今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

歯周病(6)

2022 2 28 (art22-0419)
25日、3日間の抗生物質(サワシリン、βラクタム系)の服用で、下右犬歯の痛みがとれ、顎と頬の腫れも治まったところで、K歯科医院へ行ってきました。
その日は、歯科衛生士から歯磨きの手ほどき(実習)を受けました。歯垢染色液で歯垢を赤く染め出し、手鏡に映った口内をみながら、赤く染まった歯垢を歯ブラシで剥ぎ落としていきました。

これまで、やわらかい幅広の歯ブラシに力をこめて、ゴシゴシ歯を磨いていました。実習でのやり方は、ふつうの硬さのブラシを用いて、力を抜いて小刻みに前後に動かすといったものです。また、個々の歯の形状に合わせてブラシの角度を変えて、ブラシをしっかり歯と歯茎際に当てるようにすることも。歯周病の人は、外部からの刺激をなるべく抑えながら、歯垢を落とすことが、肝要のようです。強く、ゴシゴシ磨くと、歯茎を傷めることになるとのことです。

早速、近くのドラッグストアーで購入した歯垢染色液(赤色の食用色素105号含)で歯垢を赤く染めて、歯磨きの練習を行いました。歯ブラシでは歯と歯の間の歯垢を取り除けないことがわかりました。そこは歯間ブラシを使うことにしました。
丁寧に磨くと、それだけ時間がかかります。しかし、入れ歯の世話になるであろう日を、できるだけ先送りにしたいと思いますから、致し方ありません。歳をとると、生きながらえることに、時間やエネルギーを使うものですな。下手をすると、余年はそれだけ、といったことになりかねませんな。くわばらくわばら。

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歯周病(5)

2022 2 24 (art22-0418)
下顎の右犬歯の歯茎、再び悪化しました。舌が触れると鈍痛があり、膿がでるようになりました。しかも、今回は、歯痛をともなっていました。数日、様子をみていましたが、痛みが増し、顎と頬が腫れてきました。口を開くとゆがみます。困ったものです。歯科医院へ行くことにしました。

前回、近くの歯科医院で歯石をとってもらったのですが、犬歯が染みるようになりました。次の通院時、その旨を伝えたところ、他の歯科医院を紹介すると言われました (歯周病(3)歯周病(4))。幸い、しばらくすると、歯の染みは治まりましたから、そのままになっていました。その歯科医院では、歯科医の指示にしたがって、歯科衛生士が歯の治療?を行っていました。噛み合わせを調整するため犬歯を削ってくれました、しかし、本格的な歯の治療行為はできないのでしょう。ところで、その医院の歯科医は何をしているのでしょうかな。

それから数ヶ月後、再発です。前の歯科医院で紹介された医院ではなく、別の歯科医院へいくことにしました。家内がかかっていた医院です。
21日の月曜日、その日は、前夜の降雪で道路にはかなりの雪が積もっていました。診療開始時刻の 9:00に電話を掛けると、雪のため予約者のキャンセルが出たので、今すぐ来てもらえれば診療しますとのことでしたので、駆けつけました。

歯の治療の前に、痛みと顎と頬の腫れを治めるために、抗生物質を服用することになりました。同時に、痛み止めも処方されました。
翌朝、歯の痛みがとれました。顎と頬の腫れは相変わらずです。

今回の再発は、疲れからのような気がします。寒いなか、連日、裏の納屋の木工作業場に居たことがよくなかったように思います。室温が 0℃前後、ある日などは -3℃でしたから。更に、歳をとったせいか、寒いところに長く居ると腹がおかしくなり体調をくずします。疲れが溜まり体が弱ると抵抗力(免疫力)が低下し、歯周ポケットに常在する歯周病菌が増えてくるのでしょう。顎と頬の腫れは、歯の根部で増殖した細菌(これが歯茎の腫れを引き起こします)が、周辺の組織へ侵入しそこで増殖し、炎症を起こしたのでしょう。

子供の頃、むし歯で頬を腫らせていたことを思い出します。今では、そうした子供を見かけることはなくなりました。口腔衛生思想の啓発と普及の成果なのでしょうか。加えて、ちょっとでも痛みや不具合があるとすぐに歯科医院に駆けつけるようになったことも、一因でしょう。凡夫の子供の頃は、ちょっとやそっとでは歯医者に診てもらうことはありませんでした。このため、むし歯がひどく進行してしまい、歯を大きく削り、削った部分に被せ物をせざるを得なくなりました。凡夫の奥歯の多くは銀歯になっています。

次回の通院は、明日、25日です。

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木製スプーン-材木(1)

2022 2 21 (art22-0417)
前回、スプーンを作成した木材は、桜桃です。自家製サクランボを食べようと、サクランボの木を畑に植えて育てていたのですが、虫が発生して駆除が大変でしたので、栽培を断念しました。7-8年の樹齢で、根元の幹は7cm程になっていました。伐採した木を使って、スプーンを作成しました (art21-0312)。

サクランボの木は、硬く緻密で耐水性がありますから、スプーンを作るには適しています。しかし、もはや手元に、スプーンが作成できる程大きなサクランボの木がありませんから、それに代わる木を手に入れる必要があります。
どのような木が使われているかWebページで調べてみました。
木製カトラリーに使われている木はヤマザクラ、クルミ、ブナ、ナラなどの広葉樹です。このなかで、ヤマザクラは緻密な硬い木ですが、加工し易く耐水性があるので、カトラリーにはよく使われているようです。

薪を取り扱っている業者からヤマザクラの輪切り材をわけてもらいました。
木口を見ると、そとから樹皮、辺材、心材の3層に分かれています。樹皮は外樹皮(外の覆い)と内樹皮(養分の通路、師部)からなります。また、外樹皮には周皮があり、水分の漏れを妨げています。樹皮に包まれて辺材と心材があります。内樹皮と辺材の間に形成層があり、細胞分裂によって性質の異なる2種類の細胞を形成し、縦方向と横方向に肥大させます。辺材は、水を通したり栄養を蓄えたりと生理活動を行っています。一方、心材は、死んだ細胞からなり生理活動は行っていません。心材には樹種固有の色がでます。ヤマザクラの場合は、辺材は淡黄褐色、心材は赤褐色で両者の境界は明瞭です。

加工前に、輪切り材を乾燥させる必要があります。この時、亀裂が生じます。これは、水分を失って収縮するとき、部位によって収縮率が異なるからです。輪切り材、特に、厚みのない場合は、を風乾させると亀裂が入ります。乾燥方法に工夫を凝らしたり、背割りと言って、あらかじめ割れ目を縦に入れることで、乾燥による亀裂をコントロールできます。

わけてもらったヤマザクラの輪切り材の樹皮を剥いで放置しました。どの程度、割れが入るものか、様子をみることにしました。

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木製スプーン-電動工具

2022 2 17 (art22-0416)
気温が上昇した日中の数時間、木工作業を行っています。裏の納屋の2階に設けた作業場は隙間だらけで、外と同じ温度です。体が冷えると、腹の調子が悪くなりますから、寒い所に長居はできません。せいぜい、1,2時間です。

昨日は寒くて、作業ができませんでした。今朝、起きてみると、外は真っ白です。15cm程の積雪かな。早速、防寒着を身にまとい、玄関前の雪かきと庭木の雪下ろしを行いました。そして、朝食です。

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さて、木工の話です。以前、桜桃の木でスプーンを作りました(木製スプーン(1)木製スプーン(2))。その時は、厚板材に描いた外形線にそってナイフで削り、サンドペーパーで磨いて成形しました。滑らかになったところでエゴマ油を塗って仕上げました。

幾本か作ってみて、ナイフで削って形を出す作業とサンドペーパーで磨いて成形する作業が結構大変なことがわかりました。木を削ったり、磨いたりする作業自体を楽しむ人にはよいのでしょうが、本格的に、あるいは、いろいろな形のスプーンを作りたい人には、手作業で加工するのは面倒です。そこで、機械の力を借りようと、電動工具(バンドソーとベルトサンダー)を通販で手に入れました。

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バンドソーは帯状のブレード(鋸刃)が上から下へ高速で動くことで、材を切ります。幅の狭いブレードを使うと、糸鋸のように曲線切りができますから、外形線にそって厚板材を切断できます。
安価であること、懐が深いことの2点から、リョービの製品 (TBS-80) を購入しました。セリガイドがベアリングでなく金属棒であるため、ブレードとセリガイドが擦れる音がします。安物ですからしかたありませんが、スプーン程度の型切りにはこれで十分です。

ベルトサンダーは、ベルト状のサンドペーパー(紙やすり)が一方向へ移動することで、材を削ります。サンドペーパーの表面の凸凹(粒度)には粗目から極細目までいろいろありますから、ベルトを交換すれば粗削りから仕上削りまで可能です。
安価である点から、H&Hの製品 (HBDS-100) を購入しました。同型のリョウービの製品より本体が重く (22kg)、ベンチに置けばそのまま使えます。ベルトは、他社のものを購入し、粒度が#80~#400のベルトを揃えました。
   

本「されどわれらが日々」

2022 2 14 (art22-0415)
柴田翔の「されどわれらが日々」(文芸春秋、1964年刊)を、お気に入りの本棚から抜き取り、読み直してみました。この本棚には、かつて、学生の頃、読んだ本のなかで、いつか読み直すであろうと思った本が収納されています。

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1950代、全学連が大衆闘争と武力闘争の2本立てから、武力闘争に比重を移した頃の話です。これは、当時の全学連の指導組織である日本共産党の方針に従ったものです。党は、中国共産党の路線を模倣し、革命における農村工作の重要性を説き、中核自衛隊を創設しました。学生たちは、中核自衛隊に入り山村工作の任務につくため、学舎を離れて、続々と農村へ向かいました。
ところが、党は、1955年、6全協(共産党第6回全国協議会)において、方針転換を行った。敵対していた国際派と所感派の和解と統一、集団指導体制への移行、そして、武装革命路線(極左冒険主義)との決別。

『されどわれらが日々』には、“党は唯一絶対”という信仰が崩壊した後の学生達の生態が描かれています。党を信じて疑うことのなかった学生活動家/党員やシンパ学生の混乱と衝撃そして虚脱感。ある者は投げやりになり、ある者は空虚な自己を持て余す、ある者はノイローゼとなり、ある者は自死する。

それにしても、登場する学生は、いずれも、頭でっかちというか純粋というか、奇妙な人達です。ねちねちとした内省にはうんざりします。繰り言のようなうだうだにはついていけません。これは、若者特有の脆弱性や自虐性を忘れてしまった年寄りの所感にすぎないかもしれませんが。しかし、学生時代にこの本を読んだ時も、共感するようなことは無かったと記憶しています。

ただ、曽根が吐露した信条には共感できるものがあります。確かなものが何一つない状況下や、怪しげな状況下で、立ち続けることができそうです。
「僕は、一つだけ自分に課して、守ろうとしていたことがある。それは、どんなに多くの人が賛成することでも、どんなにうまく形が整っていても、ただ、自分で考えてみて、隅から隅まで納得の行くこと以外は、何も決して信じまいということなんだ」

この本は1964年に出版され、ベストセラーとなり、60-70年代の若者のバイブル的存在になったそうです。当時の若者は、偏執な思念をうだうだと読まされたがったのでしょうかな。
   

カマキリの卵鞘とクモの卵嚢

2022 2 10 (art22-0414)
このところ、プルーン、ウメ、カキの剪定をおこなっています。陽射しがあって、お昼前後の比較的暖かい時間帯に出かけて作業を行っているだけですから、なかなか終わりません。急ぐ作業ではありませんから、気長にやっています。

プルーンとウメの枝に、カマキリの卵鞘が付いていました。また、カキの枝に、ジョロウグモの卵嚢が掛かっていました。

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カマキリもクモも一度に多数の卵を産みます。卵は密着して卵塊となります。
卵塊が何らかの構造物の中にあれば、”卵嚢” とか ”卵鞘” と呼びます。
卵嚢は、ふくろ(嚢)状のものに包まれています。クモの卵は糸状のふくろ、カイガラムシの卵は綿状のふくろに包まれています。
卵鞘は、さや(鞘)状のものに覆われています。カマキリの卵は分泌物のさやに、ゴキブリの卵は硬いさやに覆われています。

普段見かける大型のカマキリには、チョウセンカマキリ、オオカマキリ、そして、ハラビロカマキリです。ハラビロカマキリは、腹部が大きく、翅に小さな白斑がありますから、分別は容易です。チョウセンカマキリは、胸部が長いという特徴がありますから、これで見分けられます。また、前脚の付け根の色でも見分けられます。オオカマキリは黄色ですが、チョウセンカマキリは赤みがかっています。そっと、カマキリを摘まんでひっくり返してみれば分かります。

カマキリのメスは、交尾後多数の卵を、泡立てた分泌物でつくられた卵鞘の中に産み付けます。卵鞘の形状は種によって違います。写真の卵鞘は、上がチョウセンカマキリ、下がオオカマキリのものです。
ハラビロカマキリの卵鞘がみあたりませんでしたが、昨年の夏に姿を見ていますから、どこかにあるのでしょう。

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ジョロウグモの、葉に包まれた白い卵嚢は、カキの枝に糸で結ばれ、風に煽られてふらふらしていました。周りに葉があるうちは目立たないのですが、葉がすっかり落ちたこの時期は結構目立ちます。
ジョロウグモはきれいなクモです。楕円形の腹部には黄色と黒色の横縞模様があり、細長い脚にも暗い褐色に黄色の帯が入っています。

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本「MR」

2022 2 7 (art22-0413)
昨日、一昨日と降り積もった雪が、今朝は、陽射しを受けて溶けていきます。それでも、外へ出かける程の気温も望めず、一日、屋内でウダウダすることになります。
久坂部羊の「MR」(幻冬舎、2021年刊) を読みました。著者は医師でもあります。凡夫は、製薬会社に勤めていたこともあり、この本の内容はストンときました。もっとも、研究職でしたから、MRの経験はありませんが。

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MRとはmedical representativeのことで、製薬会社の営業部門に属しています。業務は、医療用の医薬品情報(品質、有効性、安全性)を医師や薬剤師などの医療関係者に提供すること、また、実際に使用された医薬品の副作用情報を収集し製薬会社にフィードバックすることです。

これがMRの業務ですが、その前に、“自社の医薬品の販売促進のために”、が付きます。製薬会社と言えども儲けなければなりませんから、MRも “薬を売ってなんぼ” の世界です。
しかし、医薬品は患者の命との関わりが強いので、会社の利益を第一とするべきか、患者の利益を第一とすべきるか、このジレンマのなかで、仕事をすることになります。この辺りの葛藤や駆け引き、この小説にはよく描かれています。

随分前の話になりますが、MRの大変さ?を垣間見る機会がありました。
営業部から、勉強会と称する集まりを仙台市の某ホテルで開催するので、参加して、網羅的遺伝子解析技術(ジーンチップ)を説明・発表してくれと依頼されました。勉強会は地元の医師を集めて、会社の医薬品を使っている医師が臨床結果を講演する形式でした。
凡夫の発表も無事に終わり、参加者は隣の部屋へ移って懇親会となりました。すこし遅れて会場に入ると、奇妙な光景がそこにありました。医師はテーブル席に着き自由に会食を楽しんでいましたが、MRは、壁際に立ち、医師が声を掛けると医師の傍に行き、聞かれたことを答え、終わるとまた元の壁際に立ちます。凡夫は、どう振る舞えばよいか分からず、会社の主催責任者に「私も、立ちますか」と尋ねると、「Kさんは、発表したので、今回は、席に着いて、飲み食いしてください」と言われました。「立っている人は一緒に飲み食いしないのですか」と聞くと、「後で、残ったものを頂きます」と言います。
この種の集まりには二度と参加しませんでしたので、最近の実態は知りませんが、願わくば、医師と同席して、飲み食いしながら、気楽に情報・意見を交換しているだろうことを望みます。

小説の後半に、薬価操作が出てきます。これも、会社ファーストか患者ファーストかのジレンマの一つです。薬価が高い方が、製薬会社としては、儲かりますから、できるだけ薬価を高くしようとします。しかし、薬価が高いと患者の負担が大きくなります。特に、新薬の場合は、患者には選択肢がなく、高価な薬でも使わざるを得ません。

そもそも、薬価は、製薬会社から提出された資料に基づいて算定されます。資料とは、製造原価に、販売費、一般管理費、流通経費、営業利益、及び消費税を加えた総額と予測投与患者数です。ここで、一般管理費には研究開発費が含まれます。研究開発費が多額になると、薬価が高くなります。一つの新薬を創るのにおよそ10年かかり、その間の費用(研究開発費)は500-1,000億円になると言われています。創薬過程に膨大なお金をつぎこんでいる分、新薬の薬価は高くなります。
しかし、投与患者数が多ければ、多量の薬が売れることになり、薬の価格は安くなります。逆に、投与患者数が少ない場合には、少量しか売れず、高額な薬になります。国内に、1回の投与が1億6,707万円の薬があります。これは、ゾルゲンスマという脊髄性筋萎縮性治療薬で、国内の推定患者数はおよそ1,000人で、年間予想投与患者数は25人だそうです。

小説の中に、安富ワクチンの話が出てきます。これは阪都大学の安富教授が、天保薬品から支援金をもらって研究している癌治療に影響をもつワクチン?です。天保薬品は、患者数の少ない腺様嚢胞癌 (6千人) の適用で申請し、高い薬価 (85万円) が決まった後に、患者数の多い胃癌 (12万人) への適用拡大の申請を行い、高い価格で大量に売って儲けようとする話です。
この話は、小野薬品工業の癌治療薬オプジーボを連想させます。この薬は、元々、悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として申請され、予想投与患者数が600人と少なかったので、高い薬価 (単価72万円、年間では 3,500万円) が認められました。ところがその後、立て続けに肺癌 (約8万人) や腎臓癌(約2万人)に適用が拡大され、投与対象の患者数が当初より遥かに増加し、1,000億円超の売り上げとなったことはよく知られています。

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3回目の新型コロナワクチン接種

2022 2 3 (art22-0412)
一昨日 (1日) 、近くのU医院で、3回目のワクチン接種を受けました。ワクチンはファイザー社製のものです。1回目と2回目のワクチン接種で、接種部位に少し痛みを感じただけで副反応らしきものを体験できませんでしたので、3度目の正直ではないのですが、今回の接種には期待していました。しかし、今のところ、発熱、頭痛、倦怠感などの副反応の兆候はありません。また、接種部位の痛みも、前2回よりも弱いものでした。

新型コロナウイルスの変異株、オミクロン株の感染力が強いようで、県単位の感染者数が、連日、過去最大との報道が続いています。反面、毒性は弱いようです。オミクロン株は、もっぱら咽頭で増殖し、肺胞細胞ではあまり増えていないことが判明しています。従って、肺炎を直接引き起こす危険性は少なく、喉の痛み、咳、鼻づまり、頭痛などの、謂わば、風邪症状にとどまるウイルスといったところでしょうか。ただし、心疾患や慢性の肺疾患を抱えている高齢者は、たんなる風邪でも心不全や肺炎へと重症化することがありますから、オミクロン株の感染でも同様なことが起こる恐れがあります。これはこれで、要注意です。

コロナワクチンは、感染予防効果と重症化予防効果があると言われています。今回、3回目のワクチンを打ちましたが、今回のワクチン(デルタ株には有効)がオミクロン株にたいして、どれほどの効果があるのか、疑問です。ただ、米国のCDCは、3回目の接種が、オミクロン株による入院リスクを90%引き下げたと発表しています。また、英国のHASは、3回の接種によって、オミクロン株による入院予防効果が2回接種の44%から89%に上がったと発表していますから、重症化予防効果はありそうです。

一方、イスラエルの感染状況をみると、3回接種、4回接種した人が感染していますから、オミクロン株にたいする感染予防効果は期待できそうにありません。やはり、有り合わせのワクチンではなく、オミクロン株に特化したワクチンを使うべきだと思います。ファイザー社は、そうしたワクチンを製造中で3月には提供できると言っています。おそらく、これからは、インフルエンザワクチンのように、変異株の型にあわせて、新型コロナワクチンを打つようになるのでしょう。mRNAベースのワクチン製造方法はそうしたことを可能にするものだと思います。

ところで、前から気になっていたこと、”副反応と中和抗体価の関連性” ですが、これは、はっきりしません。千葉大学病院が大規模調査をおこなっている筈ですが、結果を公表していないようです。2021年6月に、ワクチン接種後の抗体価の調査結果を発表した際、ワクチンの抗体価と副反応の関連について、さらに研究・調査を進めていると伝えていましたが、その結果はどうなったのでしょうか。どんな結果になったのか、知りたいものです。ワクチン接種後、全く副反応がなかった人にも、中和抗体が十分できていたのでしょうか。

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