カイガラムシの卵
2021 5 10 (art21-0340)
3時のおやつタイムに干し柿を食べています。干し柿は、昨年の秋に作って冷凍庫に保存しています(art20-0285)。食べる前に、水に浸し、サランラップに包んで電子レンジにかけて柔らかくします。柿は平核無という渋柿です。渋味はタンニンによるものです。柿を干すと果肉の表面が堅くなり、空気の出入りが遮断されてアセトアルデヒドが発生します。この物質によってタンニンが不溶化し、渋味が無くなり、甘味だけが残ります。甘さが濃縮され、こってりとした味わいになります。
柿はビタミンCが豊富です。その含量は「ビタミンCの王様」のイチゴや「ビタミンCの女王様」のレモンに匹敵しますが、干し柿にすると、ビタミンCが減少します。しかし、体内でビタミンAに変わるβ-カロテインが生柿より多く含まれています。また、カリウムや食物繊維が豊富にふくまれています。干し柿を食べると血行がよくなり、胃腸が丈夫になると言われています。
畑の柿の木は、若葉に包まれています。沢山の花芽が付いていますから、今年も、干し柿が作れそうです。木の東側に回ると、若葉の裏に付着している白い筋が目に留まりました。筋は綿状ですこし厚みがあります。コナカイガラムシ類の卵嚢です(art19-0133)。目を凝らすと、いたるところに白い筋が付着しています。葉をもぎ取って回収しました。
卵嚢は、越冬したメスの成虫がオスと交尾し、葉の裏に産み付けた卵の塊りです。緑色の葉に卵嚢の白い筋は結構目立ちます。葉の裏側にあるので、上からは見えませんが、下からは、まる見えです。ちょっと、無防備な印象を与えます。しかし、卵嚢あたり300-400個の卵が入っていると言われていますから、回収した卵嚢の卵がふ化し成虫になることを思うと、ぞーっとします。更に、ふ化した幼虫は成虫になり卵を産みます。このサイクルを年に2,3回繰り返すようですから、この時期、卵嚢を見つけ次第取り除くことが、カイガラムシ防除には効果的です。