池があつたが、大きな湖水と言うことは出来なかつた。周囲を続つた山もさう大して特色あるものではなかつた。しかし私の心は何となくその静かな落 付いたシインに惹かれた。案内されて行った浴場がまた私の気に入った。女中の足袋の裏も白く、着物も愛仙位は着ていて何慮かいきなところがあるのも、静かな感じ。秋の夕暮れの静けさが、じつと腸に染み通るやうな気がした。東郷池は温泉としてよりもむしろ倭文神社と、吉川元春の陣した馬の山との方がおもしろい。その土地の人に取ってはそう大したすぐれたところではないに相違なかった。
Glarity-ChatGPT4
(ChatGPTを使ってYouTube動画やウェブページを要約したり、テキストを翻訳するChrome拡張機能です)
「東郷湖の一夜」は、松崎駅で下車した主人公が東郷池での一夜を描いています。湖畔の静けさや温泉、地元の名所などが描かれ、旅の魅力が表現されています。また、地元の人々との交流や観光地の違いについても触れられています。
三者三様の要約です。前二者の要約は、抜粋文の羅列に近いものですが、後者は、総括的な文で書かれています。あたかも、起こったことを、情景として把握し、包括的な言葉(地元、名所、魅力、交流、観光地)で簡潔に表現しているような印象を受けます。人が書いた要約に近いものです。生成AI、言葉や文の意味を理解していない筈なのですが、どうなっているのでしょうか。次へ続く。