今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

ブログ3年目に入る

2020 04 30 (art20-0233)
ブログを書いて3年目に入りました。飽きっぽいと言われている凡夫が2年間も続けているとは、我ながら感心です。ほぼ毎週、月曜日と木曜日に更新していますが、これは “マメ” な行為と言えそうですが、それなりの理由があります。

凡夫の生活はワンパターンです。朝起きてから寝るまでの16時間、毎日、同じ事項に時間を費やしています。散歩、畑の世話、木工工作、読書、TV観賞などです。その日の事項の内容は異なりますが、日付や曜日に絡んだ行為ではありませんから、おのずと日付や曜日の感覚が希薄になります。そうなったからと言って特に困ることはありませんが、せめて曜日の感覚だけでも保持しようと、ブログの更新日を月曜日と木曜日に定めました。それを守ることで、曜日の感覚を保つことができています。加えて、月曜日と木曜日を翌日に控えると何らかのストレスを感じます。これがまた、弛緩した頭脳にちょっとしたカンフル剤として機能しています。

毎日行っている事項のなかでTV観賞については、捕捉説明が必要です。
TV番組は週単位の構成ですから、番組の多くは毎週同じ曜日と時間に放映されます。古くは月9や火サス、日曜劇場など、曜日付きの通称があるように、いずれの番組も曜日に紐付いています。凡夫もTV番組を楽しんでいますから、観ている番組から曜日の感覚が仕込まれてもよさそうですが、そうなりません。理由はTV番組を録画で観ているからです。自動録画に設定しておけば、かってに番組が録画されていきます。観たい番組を録画された番組リストからタイトルで選択し、再生して観ています。放送日とは別の日に番組を観ていますから、番組と曜日のリンクがなくなります。かくしてTV番組を観ているのに曜日の感覚が根付きません。

余談ですが、番組中のCMの入れ方、もう少しなんとかならないものでしょうか。CMのお陰で民放テレビ局の番組が無料で視聴できますから、CMが入ること自体は許容できます。しかし、CMの入れ方が、“節度が無い” と言うか、“せこい” と言うか、どうもよくありません。話が佳境に入るとCMが挿入されます。話の盛り上がりに対抗するかのごとく、これでもかこれでもかとCMが何度も挿入されます。話がずたずたに中断されると興ざめします。そうなると、途中で、視聴を止めるか、あるいは、リモコンを操作してCMを早送りします。どちらも、それ以降のCMを見ないことになります。
TVは視聴してもらってなんぼの世界ですから、まずは、番組をしっかりと視聴してもらうことだと思います。CMを見てもらおうとCMを頻繁に挿入することで、視聴者が番組そのものを観なくなるようでは元も子もありません。節度あるCMの入れ方はそれなりに理があると思うのですが。ここでの節度とは、以前のように1時間番組であれば15分に1回です。

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エアコンの交換から稲作の今を知る

2020 04 27 (art20-0232)
内廊下の北側中央の畳部屋で家内と寝起きしています。かつて、この部屋に置かれたベットに、晩年の祖母が、父が、そして、母が伏せていました。祖母の面倒を母が、父の面倒を母が、母の面倒を姉と家内がみていました。凡夫らは横浜に住んでいましたから、近くに住む姉と交代で母の面倒をみるために、家内は何度も一人で横浜からここへ来ていました。

先日、その部屋のエアコンが動かなくなりました。新しいエアコンに交換するため地元の電気店のAさんに来て頂きました。Aさんの話では、このエアコンは、祖母が生きていた時に取り付けたものだそうです。30年以上も動いていたことになります。祖母、父母、そして我々の3世代に渡って世話になったエアコンです。“ご苦労さんでした” と声を掛けたくなります。

Aさんは、電気店を経営しながら、稲作もやっているそうです。エアコンの取り付が終わった後、少し話を聞かせて頂きましたが、その中で “おや” と思うことがありました。そろそろ種籾を撒いて田植え用の苗を育てる準備に取り掛かるそうです。その種籾は、自分で用意するのではなく、農協から購入すると言います。理由を尋ねると、農協から購入しないと作った米を農協に出荷できないとのことでした。また、農薬や肥料の散布等の栽培作業を全て記録し農協へ提出するとも。要は、農協の指示に従って稲を栽培し、指示通りに行っているかどうかの検査をうけるといった按配です。指示の内容は、いついつこれこれの農薬をこれこれだけ散布する、肥料を施すといった農作業だけでなく、使用する農薬や肥料の指定も含まれています。それらの農薬や肥料は農協が販売するものです。大変な世界です。大変でも儲かればよいのでしょうが、もうかるどころか、赤字になる、とも言っていました。とすれば、農協を潤すために稲作をおこなっているようなものとも言えそうです。大変な世界ではなく、変な世界です。もっとも、この構図は今に始まったものではありません。

定年退職後ここで生活をはじめた時「稲作は簡単だから、作ってみないか」との誘いを何度か受けました。“簡単”の意味がわかりませんでした。しかし、Aさんの話を聞いてわかりました。稲作は、田おこしに始まり、苗代の準備-播種と育苗、本田の整地と代かき-田植え、収穫、そして土づくりに終わりますが、その間、水の管理と栽培管理(雑草防除、病害虫防除)が継続します。複雑にみえますが、これらの作業はパターン化していて、年間スケジュールに組み込まれています。そのなかで、やっかいなのは栽培管理でしょうが、これは農協の指示に従って行うのであれば、個々の農家がアレコレ考える必要はなさそうです。作業にともなう肉体的なきつさはあるでしょうが、指示に従って行うだけですから楽と言えば楽です。そうです、ある意味、“稲作は簡単” です。かくして、誰が作っても、同質な米ができるのでしょう。”うちの米は、これこれをやったから、よその米より旨いとか、収量が多いとか” と言ったことは今の稲作にはなさそうです。

Aさんは、こうも言っていました「米は作っているけど、野菜作りはできないからやっていない」と。米作りは作業がパターン化しているため週に1,2度(あるいは週末だけ)田圃に出て作業すればこなせるのですが、野菜作りはそうはいかないことにあるようです。特に自家用の野菜作りは、できるだけ農薬を使いたくありませんから、病気や虫の発生に気を使います。毎日、畑に出て様子を見る必要があります。異常を見つけたら、原因を特定し早急に対処しなければなりません。このこと、2年間の野菜作りで学習しました。

集落の東側は東郷池で、西側は田圃が広がっています。農業に従事している人は少なくなったと聞いていますが、先祖から受け継いだ田圃を放っておく人はいないようです。草ぼうぼうの田圃は見あたりません。一区画内の田圃をのぞき、毎年稲が栽培されています。一区画の田圃は転作作物の大豆用です。自分の田圃を管理できなくなった多くの住民は、誰かに田圃をあずけ、稲や大豆を作ってもらいます。その誰かとは、区の農事実行組合や個人です。農事実行組合は区の有志が組織した組合で、田圃の管理と耕作を一手に引き受けています。我が家の田圃は、生前の母がそうしていたように、一部を個人にあずけ、残りを組合に委託しています。今も、我が家の田圃でとれた米を食べています。かつては、田圃の貸し賃として自家消費量分の米を貰っていたのですが、今では、お金を出して自家用の米を手に入れています。

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マスク-新型コロナウイルス

2020 04 23 (art20-0231)
新型コロナウイルスの感染騒ぎで大変です。特効薬がない現状では、感染防止が唯一の対抗策のようです。判明している感染経路は飛沫と接触だそうですから、感染者と接触しないように行動できればよいのです、が、しかし、現下のPCR法による感染症検査の手順では無症状の感染者を特定できませんから、誰彼と言わずあらゆる人との接触を避けざるを得ません。そんなことで、連日、都市部での人出が今日はどれだけ減少し、目標値である7,8割減を達成したのしないのとマスメディアが報じています。
しかし、ここ湯梨浜町では、人の動きに大きな変化はありません。元々人が少ない地域ですから。ただ、湖畔公園に人影がいくらか多くなったように見受けられます。しかし、これは、このところの好天続きの影響かもしれません。

それでも一つの明瞭な変化があります。マスクが手に入らなくなったことです。凡夫は、木工作業中マスクをつけるようにしていますから、マスクを常備しています。ストックが底をつく前に近くのホームセンターで購入していました。しかし、数ヶ月前から、品切れのため購入することが出来なくなりました。マスクの品切れ状態は、今も、解消されていません。困った事態です。

ホームセンターでマスクが入手できなくなった頃、インターネットの通販サイトをあたると、マスクの高額販売が目につきました。1箱 (50枚入り)600円前後で買えたマスクに15倍から20倍の価格がついていました。買占め品の転売のようです。とても高くて手が出ません。しばらく様子をみていると、そのような高い価格でマスクを購入する人がいるようで、出品者の数が減少し、その分、価格が更に上昇しました。そのうち、マスクの転売を禁止する “お達し” が出て、このマスク価格の異常な高騰は終焉しました。
その後、しばらく、通販サイトにマスクの出品はなかったのですが、4月に入ると、ぼちぼち出始めて、最近は、多数の取り扱い業者が参入してマスクを販売しています。箱入り (50枚) で3,000円前後です。かなり安くなりましたが、それでも、まだ新型コロナウイルス騒ぎの前に比べると、5倍の高価格です。

我が家では、家内の作製した布製マスクを使っています。インターネットのノウハウ記事に従って、家内は試作品をつくりました。試着したところ、ちょっと、不具合がありましたので、すこし手を加えて凡夫の顔にフィットするように改良してもらいました。マスクは、鼻、ほほ、あごにすき間がないように、顔にびったりとフィットしないと効果を発揮しません。自家製マスクは個々の顔に合わせて作ることができますからこの点は自家製ならではです。家内作の ”マイマスク” を付けて外出しています。また、木工作業中も装着しています。

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マスク不足の状況下で、福井県の取り組みは特筆できます。なんでも、県下の27万世帯の全てに2枚のマスク購入券なるものを配布するとのこと。このマスク購入券をドラッグストアの「ゲンキー」へ持っていくと、マスク購入券1枚につき1箱 (50枚入り)のマスクを2,350円で購入できるそうです。マスクが購入できること、あるいは、購入したマスクが手元にあること、県民は安心感を共有できるのでしょう。県は必要枚数のマスクを確保して県民がいつでも購入できる筋道を立てただけですが、とてもスマートな方策だと思います。

国の全世帯に布製マスク(通称、アベノマスク)を2枚ずつ配布することが始まっていますが、家内がそうしているように、布製マスクは家庭にある材料で作れますから、配布のありがたみはほとんどありません。そのありがたみの乏しい布製マスクの配布に、総額466億円もかけるとは、あきれてしまいます。やっていることがずれているような気がします。マスクに関し、国が、あるいは県が動くのであれば、不織布のマスクを適正な価格で購入できる状態にすることでしょう。必要なのはマスクがいつでも手に入るという安心感です。新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になりますからなおさらです。不織布(繊維を絡み合わせて接着させシート状にしたもの)の方が、糸状の繊維を織って作製した布よりフィルター(ろ過)効率にすぐれています。ガーゼマスクではほとんど捕集できない3-5μm大の飛沫を不織布製のマスクは捕捉してくれます。

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畑の土造り(耕起)

2020 04 20 (art20-0230)
夏野菜の栽培の準備を始めました。
畑の土を掘り起こし石灰と堆肥を入れます。土の耕起には三目鍬を使います。休み休みでしたが、なんとかこなしました。土の中から、ミミズ、カエル、芋虫が出てきました。

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ミミズはフトミミズで、あちこちから出てきました。
ミミズは、せっせと、土と落葉などの有機物を摂食し、糞として排泄します。この食べては出す行動が土壌を改良すると言われています。土はやわらかく通気性に富んだ団粒構造に変わり、微生物が繁殖しやすい環境になります。ミミズの体内で落葉などの有機物が分解されますから、排泄された糞には作物の養分になりやすい化学成分が豊富に含まれています。摂食された有機物の約7割が無機態窒素として糞中に残るとも言われています。

ミミズは一日あたり自分の体重と同程度の土と落葉を摂取し、同程度の量を糞として排泄すると言われています。ミミズの体重を2gとすると、100匹のミミズは、一日あたり200 gの土を食べて糞として出します。ミミズが積極的に活動する地温は10-20℃と言われていますから、3月から6月の4ヶ月です。4ヶ月120日間、摂食・排泄行動をせっせと行ったとすれば、その量は24,000 g (24 Kg) になり、およそ32cmx32cmx20cm(土壌の比重を1.2とする)の土嵩に相当します。ほぼ、段ボール箱1個分です。凡夫の畑の面積は5mx3mですから、畑の全土を120日間で食べて出すには、15,000匹のミミズが必要です。畑の土を三目鍬で掘り返した時の印象では、数十匹のミミズがいましたから、大目にみて100匹とすると、計算上0.7%の畑の土がミミズの体内を通り改良されることになります。

カエルはトノサマカエルです。2匹出てきました。鍬で掘り起こされても、逃げることなくじっとしています。今年の啓蟄は3月5-19日、翌日が春分でしたから、すっかり冬眠から目覚めて出て来てもよいのですが。冬眠中のカエルは土中の温度が6℃以上になると土から出てくると言われています。このところ随分暖かくなっていますから、地温も温まっていると思いますが、なかには、のんびりしたカエルもいるのでしょう。ちょっかいを出さず、そのままにしておきました。

芋虫はカナブンの幼虫です。越冬したのでしょう。カナブンの幼虫は、腐葉土を食べ、排泄することで発酵を促進すると言われています。これまた、土づくりのお手伝いさんです。ただ、この時期の幼虫がどれぼどやってくれるか疑問ですが。それでも幼虫は害がなくてよいのですが、前蛹と蛹を経て羽化した成虫は1ヶ月の命とは言え、その間、果実を齧り樹液を吸いますから、よろしくありません。

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GeneChip

2020 04 16 (art20-0229)
1990年代後半の話です。
一つの細胞に数千の遺伝子が発現しています。研究者は、1回の実験で、全ての遺伝子の発現を測定することを夢みていました。この夢を実現したのがDNAマイクロアレイテクノロジーです。1992年にStephen Fodorによって創設されたベンチャー会社アフィメトリックス社(Affymetrix, Santa Clara, CA, USA)が開発したGeneChip (DNAマイクロアレイの商品名)はその一つです。

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DNAマイクロアレイテクノロジーが実用化される前、研究者は遺伝子発現の測定にはノーザンブロットと呼ばれていた方法を用いていました。この方法では、一回の実験で1つの遺伝子の発現を測定できるだけでした。複数の遺伝子を測定しようとすると作業量が増えて大変でしたから、数千の遺伝子の発現をノーザンブロット法で測定するなどとははなから頭にありませんでした。
そんな時に、1回の実験で、数千の遺伝子の発現を測定することができるDNAマイクロアレイの出現は衝撃的でした。多くの研究者が興味を示し、市販されるのを今か今かと待っていました。そんな状況にあって、凡夫らはきわめて早く使用することができました。おそらく、日本で、最初に GeneChip を導入し、実験に使用したのは凡夫らのチームだと思います。そのからくりは、Early access (EA) です。

外資系製薬会社のR社は、アフィメトリックス (A社) と GeneChip の開発で EA 契約を結びました。R社は GeneChip 開発の資金援助を行うみかえりに、開発の早い段階で GeneChip を使用することができました。EA契約に基づいて、年4回A社との合同会議が開催され、 GeneChip 開発の方向性や問題点を協議する場を設けていました。A社から開発の進捗状況や新製品の構想、そしてR社から要望や意見などが持ち出され、アレコレ協議していました。会議にはR社の6研究所(スイス、ドイツ、イギリス、アメリカ東と西、そして日本)の代表が参加し、A社とR社の6研究所が順繰りに会場を提供していました。凡夫は日本の研究所の代表として参加しました。
この会議に参加して、“新しい技術が開発・実用化されて市場に出る” とはどういうことであるかを知りました。アメリカなどの海外にはベンチャービジネスが育ちやすい土壌があるとよく耳にしますが、その土壌がどのようなものであるかを理解することができました。

初めてA社の小さな建屋で GeneChip の製造現場を見学したときは、ある意味で非常に印象的でした。 GeneChip は、個々の遺伝子に特有の DNA 配列をもつ短い単鎖 DNA を、ガラス基板に張り付けたものです。実際の製造では、合成した短い単鎖 DNA をガラス基板に張り付けるのではなく、ガラス基板の上で、固相合成技術を用いて単鎖 DNA を合成します。 DNA 合成は万単位の箇所 (正方形でサイズは50μm四方、その数16,000箇所、後に65,000 (サイズ50μm )->256,000 (サイズ24μm) ->500,000箇所 (サイズ12μm) と増えて行きます) で合成します。しかも、合成する DNA 配列は全て異なります。これは、遺伝子配列に従って、ある一つのデオキシヌクレオチドが合成される箇所と合成されない箇所を、逐次選択しながら基板全体で合成反応を繰り返すことで行います。この時、合成箇所の選択に、光を照射したところだけが化学反応が起こることを利用したフォトリソグラフィー技術を用います。光をあてる箇所とあてない箇所の選択には、マスクと呼ばれるマイクロレベルの穴のあいた平板を被せて、光を照射することで行います。

マスクを被せる作業を、手作業でおこなっていたのを見た時は、驚きました。拡大画面にマスクの4隅を順番に映し出し、マスクとガラス基板のずれを手作業で修正していました。20数枚のマスクを使用します。また、合成終了後、ガラス平板をのせて周辺を糊付けしていましたが、これまた、手作業でした。大男の無骨な手で、きちんと仕上がるものだろうかと気になり、近寄ってよくみると、案の定、少しゆがんだりしています。微細な、マイクロレベルの物造りを行っている筈ですが、工程の多くが手作業です。これで、大丈夫だろうかと、心配せずにはいられませんでした。こんなテクノロジーに莫大な資金を出して採算がとれるだろうかと。しかし、数年後、A社の GeneChip が市場にでると強烈に支持されました。そして、マイクロアレイテクノロジーの世界を牽引しました。
これが資金援助なのでしょう。完成した技術や製造工程しか知らなかった凡夫にはとても奇異に見えたのですが、本当に革新的な技術の誕生初期はこんなものなのでしょう。潜在的な可能性を見抜き、資金を援助して、その可能性を実現させるとはどういうことか、教えてもらいました。

余談です。
GeneChip 技術でテレビの取材を受けました。放映をビデオ録画していたのですが、別の番組を上書き録画したようで、残念ながら、もう一度みることができません。
取材の中でインタビューを受けました。普通のインタビューと聞いていましたが、当日、上の判断によって、顔を出さないインタビューとなりました。 GeneChip 技術がどういうもので、それによって何が分かるのか、そして、創薬やサイエンスへのインパクトについて話したつもりです。
後日、放映を観ましたが、顔なしインタビューで、しかも、研究所名も伏せていましたから、ある製薬会社が、よくわからない新技術を使って何かゴソゴソやっているといった内容でした。どちらかと言えば、秘密裏に何かよからぬことをやっているといったものでした。
顔は出ませんでしたが、音声はそのままでしたので、放送後、知人からいくつか連絡を受けました。顔が無くても、誰であるか分かったようです。

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鶏糞

2020 04 13 (art20-0228)
鶏糞は、窒素 (N)、リン酸 (P)、カリ (K) の肥料の3大要素が豊富に含まれている有機肥料です。

ホームセンターには鶏糞袋が山のように積まれて販売されています。鶏糞には乾燥鶏糞と発酵鶏糞がありますが、その違いに頓着することなく、最初に目に入った山から鶏糞袋を取り出し購入しました。持ち帰った鶏糞を畑の果樹周りに播いたところ、くさくてくさくて、たまりません。昨年はくさくなかったと記憶しているのですが、今年の鶏糞の臭いは異常です。
畑の南側に民家があり、このところの北西の風にのって、臭いが民家の方へ流れています。乾燥鶏糞の臭いは数日続きます。いつ苦情が出てもおかしくない状況にあります。何とかしたくても、対処法を思いつきません。一度広く撒いた鶏糞を回収することはできませんので。どうなることやら。

この鶏糞のくささ、どうしたのでしょう。昨年使用した鶏糞袋を取り出してみたところ、商品名は発酵鶏糞とあります。今年は乾燥鶏糞です。発酵と乾燥、何がどのように違うのか、インターネット上の記事に目を通して、ちょっと整理してみました。

鶏は飛べなくなったとは言え鳥ですから、最初は鳥の特性の確認。まず、排泄口が一つしかなく、糞と尿を混合して排泄すること。もう一つ、比較的腸が短く、食べた物が早く排泄されること。このため、排泄物の内容が食べた物の影響を受けやすいことになります。

尿中には尿酸がたくさん含まれていますから、鶏糞は尿酸をたくさん含みます。また、鶏の餌には濃厚飼料(穀物を主とした飼料で、繊維質が少なく炭水化物やタンパク質含量が多い)が使われていますから、消化・分解が容易でよく吸収されますが、同時に、窒素、リン酸、カリウムの排泄も多くなります。窒素の多くが尿素や尿酸として排泄されます。

鶏糞のくささは、養分(特にタンパク質)に富んだ餌が体内で最後まで分解されないで、外にでてしまうからだと推察されます。お腹の調子が悪い時、人糞の臭いがひどくなるのと同じことです。鶏関連の臭気成分は150種 (農機学51(4) p99 田中博) が同定されています。このなかで、インドール、スカトール、硫化水素、そしてアンモニアが代表的なくさい臭気の成分です。

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さて、鶏糞を放っておくと、細菌によって尿酸や尿素は分解されアンモニアが発生し、窒素分が消失します。しかし、乾燥処理を行い鶏糞内の水分を飛ばすと窒素の消失を防ぐことができます。これが、乾燥鶏糞です。乾燥鶏糞には尿酸が白い塊として残っていますが、糞の悪臭もそのまま残ります。

一方、鶏糞を発酵処理したものが発酵鶏糞です。尿酸や尿素は発酵細菌によってアンモニアに変わり発酵熱によって気化されますが、一部は酸化され硝酸体に変わります。硝酸体は作物に養分として吸収されます。発酵処理過程で、いろいろな細菌の働きによって糞の臭いは分解されて悪臭が消えます。

鶏糞は N・P・K が豊かな有機肥料ですが、使用に当たっては、臭いの他にも幾つか注意点があります。
乾燥鶏糞中の尿酸や尿素は土中の細菌によって硝酸体になります。このとき、アンモニアが発生しますから、アンモニアによる土壌pHの上昇(アルカリ化)に注意する必要があります。また、市販されている発酵鶏糞の多くは、まだアンモニアが残っている状態だそうです。そのような発酵鶏糞の使用には乾燥鶏糞と同様な注意がいります。
他方、産卵鶏由来の鶏糞の場合にはカルシウム含量が高いことも注意点です。卵殻の形成を助けるため餌にカルシウムを多く含ませることがあり、その結果、鶏糞中のカルシウム分(炭酸カルシウムやリン酸カルシウム)が多くなっているそうです。鶏糞を播くことは、石灰も併せて撒いているようなものですから、土壌の過剰なアルカリ化には注意が必要です。

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車のタイヤ交換

2020 04 09 (art20-0227)
冬用のスタッドレスタイヤを夏用のタイヤに交換しました。今年は、平野部では降雪がなく、冬用タイヤの出番がありませんでした。

タイヤの交換はこれまで業者に依頼していましたが、今回から自分で行うことにしました。必要な工具類を通販で購入して揃えました。トルクレンチとソケット、およびスピンナーハンドルです。スピンナーハンドルは、家内でも、ホイールナットを外せるように、長い (50 cm ) ものを手に入れました。実際、使ってみると家内でも容易にナットを緩めることができました。

作業手順は、インターネットで検索するとアレコレ出ていますから、参照するに不足はありません。凡夫が行った手順は以下の通りです。ただし、ステップ8は後日行います。
1.車を持ち上げるジャッキを安定した地面に設置する。
2.車を完全に持ち上げる前に、ホイールナットを均等にすこし緩める。
3.車を完全に持ち上げて、ホイールナットを均等に外す。
4.タイヤを付け替える。
5.ハブボルトにホイールナットを取り付け、タイヤフレームを4本のナットで均等に少しずつ締める。(仮締め)
6.車を降ろして、規定トルク値まで均等に少しずつ締める。(本締め)
7.タイヤの空気圧を調整する (於:ガソリンスタンド) 。
8.しばらく走行した後、ホイールナットの締め具合を確認する。(増し締め?)

重要なことは、タイヤフレームをハブの中心に合わせて取り付けることのようです。そのために、ステップ5において、タイヤフレームのシート部のボルト穴の中央にホイールナットのテーパー部を合わせて、均等に少しずつ締めることです。ここでの均等に少しずつとは、4本のナットを対角線上にちょっとずつ締めることを繰り返しながら締めていくことを意味します。

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初めてのタイヤ交換作業でしたが、作業自体は簡単なものでした。ただ、注意点として、車載ジャッキの座りがよくないので、車を持ち上げた時倒れたら大変です。ジャッキの設置には細心の注意が必要です。
また、交換したタイヤ自体のバランスをとっていませんから、バランスに不具合があれば大変です。高速運転時(90km前後以上)に車体の振動を感じたり、ハンドルから振動が伝わったりした時は、車両サービスによる点検が必要になるでしょう。ところで、今回、自分でタイヤを交換することにした動機は、今まで交換を依頼していた業者から、交換時にタイヤのバランスはとっていない、と聞いたからです。それならば自分でできると。なお、タイヤのバランスをとるにはタイヤ/ホイールバランサーという専用機器が必要になります。

タイヤを交換した翌日の6日は青空の穏やかな一日となりました。夏用タイヤに交換した車で、家内と近場の桜をみてきました。車で10分で行ける大平山です。散歩コースの東郷湖公園の桜は幾つかの品種があり、それぞれの花模様が楽しめますが、ここ大平山の桜の木は、もっぱら、ソメイヨシノです。多数の木が一同に開花する姿は豪華でした。青空に映えます。

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  横浜市在住のかつての同僚が、市内の公園の桜を写真に収めて送ってくれました。凡夫にとってもなつかしい公園です。子供がまだ小さい頃、根岸森林公園と舞岡公園へは、おにぎり弁当をもって、家族そろってよく出かけたものです。
写真は上から順に、三ツ池公園(鶴見区)、根岸森林公園(中区)、久良岐公園(港南区)、舞岡公園(戸塚区)、本牧山頂公園(中区)です。

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ヌートリア

2020 04 06 (art20-0226)
東郷湖(池)は汽水湖です。湖は橋津川によって海とつながっています、その距離およそ 2 kmです。海から塩水が入りますから、湖水はいくらか塩分を含みます。その濃度は場所によって違いがありますが、3 psu (実用塩分、絶対塩分濃度表記では 0.3%に相当する) 前後で、海水(3.4%)の1/10 程度です。

橋津川が東郷湖に注ぐ河口に橋がかかっています。橋の中央に立ち東郷湖を眺めると、さほど遠くない湖面に数羽の鴨が群れています。鴨は、時折、潜水しては姿を消し浮上しては姿を現します。そんな鴨の群れの近くを背丈の低い何かが泳いでいました。泳ぎは速く、斜め後方に小波が立っています。橋のたもとに建つ軽食処 “Café ippo” 側の護岸へ向かっていました。はて、何だろうと、正体が気になり護岸へ近づいてみました。

そのものは、護岸に上がりました。その姿をみて、一瞬、カワウソかなと思いましたが、カワウソにしては可愛げがありません。しかも、ニホンカワウソは絶滅していますから、カワウソではなさそうです。とすると、一体この動物は何もの?。何枚か写真に収め、帰宅後、インターネットで調べました。

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どうやら、ヌートリアのようです。以下、ウィキペディアより。
〔南アメリカ原産のネズミ目(齧歯目)ヌートリア科ヌートリア属の小型哺乳類。「ヌートリア」とは、元々スペイン語で カワウソの毛皮の意味。日本には毛皮用に導入され一時期大飼育ブームとなったが、ブームが去ると野に放たれて、野生化している。今では、侵略的外来種として、イネやオオムギ、葉野菜などに食害をもたらしている。〕
京都に住んでいた時、鴨川でヌートリアを見かけてちょっとした騒ぎがあったと家内が話していたことを思い出しました。どこにでもいる外来動物のようです。

当地の生息分布を知るため、更にインターネットで検索しました。湯梨浜町役場の資料に、防除実施計画書(平成 22年)がみつかりました。それには、〔東郷湖の湖沼周辺や天神川・橋津川などの河川流域、町内全域の水路沿いに分布がひろがっている。田植え後の水稲の切り倒しや、野菜への食害あり。被害は年々拡大傾向。捕獲し殺処分〕との記述があります。

愛玩動物としては、ちょっと、可愛げがありません。ドブネズミの大型版といったところですから、どうしようもありません。顔といい、体毛の色といい、大きさといい、好感の持たれる見た目の要素がありません。もっとも、特定外来種に指定されていますから飼育したくても難しいでしょうが。

ただ、ヌートリアは毛皮用として持ち込まれたのですから、毛並みはよいのでしょう。写真のヌートリアは湖から上がったところで全身濡れています。文字通り、”濡れネズミ” です。これでは毛並みの良さを判断できません。
ウィキペディアには、〔丈夫で育てやすく、柔らかい上質な毛皮が安価に入手できるため、第二次世界大戦頃には軍隊の防寒用飛行服の裏地として、世界各国で飼育された。日本では1939年にフランスから150頭が輸入され、飼育が奨励された。当時は軍隊の「勝利」にかけて「沼狸」(しょうり)と呼ばれ、1944年ごろには西日本を中心に全国で4万頭が飼育されていた〕とあります。

この小動物も人間に翻弄された動物の一つなのでしょう。写真に撮ったヌートリアは、今も、河口あたりで生きているのでしょう。そして、いつか捕獲されて殺されるのでしょうか。前に紹介した侵略的外来種のジャンボタニシ(スミリンゴガイの通称) (art18-0037) と比べると、被害は少ないと思うのですが。ジャンボタニシも、食用として持ち込まれ、用済みとなるとポイと捨てられ、野生化したものです。

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引き出し付き小箱(木工)

2020 04 02 (art20-0225)
木工作業を再開しました。と言っても、一日2時間程度です。昨年末に病気(肺血栓塞栓症)にかかり入退院の後、自宅で療養しています。退院時に、医者は、木工作業は無理だろうと言っていました。しかし、ありがたいことに人の体は潜在能力があるのか、何とか動けるようになりました。体の調子をうかがいながらの作業ですから、すこしずつ、ゆっくりと時間をかけています。こちらでは、「そろいそろいしなはれよ」との挨拶を兼ねた言葉をよく耳にします。そうです、“そろいそろい” しています。

しばらく使うことのなかった工具類は埃にまみれていました。埃をはらい作業台を片付けました。作業場への階段を上がると、数本の角材が目に入ります。これは、病気を患う前に、大型テーブルを作ろうとホームセンターで購入し運び込んだ角材です。大型テーブルの作製はいつか手掛けることにして、今回は、体に無理を与えないように、小さな引き出し付き小箱を作りました。上から小小大大の4つの引き出しが付いた小箱です。

ボルトやナット、大き目のネジやフックなど、こまごました金具類を収納することが目的です。高い強度を必要としませんから簡単な構造にしました。引き出しになる箱は25 x 25 x 6 (12) cm の大きさです。箱の枠は、杉板材の端を 45度角度で切断し、切断面同士を直角に張り合わせ、ボンドで固定し、正方形に組み合わせたものです。この枠に底板を嵌め込み、箱を作りました。4個の箱/引き出しを納める小箱を用意し、垂直板の内側に細木を水平に取り付け、その上に箱をのせてスライドさせるようにしました。箱の前板の下方にできた隙間は適当な細木で塞ぎました。なお、小箱の側板を天板よりすこし高くして、引き出しがしっかりと乗るようにしました。

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久しぶりに木工作業を行ったのですが、たとえ小さな、簡単な物であったとしても何かを作るのは楽しいことです。日々、暖かくなっていきますから、体が音を上げない範囲で、木工作業を続けてみようと思います。まだまだ、作ってみたいものがいろいろありますから。

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