ブログ4年目に入る
2021 4 29 (art21-0337)
夏野菜苗の植え付けを前にして、本格的な雨になりました。このところの晴天続きで乾燥していた土壌が、この度の雨で、ほどよい水気を取り戻すでしょう。早いところの畑では、この雨を前に植え付けを終えています。
ブログを始めて、早や4年目に入るとは驚きです。日々の単調な暮らしのなか、曜日の感覚を失わないようにと月曜日と木曜日の週2回の更新を自分に課し、3年間順奉してきたことになります。
週2回、ブログ用に文章を綴ることは、退職後、文章を書く機会が少なくなった凡夫にはほどよい刺激になっています。個人用の備忘録や日記と異なり、読者がいるブログの文章は、それなりに気を使いますから、脳を刺激することになります。365日休暇中の人には、お勧めです。
ブログを開設することは簡単ですが、それを継続することは、なかなか厄介事のようです。ブログの継続率に関し、総務省の情報通信政策研究所からでた報告書(2009年3月)があります(報告書サイト)。タイトルは「ブログの実態に関する調査研究」です。かなり古いので現在の実態を把握することはできませんが、一般的な傾向を把握することはできると思います。
その中に、「更新継続率は、ブログ開設後 1 ヶ月目が最も低く、新規開設ブログの約1/3は、翌月には更新されなくなっている。開設 2 ヶ月目以降、更新継続率は次第に上昇するが、6 ヶ月後にも更新されているブログは、新規開設ブログ全体の 24.3%にとどまる」とあります。恐らく、1年後となると、その割合は更に減少して、20%を切ることになるのでしょう。
ブログをやろうと意気込んで始めても、最初の数ヶ月で挫折してしまう。理由はいろいろありましょうが、収益目的のブログであれば分からなくもありません。見込みのない商売であれば、早々に撤退することになります。なにせ商売は相手がいることですから。一方、趣味のブログは、書きたいことを書くだけで、ある意味で自己完結性を内含していますから、本人次第でやる気さえあれば継続できます。飽きっぽいと言われてきた凡夫ですら3年間も続けていますから、誰にでも出来ます。まずは、6 ヶ月の継続を目指して、趣味のブログを開設することをお勧めします。365日休暇中の人には。
新型コロナウイルスワクチン
2021 4 26 (art21-0336)
変異ウイルスN501Y(英国型)が猛威を振るい初めていることもあり、全国的に感染者数が増えています。昨日(25日)から4都府県は緊急事態宣言下に入りました。しばらく、窮屈な生活を余儀なくされるでしょう。と言っても、ここ湯梨浜町では、いつも通りの平穏な生活です。
そんな中、湯梨浜町でも65歳以上の高齢者を対象としたワクチン接種が5月8日から始まると新聞が報じていました。湯梨浜町には3箱(1箱975人分)が5月3日の週までに届くとあります(23日付けA新聞)。 湯梨浜町の人口は1,5987人で、そのうち65歳以上の人は5,191人(32.5%)です(推計人口/鳥取県統計課/令和元年10月-令和2年9月)から、このたび、半数以上の高齢者がワクチン接種を受けることになりそうです。
先日、畑で作業していると、近所の老婦人から、ワクチン接種券の受け取りの有無を問われました。一人暮らしで留守がちとかで、留守中に配布されたのでは、1人取り残されたのでは、と心配されていたようです。まだ受け取っていませんがそのうち届くでしょうと伝えると、安心されたようでした。
ワクチン接種券の発送日程と、接種順番の決定方法について、最新の情報を知る為、湯梨浜町の特設Webサイト「湯梨浜町の新型コロナウイルスワクチンに関する情報」と題するHPを見てみました。しかし、最終更新日が4月7日で、その後更新されていません。
【接種方法】
町内施設が行う集団接種と医療機関で行う個別接種を予定しているとのこと。
【接種順位】
65歳以上の高齢者は、医療従事者に次いで、接種を受けることになっています
【接種券の発送】
接種対象の人に順次発送するとあります。
ワクチン接種の早期実施を行うために、町は4つの業務班(総合調整担当、情報管理担当、接種調整担当、会場運営担当)から成る ”ワクチン接種推進班” を立ち上げたそうです。情報管理担当班の業務内容に、 “ワクチン接種に関する情報発信” とあります。できれば頻繁にHPを更新し、最新の情報を、迅速に、具体的に、公表していただきたいものです。
今朝、HPへアクセスできなくなっていましたので、湯梨浜町に電話を入れました。現在、更新手続き中とのことでした。また、推進班担当者のMさんの話では、接種の順番は施設の高齢者(300-400人)を優先し、その後は、電話で希望者を受け付けるそうですから、早い者順です。電話は2回線(70台)を用意しているとのこと、受け付けは27日の9:00ー17:00。接種券は先週末に発送したそうです。しかし、凡夫の所にはまだ届いていません。今日中に届くとよいのですが。ただ、ワクチンはまだ、1箱しか届いていないそうです。
ところで、このワクチンの接種は、誰もが全額公費(無料)で受けられるのですが、米国の製薬会社ファイザーがワクチンを提供しますから、政府はファイザーにお金を払うことになります。で、政府はいくら払うのか気になるとこです。契約上守秘義務があり、契約内容を公開できないようですが、秘密は漏れるものです。ベルギー紙ラーツテ・ニュースが報じたところでは、EUが確保した6種類のワクチンの1回分の契約価格は225~1,860円だそうです。英アストラゼネカが225円と最も安く、米モデルナが1,860円と最も高く、米ファイザーのワクチンは1,520円だとか。日本との契約価格は不明ですが、EUとの契約価格と大差が無いとすれば、1人あたり2回の接種で3,000円前後となります。
日本で承認されているワクチンは、ファイザーのものだけですが、5月には、アストラゼネカとモデルナのワクチンも承認されると言われています。なお、ファイザーとモデルナのワクチンは、分類上mRNAワクチンですが、アストラゼネカのワクチンはウイルスベクターワクチンで、種類が異なります。このアストラゼネカのワクチンには、接種後に血栓症が発症した事例が報告されています。この副反応、ちょっと気になります。日本はアストラゼネカとワクチンの供給契約(6,000万人分)を結んでいます。
ネット検索(3)
2021 4 22 (art21-0335)
今朝、天気予報通り風がほとんどなかったので、畑に出て、プルーンとウメの木に農薬を散布しました。プルーンはチャドクガ対策、ウメはアブラムシと黒星病対策です。散布終了後、風呂に入ってさっぱりしました。
さて、前回のブログで、文献検索に特化したGoogle Scholarを取り上げました。これを取り上げたからには、もう一つのGoogle検索の兄弟分?のGoogle画像検索を取り上げないわけにはいきませんかな。Google画像検索は、Web上で、指定画像と類似した画像を探すツールです。
庭や道端に咲いている花を写真に撮って、ときどき、ブログにのせていますが、何の花か分かっていないことが多々あります。家内が庭で育てている花の名前は家内に訊くこともありますが、花の名前を知ったからと言って何かが分かると言ったものではありませんから、あえて名前を調べたりすることはありません。しかし、ブログに取り上げて話題にする場合は、さすがに、名前を知らないことには書きようがありません。で、名前を調べるのですが、これが、大変です。花の図鑑を出して来て、花弁の大きさや数がどうの、花弁の形や色がどうの。雄しべや雌しべがどうの、がくの形状がどうの、子房ががくより上にあるの下にあるの、など、こと細かく観察して、図鑑と照らし合わせながら、該当する花に辿りつくのですが、とても面倒な作業です。
こんな時、図鑑と奮闘する前に、写真で撮った花を、Google画像検索にかけてみることにしています。操作は簡単で、Google画像検索画面の検索ボックスに、写真で撮った花の画像をアップロードするか、ドラッグ&ドロップするだけです。そうすると、ヒットした類似画像が出てきます。特定された場合は、検索ボックスに、花の名前(英語名)が出て来て、ウィキペディアの説明文の抜粋が表示されます。
どのような仕組みで検索しているか、Googleは公開していません。感じとして、今流行りのDeep Learning/AIを活用した検索ではなく、画像の特徴を抽出して比較検討するPattern Matching手法のようです。比較対象の画像は、Googleが蓄積している膨大な画像データですから、それなりに威力を発揮します。なお、Googleのアプリ ”Googleレンズ” の方は、Deep Learning/AIを活用した画像検索ツールのようです。
下の画像(以前ブログにのせたもの)をGoogle画像検索にかけると、検索ボックスにlove-in-a-mistと文字が入り、クロタネソウ(ニゲラ)のウィキペディアの説明文が抜粋表示されます。そして、ヒットした類似画像として、沢山のクロタネソウの画像が並びます。画像をクリックすると、画像が掲載されているページが表示されます。
庭に咲いていた花を写真に納め、Google画像検索にかけると、結果は以下のようになりました。和名はラッパスイセン、英語名はwild daffodil だそうです。
ネット検索(2)
2021 4 19 (art21-0334)
今では、学術雑誌は電子化されてWeb上で閲覧できるようになっていますが、かつて、凡夫が大学院生の頃は、図書館へ足を運び、資料庫に入り、書棚から分厚い製本雑誌(数冊の学術雑誌を綴じ合わせて一冊にまとめたもの)を取り出し、ぱらぱらとページをめくっていました。おもしろそうな論文は、資料庫の壁際に設けられたキャレル席で、時間をかけて読んでいました。
その後、電子ジャーナルが出版されましたが、初期の電子ジャーナルはCD-ROMの形態で配信されていました。CD-ROMのデータは図書館のサーバーに格納されていましたから、読者は図書館のPCから電子ジャーナルを利用していました。
1990年代末になると、インターネットの普及にともない、電子ジャーナルの利用形態が一変しました。利用者は学術雑誌の出版社のサーバーに直接アクセスして論文を閲覧できるようになりました。何処にいても、Web上で学術雑誌を閲覧することができるので大変便利になりましたが、学術雑誌の閲覧には利用料がかかります。最近はオープンアクセルのジャーナルと呼ばれている無料で閲覧できる学術雑誌も増えてきましたが、その数は多くありません。従って、出版社と契約し利用料を納めている大学や民間の研究所などに在籍・所属している学生や研究者は、多数の雑誌をあたり前のように閲覧していますが、市井の人はそうはいきません。閲覧できる学術雑誌は、オープンアクセスのものや、出版から数年後に無料公開されている雑誌に限定されます。
知りたい情報をネット上で探すとき、検索エンジンを用います。検索エンジンにはGoogleやYahooなど、いくつかあります。2020年の検索エンジンの国内シェアは、PCではGoogle 80%, Yahoo 12%, Bing 7%、スマホではGoogle 74%, Yahoo 25%, Baidu 0.2%だそうですから、大多数の人が、Google検索エンジンを用いて、ググっているようです。凡夫も、もっぱらGoogleを使っています。
温州ミカンの生育と地温との関係を調べた学術情報を得ようと、Googleの検索窓に “温州ミカンの生育と地温” と入力すると、23,600件がヒットします。この中から、学術情報をみつけるのは大変です。キーワードを巧みに組み合わせて絞り込めば、目的の情報にたどり着けるでしょうが、それ自体が大仕事になります。
こんな時は、Google検索の兄弟分?の "Google Scholar" を用いるに限ります。Google Scholarは学術的な文献を検索するために開発された検索ツールです。Google Scholarの検索窓に、先ほどの “温州ミカンの生育と地温” と入力すれば、312件がヒットします。表示された論文のタイトルとスニペット(キーワードを含む部分を本文から抜き出したもの)に目を通して、使えそうな論文を選び、クリックすれば、論文全体を読むことができます。日本語で入力しましたから、日本語の論文のみです。論文が掲載されている雑誌は、園芸学研究、園芸学会雑誌、日本土壌肥料学雑誌、試験場研究報告、農業生産技術管理学会誌、大学紀要などです。この中から、地温が温州ミカンの生育にどのような影響を及ぼすか?を研究した論文をさがすことは、それほど大変な作業ではありません。
また、英語で入力すれば、英語で書かれた論文がヒットします。Growth of "satsuma mandarin" and "soil temperature" と入力すれば、656件がヒットします。この中には、日本人の論文も含まれています。研究者は多くの人に読んでもらいたいので、できるだけ英語で書くようにしています。
さて、656件のヒット数は、ちょっと、多いので、検索語を追加して絞り込むことになりますが、この作業、慣れないと結構大変です。国内で研究した論文に絞り込むため、検索ボックスに、Japanと追加すると、ヒット数が461件に絞られます。次に、農業用ビニール(マルチシート)の有無での地温の変化に注目して、検索ボックスに、mulchと入力すると、310件になります。さらに、地温の温度による根の成長の変化に焦点を当てて、"root growth"と検索語を追加すると、34件となります。後は、ざーと目を通して選ぶだけです。
ネット検索(1)
2021 4 15 (art21-0333)
ミカンの苗木を植えた水田転換畑の地温が気になります。先日、2段ケーキ型に土を盛って、その上に苗木を植え付けましたが、土の乾燥を防止するため、黒色の農業用ビニール(黒マルチシート)をかけておきました。日射の強い日は、黒マルチの表面温度が非常に高くなります。土の温度が上昇し、根の機能不全や発育不良が起こるのではないかと、気がかりです。気温が高くなる季節を前に、黒マルチをかけたままにしておいてよいものかどうかと、迷います。
新しいことを始めると、アレコレ考えることがあり気が休まりません。新しいことと言っても、あくまで、自分にとっての新しさでしかなく、既に、誰かが、どこかで、似たようなことをやっていた(いる)だろうと思います。しかし、そうだからと言って、実際に行うのは自分であり、先行者からやり方や試行体験を伝授される機会でもあればそれを真似たり、参考にできますが、そうした機会がない場合は、自分で情報を集めては、アレコレ考え、最良と思われることを実行することになります。しかし、“何が最良であるか” を見定めることはなかなか難しいことです。
今日は、デジタル社会と称し、あらゆつ情報がネット上にあるものと思われています。どのような問題でも、ネット検索すれば、たちどころに解答が見つかるとまことしやかに言われています。ところがどっこい、そうはいきません。実際に検索してみれば分かることですが、本当に知りたい情報はなかなか見つかりません。不確かな情報は山のようにあるのですが、確かな情報がありません。ここでの確かな情報とは、科学的な根拠に裏打ちされている情報です。
どうして、知りたい情報に出会えないのか。そもそも、ネット上の情報は、誰かがアップしたからそこにあるのであって、誰もアップしていない情報はありません。これが一つ目の理由です。この中には、アップされてはいるが、閲覧が許可されていない情報も含まれます。二つ目の理由は、ネット上にあるにはあるのだが、見つけ出すことができない。これは、知りたい情報がゴミのような情報に紛れているためであり、検索エンジンの問題と言うより、ゴミの多さが問題です。
知りたい情報が、ミカンの栽培に関する学術的知見であれば、そうした情報がネット上に誰もが閲覧できる形式で公開されていると考えるには無理があります。これは、ちょっと考えてみれば分かります。研究者は、研究で得た知見を学術専門雑誌に載せることはしますが、専門外の人にも分かるように記述して、誰にでも読めるような形式でネット公開することはしません。理由は、単純に研究者にそんな “暇な” 時間はないのです。かく言う凡夫も、定年退職するまで40年間研究に従事していましたが、その間、学術雑誌に数十報の論文を載せたのですが、一度として、専門外の人に向けてネット上にアップしたことはありません。
外の作業がありますので、続きは、次回へ。
芝桜
2021 4 12 (art21-0332)
自宅から5分も歩けば東郷池(“東郷湖” とも呼ばれていますが、地元人には東郷池のようです)に出ます。東郷池は、北側が約2kmの橋津川を介して日本海に繋がる、周囲12kmの汽水池です。山が迫る北東部の一部を除いた東郷池の池畔と日本海に注ぐ橋津川の河口周辺の海岸は、広大な “東郷湖” 羽合臨海公園に指定されています。この中には、2つの温泉(はわい温泉と東郷温泉)と6つの公園(あやめ池公園[藤津]、長和田公園、浅津公園、南谷公園、長瀬公園、宇野公園)が入っています。加えて、東郷温泉の西側には中国庭園 “燕趙園” があります。
この時期、東郷池の池畔道路をドライブすると、ピンク色に染まった小さな丘が目に入ります。長和田公園の芝桜です。車を降りて、芝桜のピンク色の帯沿いに歩いてみました。白色の帯もあるのですが、ピンク色に圧倒されています。わずか200mほどの帯ですが、ピンク色の鮮やかさは、目を見張ります。
“東郷湖”羽合臨海公園のHPに掲載されている「花ごよみ」によると、次は、あやめ池公園の藤です。何度か、公園の藤棚はみかけたのですが、藤が咲いているところはまだ見たことがありません。5月になったら、ちょっと出かけようと思います。
プルーンの開花
2021 4 8 (art21-0331)
昨年は、プルーンの木に沢山の白い花が咲き、沢山の果実が成りました。今年は、どうなるかと楽しみに待っていましたが、今年も、沢山の花が咲きました。昨年よりも、一週間ほど早く、開花の最盛期を迎えました。
過去2回、花を沢山付けるように自分なりに考えて剪定を行い、結果として沢山の花が付いたのですから、してやったりと言ったところです。花を付ける剪定の仕方、会得できた感があります。
それにしても、プルーンの花はたよりなさそうに見えます。サクラ、ウメ、モモ、ナシと同じバラ科ですから、5枚の花弁をもってはいますが、花弁自体がよじれているためか隙間が多く、アピール力に難があります。しかも、よく見ると、1,2枚の花弁を欠いた花もちらほら見受けられます。
植わっている木がシュガープルーンとサンプルーンという品種なので、品種特有かもしれませんが、満開と言っても、花数が少なく、しかも、木全体に散発的に付いていますから、これまた、たよりなげです。
木全体を見ても、個々の花を見ても、たよりなさそうで、大丈夫かいと声を掛けたくなります。
ミカン畑
2021 4 5 (art21-0330)
この数日、水田の一画を嵩上げして、畑の造成作業を行ってきました。防風対策のネットも張り、ぼぼ完成しました。その畑に、自家栽培した温州ミカンを食べる日が来ることを楽しみにミカンの苗木を植えました。
このあたりの水田転換畑では、温州ミカンは栽培されていません。「植えてみたけれど根付かなかった」とか、「最初の数年はよかったのだが、そのうちダメになった」などの声を聞きます。
水田転換畑は、下層土(心土)を残したまま土を盛って畑にしたものが多く、排水が悪く、水位が高いままです。温州ミカンは水はけのよい土壌を好みますから、水田転換畑には不向きな果樹です。
ミカンを育てる上で考慮すべき因子には、土質の他に、気温、日射量、降雨量などがあります。この内、気温が重要です。温州ミカンの栽培には、年平均気温が高くても低くても問題があり、15-18℃である地域が適地だと言われています。和歌山、愛媛、静岡が代表的な産地です。しかし、地球の気候温暖化によって年平均気温は上昇していますから、温州ミカン栽培の適温地域が変化します。ちょっと古いのですが、おもしろい論文に出会いました。気温変動に注目して、温州ミカンの栽培適地の変遷を推察したものです。
以下は抜粋です。
現在 (2004) の年平均温度が15-18℃となる地域は南関東以南の太平洋・瀬戸内海の沿岸部および九州の沿岸部が主に該当し、温州ミカンの主産地とおおむね一致している。4つの気候変動シナリオの平均値から推定すると、年平均気温が15℃以上となる地域は2020年代には山陰地方を中心とした本州の日本海側に出現し、2040年代には関東および北陸の平野部全域が15℃以上となり、2060年代には南東北の沿岸部まで広がる。(杉浦俊彦、横沢正幸 [園学雑 73:72-78, 2004])。
気象庁のデータにアクセスし、実際の年平均気温の変化をみてみました。残念ながら湯梨浜町のデータがありませんでしたので、近くの沿岸地、塩津と青谷のデータで代用します。確かに、年平均気温は上昇しています。近年では15℃を超えています。今後も上昇傾向は続くでしょうから、このあたりは、温州ミカン栽培の適温地域になります。将来、山陰地方が温州ミカンの産地になることも、ありえない話ではなさそうです。
温州ミカンの自家栽培を目指して、造成した水田転換畑で温州ミカンを育てるには、土質の問題をなんとかしなければなりません。この転換畑は、水田の土を盛って造成したもので、土全体の改良は容易ではありません。そこで、造成した畑の上に、更に、土を盛って温州ミカンを栽培することにしました。
土の盛り方は、2段ケーキ型としました。下段は直径65cm高さ15cmの円柱とし、上段は直径40cm高さ25cmの円柱としました。円柱の形は水田用の畦シートで作り、その内部にかつて梨を栽培していた梨園(椎山地域)の土を詰めました。
2段ケーキ型盛り土に、ホームセンターで購入した6本のミカンの苗木を植え付けました。ミカンの品種は、温州ミカン3本とキンカン、レモン、ネーブル各1本です。温州ミカンは、早生品種の “宮川” と “ゆら” です。植え付け後、納屋に保存されていた農ポリシートをかけました。
畑の造成(風対策)
2021 4 1 (art21-0329)
かつて苗田として使用されていた荒れ放題の田圃の一画を嵩上げし、畑の造成作業を続けています。投入した土が水田の土で、粘土質が強く、乾くと硬化します。これでは畑の土として使えませんから、土塊や土ダマを破砕し、堆肥やもみ殻を加えて攪拌しました。畑の土らしくなったところで、次の作業に取り掛かりました。
苗田地区は、住宅地区続きの北西に位置します。住宅地区内では感じなかった風を、苗田地区に入ると感じます。風向きは、多くは北西です。結構強いので、ネットを張って風を弱めることにしました。納屋に、黒色の遮光ネットが沢山ありましたので、防風ネット代わりに使うことにしました。
納屋に保存されていた鉄パイプをもちだし、足りない分はホームセンターで購入し、縦横に組み合わせました。出来上がった鉄パイプの骨組みに、黒色の遮光ネットを取り付けました。1枚では防風効果が低く、2枚かさねて張りました。
これで、畑の恰好ができあがりました。
ところが、ちっと問題が浮上しました。風は北西の風が主であると考えて、東-北-西側の3面にネットを張りました。しかし、先日の夕方から翌日にかけて、風速10m前後の南風が吹き、ネットのない南側から強い風が畑に吹き込みました。困ったものです。日射の向きを考えると、できれば南側にはネットを張りたくありませんが、止むを得ません。南側にも、出入り口の隙間を残して、他の3面と同様に、ネットを張ることにしました。
今度こそ、完成です。鉄パイプをホームセンターで調達してから4日間の作業でした。
4本の鉄パイプ(長さ5.4m、径2.2cm)をかつぎ、ホームセンターから自宅まで自転車で運んだのですが、長さが長さですから風に煽られて大変でした。
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