今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

稲のポット栽培

2025 9 29 (art25-0791)
9月1日のブログ(稲穂の芒、art25-078")で、親子で稲のポット栽培を行っている山口県のグループのことに触れました。各人が自宅で育てている稲の生育状態について、定期的に意見交換を行う場(Zoom会議)を設けています。とある縁で、そのZoom会議に参加しました。ポット植えの稲は出穂後の登熟期にありました。その後、稲穂はどうなったのか気になりましたので、ほぼ一ヶ月後の9月27日に開催されたZoom会議にも参加しました。

ポットの稲穂は、いずれも収穫期を迎えていましたが、その状態はさまざまでした。しっかり育った株から稲穂が出そろっているポットもあれば、株の生育が今一で、穂数が少ないポットもありました。なかには、カメムシによる被害を避けるため、刈り取りをすませたポットもありました。
皆さん同じように育ててきたと思いますが、同じように稲は育っていません。同じようでも、どこか違っていたのでしょう。遠目にはこの辺りがとても面白のですが、当の本人は心外でしょうか。ただ、稲に限らず作物をちゃんと育てるのは容易なことではありません。なにせ、こうすればこうなるといった一義的な正解がありませんから。栽培マニュアルをみながら、各々がアレコレ考えて、自分なりにアレコレやってみるしかありません。どうなるかは、後のお楽しみです。
とは言え、各人のポットの稲穂の状態は随分異なりますから、収穫量に相応な差異がでてくるでしょう。

このグループの稲栽培のゴールは『自分で育てた稲を米にして食べる』だそうです。従って、稲穂ができたら終わりではなく、育てた稲穂を炊飯用の米にする必要があります。その工程は、稔った稲穂を刈り取り、乾燥させた後、籾にする(脱穀)、籾から玄米を取り出す(籾摺り)、そして、玄米から糠と胚芽を取り除く(精米)です。脱穀、籾摺り、精米には、それぞれ専用の機械がありますが、グループでは、手作業で行うようです。各人、アレコレ考えては試行することになるのでしょうが、収穫量の多寡に合ったやり方を模索することになりそうです。

ポット栽培とは言え、自分で稲を育てて獲れた稲を食べてみるという取り組みは、大人、子供を問わず、よい経験となり、思考の基となる経験知を構築します。日々、当たり前のように、食べている飯がどういったものか、身をもって理解する機会になります。自分で育てた稲穂が茶碗1杯分の飯になるかどうか、逆に、茶碗一杯分の米を作るには、どれくらいの稲株を育てればよいのか、分かります。また栽培管理の良し悪しで、収量が大きく異なることを知ることになります。それなりの稲を育てるには、どうすればよいのか、学ぶ機会になります。

こうした取り組みに興味を持ち、実行する親と子供が増えてほしいと思います。自分なりにアレコレ考えたり、アレコレやってみたり、アレコレ意見交換するような取り組みです。子供が興味をもつかどうかは、親、特に母親、の態度に左右されやすものです。親が興味を示せば、それをみている子供も、興味をもちやすくなります。子供は親の真似をしながら育つと言われいますから。なお、山口県の親子のグループは、母親と小学生です。
子供が将来どの道に進もうとも、こうした取り組みを通して培われる経験知は、思考の基礎知識となって、作物の元肥のように大きく育つための土台を作ることになると思います。

991-1_inenohazehosi_20250928


【戻る】