椎山畑のミカン
2023 2 27 (art23-0523)
今日は、久しぶりに、朝から陽が出ています。暖かい一日になりそうです。出てこい出てこいと誘われます。
先日、久しぶりに椎山の畑に行って、キウイのつるを整理しました。と言っても、野生化したつるは大木の樹冠まで届いていますから、高い脚立か長い梯子でもあれば別ですが、地上に立って、そうしたつるを切断することはできません。伸縮性高枝切鋏を使って、届く範囲(身長+2m)で切り落としました。面白いように切断できますが、上方を向いての作業なので首が痛くなります。早々に切り上げました。
作業後、ミカンの木(八朔)を見てきました。十数年放置されていましたから、多くの枝が枯れていました。10月2日に、枯れ枝をバッサバッサと切り落として枝を整理しました。加えて、周辺の低木を伐採して、日当たりを良くしました。
ミカンの木は元気そうに見えました。切断後の太い枝から新梢が伸びて、青々とした葉を付けています。よくみると、上方の枝に果実が2つ成っていました。
本「戦前の怪談」
2023 2 23 (art23-0522)
田中貢太郎の「戦前の怪談」(河出書房、2018刊)を読みました。著者は、伝記作家であり、怪談文芸の大家と言われています。明治13年(1880)に高知県で生まれ、昭和16年(1941)に60歳で亡くなっています。この本は著者が書いた数多くの実話怪談のなかから優れものを24話おさめたものです。
本は2018年の出版ですから、凡夫が、ここ湯梨浜町に移住してから購入したようです。覚えがないのですが、たぶん、倉吉の今井書店で購入したのでしょう。いつか読もうと本棚に並べたまま、すっかり忘れていました。先日、本でも読もうかと、本棚をあさった時、目に留まりました。
怪談集といっても、"怖い" ではなく、"怪しい" ほうですから、定番の、狸や狐の化身話や幽霊話が数多くあります。もっとも、化身も幽霊も、ドロドロしたものではなく、あっさりしています。以前紹介した「耳袋」(art20-0294) に収録されている話を彷彿させます。
なかには、つつましい幽霊も登場します。
幼い子供を残して妻が病死したので、亭主は後妻を貰う。しばらくすると、夜な夜な、寝床に若い女が現れて、後妻に向かってお辞儀をする。後妻は怖くてしかたがない。話を聞いた亭主は、現場に立ち会い、女に向かって、言う。「おい、お前は、子供もこんなに可愛がって貰っていながら、何の不足があっていつもいつもやってくるんだ」と。女は、「私はお礼にあがっております」と答える。亭主は、わかったから、もう来るなと諭す。女は二度と現れなかった。[藍微塵の着物]。
毛並みの異なる話もあります。気味の悪い話なども。一押しは、[蟇の血]です。
ふとした縁で知り合った若い女と素人屋の2階で同棲することになった青年、高等文官の受験生。女のことで先輩の家へ相談に行った帰り、とある女と道連れになる。素人屋で自分の帰りを待っている女が気がかりであったが、女に請われるままに、女の姉が住むと言う家に上がり込んでしまう。そこで、奇怪なことを目にする。慄いて、必死に家から逃げ帰ろうとすが、それもままならず。そして、・・・・。
視覚化すればおもしろいだろうと思い、ネットで検索したところ、映画やドラマはみあたらなかったのですが、漫画になっていました。”近藤ようこ” の「蟇の血」です。
テーブルソー(木工)
2023 2 20 (art23-0521)
木の切断時に、テーブルソー(テーブルの真ん中に丸ノコの刃が飛び出ている)を使うと、作業が楽になります。特に、同じ幅の平板を何枚も調整する場合には。手持ちの丸ノコ(日立FC-6MA2)を使って、簡単なテーブルソーを作りました。
テーブルソーは、テーブルを作って天板の裏面に丸ノコを取り付けて作ります。しかし、凡夫の作業場に専用のテーブルを置くスペースがありません。そこで、馬台にのっている角材の枠に、丸ノコを取り付けた平板を置くだけのものにしました。ただ、丸ノコがむき出しのままでは、多量の切りくずが飛散しますから、対策として、集塵ホース付きの木箱で丸ノコを覆いました。
作成
材料 平板:70x90cm、2cm厚の集成材、 木箱用:厚さ1cmのスギ板
方法
- 平板に丸ノコをとりつける。丸ノコの金属製のベースに、5か所穴(5mm径)を開けて、平板の中央に、丸ノコをボルトとナット(ワッシャーとバネ座金付)で固定する。
- 丸ノコを覆う木箱を作る。ハウジングカバー部を外に出して、できるだけ小さな木箱を杉板で作る。木箱の側面に、45mm径の穴を開けて、集塵ホース用アダプターを取り付ける。
- 平板の補強と取り付け。接着面の垂直方向のたわみを防止するため縦方向に40mmの角材を入れて補強し、馬台にのせた組枠に取りつける。
丸ノコの刃の飛び出しは4cm弱です。飛び出し刃長は調整できます。
平板と刃の角度を90°に調整して、試し切りをしてみました。普通?に切れます。切りくずは、平板の上に少し飛散しますが、下にはほとんど出ません。使えそうです。
ただ、丸ノコの回転のON/OFFを電源スイッチのON/OFFで行うため、電源を切ってもブレーキがかからず、しばらく刃が回り続けます。刃に触れないように、注意しなければなりません。丸ノコのON/OFF回路をちょっとつつけば、外部スイッチのON/OFFでブレーキが効くようになります。しかし、そうすると、平板から取り外して、手に持つ丸ノコとして使うときに勝手が悪くなります。どうしたものやら。とりあえず、しばらく使ってみましょう。
冬期の果樹の栽培管理
2023 2 16 (art23-0520)
果樹の木、ウメ、イチジク、プルーン、カキ、ポポーは中島の畑に、ミカンは龍神の畑に植わっています。冬期の果樹の作業は剪定と施肥です。施肥は、堆肥と肥料を播いて、藁を被せることを基本としています。
作業は、ほぼ、花の咲く順番に行います。ウメから始まり、ポポー、プルーン、イチジク、カキ、ミカンと続きます。ウメは、昨年の12月の穏やかな日に行いました。今では、蕾がかなり膨らんでいます。もうすぐ花が咲きます。多くの短果枝にたくさんの蕾が付いていますから、どこもかしこも花花花になると思います。
ポポーの剪定は1月の中旬に行いました(art23-510)。日を置いて、プルーンとイチジクの剪定も済ませました。その後、寒い日が続いたので、しばらく畑の作業から離れていました。2月の穏やかな日に畑に出て、プルーンの施肥を行いました。今月中にカキの、来月の上旬にはミカンの剪定と施肥を行う予定です。
【家内の寄稿】
晒の洗濯ネット
2023 2 13 (art23-0519)
2022年4月号の婦人之友に掲載された「わが家の洗濯ネットレポート」を読みました。洗濯から出るマイクロプラスチックを減らしたいとの思いで、いろいろな洗濯ネットを使って実験した読者の投稿記事です。
それを読んだ “鳥取友の会” の会員も晒の洗濯ネットを作り始めました。また、京都に住んでいたとき参加していた “京都友の会” の会員から、皆で作ってみたので使ってみて、といくつかの洗濯ネットを送って頂きました。
私は晒の洗濯ネットを使い始めて4ヶ月になります。洗濯物の洗い上りも今までと変わらず、多くの人に使ってもらいたいと思い、私も作ることにしました。
京都のKさんから送って頂いたものを参考にファスナーは白よりも色がついていると使いやすかったのでピンク、緑、青、黄色などで作りました。1枚の作成にかかった費用は、晒 90円、ファスナー 109円です。
安く作れる割に丈夫で、4ヶ月使った晒の洗濯ネットに目立った変化はありません。長く使えそうです。
キンカンの実-そこの君も食べるのかい
2023 2 9 (art23-0518)
鉢植えのキンカンの実が鳥に食べられました。
このキンカンは、2021年3月にホームセンターで購入したミカンの苗木を ”ミカン畑” に定植した時、1本の苗木が余ったので鉢に植えて育ててきたものです。鉢は庭に置かれていました。
先日の寒波の襲来時、鉢植えのキンカンを玄関の三和土に移して、寒気と雪から守りました。気温が上り穏やかな日が戻ってきたので、鉢を外に出しました。次の日、鳥がつついて食べたようで、実の一部が欠けていました。
キンカンの木は十数個の実を付けていました。果皮も黄色くなり、そろそろ食べ頃かなと思っていた矢先、鳥にもわかるのか、啄んでみたのでしょう。食べ物が少なくなったこの時期、キンカンへも触手、ここでは鳥嘴かな、を伸ばしたくなるのはわかるのですが、食いさしは頂けません。ただ、口に合わなかったのであれば、止むを得ないかな。
本「世紀の発見」
2023 2 6 (art23-0517)
3日のA新聞の天声人語に、20年前の、小学1年生の詩が引用されていました。""玄関を開けて、まだランドセルも下さぬうちだろう。”ただいまあ/ あのね きょう学校でね/ あのね きょうお休みの人はね/ あのね きょうのきゅうしょくはね”” 子供は親、特に、母親にあれこれと、思ったり感じたことや出来事を話したがるようです。
これに類似したことを磯崎憲一朗の小説「世紀の発見」(河出書房新社、2009年刊)で読んだような覚えがあり、書棚から本を抜き出して読み直してみました。
3年ぶりに帰省して母親に会った息子に、父親が言います。
「そりゃ子供というものは、何があったとしても、いつかは母親にそれを話さずにはいられないものだからな」と。
この小説では、自転車を乗り回し、森で遊んでいた頃の何でもない日々がダラダラと語られていますが、所々に、不思議な体験や説明のつかない奇妙な出来事が挿入されています。夏の夕方に巨大な黒い機関車を見たこと、公民館の中庭の池でマグロのような巨大なコイを見たこと、保健所へ送られた飼い犬のポニーが逃げて帰ってきたこと、アカタテハを追いかけて森に入り友人のAとはぐれてしまい、それっきりになってしまったこと、など。
誰でも、子供の頃には、こうした類の不思議な体験をしたりや奇妙な出来事に出会ったりするものです。読み進めていくうちに、懐かしさを覚えます。その為か、不思議と退屈することなく読めます。それらは、現実で起こったことなのか、夢でみたことであったのか判然としないのですが。
この本では、こうした体験や出来事は懐古にとどまらず、母親に繋がっていきます。
” こういう事件は母と関係があるように思えてならなかった、もっといってしまえばこれらはすべて母が仕組んだことなのではないかという気が、彼にはしてならなかったのだ。”
”彼がいままで経験してきたことも、これから経験することも、そのいっさいは母へ報告することを前提として起こっていた。・・・・「お母さん、今日はこんなことがあったんだ」男の子というものはまるで、母親に報告するためだけに、人生の一分一秒を生きているようなものだ。ところが、母はすべてお見通しなのだ、すべては母が仕組んだことなのだ。”
子供、特に男の子にとって、母親は特別なのでしょうな。
草書体-くずし字
2023 2 2 (art23-0516)
TV番組「ブラタモリ」をみています。タモリが知られざる街の歴史や人々の暮らしをブラブラ歩きながら解き明かしていく番組です。時折、寺社や旧家に残っている古文書を、タモリが読むシーンがあります。よく読めるものだと感心します。
楷書でかかれた文字はともかく、行書で書かれた文字のなかにはかなりくずれたものもありますから、簡単に読めるものではありません。それでも、柔らかく、点画を繋げて書かれていますから、筆順を追うことはできます。しかし、草書となると別です。点画が省略されて、簡便にさっさと書かれていますから、文字ごとに形で覚えていないと読めないことがあります(東京書道教育会コラムより抜粋)。
さて、本題です。
少し前のブログで、温泉のおじさんの句碑を取り上げました(art22-0502)。下五を「酒を酌み」と読んだのですが、最後のハネとテンが気になって、「酒」でよいのかどうか、すっきりしない状態が続いていました。
そんな中、横浜の知友が、衡山草書と白舟草書によく似た「酒」の字形があるとメールで教えてくれました。筆順を調べたところ、ハネとテンで終わっていることがわかりました(漢字を書こう )。それにしても、下の3例の草書体のうち、左と中の文字は行書体の「酒」をくずしたものとみて、「酒」と読めますが、右の文字はそれでは読めません。形で覚える他になさそうです。
温泉のおじさんの酒好きを思えば、酌むのは「酒」でなくてはなりません。やはり、下五は「酒を酌み」です。湯せんにつけた徳利からお猪口に燗酒を注いで、日本酒を飲んでいるおじさんの姿が思い浮かびます。おじさんは、年上のおばさんを看取った後、平成4年に79歳で亡くなりました。
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