大実キンカンの着果
2024 8 26 (art24-0679)
大実キンカンの木に沢山の果実がつくようにしました。大実キンカンの花は、前年に生長した枝から発生した新梢に、数枚の葉が出てきて先端部に付く花(有葉花)と、前年に生長した枝に直接付く花(直花)があります。花の数は、直花の方が圧倒的に多く、有葉花は少しです。しかし、着果するのは、ほとんどが有葉花です。直花は沢山咲きますが、多くは着果することなく落ちてしまいます。
昨年、大実キンカンの木は30個ほどの果実を付けました (art24-0616) 。すべてが、新梢の先端部に付いていましたから、有葉花からできたものです。この付き方は、温州ミカンと同じです。また、果実は一般的なキンカンより一回り大きく、尻部がふくらんだ楕円錐形でした。果実の付き方と形状から、大実キンカンは、大きなキンカンと言うより小さなミカンと言った方がよさそうでした。
ところで、大実キンカンの木に沢山の果実をならせるにはどうすればよいのでしょうか。
一般的なキンカンは沢山の果実を付けます。これは、有葉花だけでなく直花もある程度着果するからです。大実キンカンは多数の直花を付けますから、直花の一部にでも実がつけば、果数を増やすことが出来そうです。
直花の数を制限すれば、着果する直花が出てくるのではと考え、今年は、蕾の数を調整しました。生長の早い蕾だけを残して、他は取り除きました。これがよかったのか、一部の直花に実がつき、今では、小指大の果実に育っています。
大実キンカンの直花でも、摘蕾し花数を減らせば、着果することがわかりました。ただ、一番花が着果した後でも、次から次へと新たな蕾が出てきますから、今も、摘蕾作業を継続しています。また、有葉花の果実は新梢の先端部に付いていますが、新梢の若葉は柔らかいので、ミカンハモグリガの幼虫(通称、エカキムシ)の恰好の餌になっています。エカキムシによる食害がひどい新梢は切除しています。