今日も、"ようこそ"      

今日も、"ようこそ"

定年退職後、横浜市から湯梨浜町(鳥取県)に転居しました。 ここには、両親が建てた古い家が残っています。 徒歩5分で東郷池, 自転車15分で日本海です。 また、はわい温泉の温水が各家庭まで届き、自宅温泉を楽しめます。 ブログでも始めようかと、HPを立ち上げました。最近始めた木工工作と古くなった家のリフォームの様子を、田舎の日常に織り交ぜながら、お伝え出来ればと思います。

洗面台外壁の復元修理

2018 09 27 (art18-0062) 
洗面台の漆喰外壁の復元作業を行いました。
洗面台の排水口からの水漏れが長く続いていたようで、土台の木材が腐っていました。朽ちた木材を取り除き、新たなものと交換するため、洗面台の外側の漆喰壁を壊しました。土台の木材を交換した後、漆喰壁の復元作業にとりかかりました。

実際は、洗面台自体の修理(2018 07 14 / art18-0031)の時に、漆喰外壁を壊しました。土台の修理後、防水シートで覆って、暑い夏をやりすごしました。この間、窓にかけた簾が防水シートを隠していました。

復元工程
(1)壁の破片を取り除き、枠木を補強する(画像1)
(2)平板でふさぐ(画像2)
(3)下辺に壁脇雨押え板金を設置する(画像3)
(4)ノダラスカットボードを張る(画像4)
(5)漆喰(下地1回、仕上2回)を塗装する(画像5)

漆喰の塗装、なかなか難事でした。左官職人が塗った隣の壁と凡夫が塗った壁、違いは明らかです。鏝一つを用いた技の世界です。これを習得するには、ある程度の年季が必要です。今の凡夫に出来ることではありません。誰にでもできるようになったDIYの中でも、この種の塗装はそうはいきません。便利な電動工具に頼ることができませんから。今のところ、練習あるのみでしょうか。極めてみたい技の一つです。

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ヒトヨタケ

2018 09 23 (art18-0061) 
先日のブログ(2018 09 15 / art18-0058)に、雨漏り後の2日目、納屋の屋根瓦の下葺き材の藁からシジミタケが生えてきたことを書きました。今では、濡れていた藁も乾燥し、生気のないシジミタケの残滓があります。

驚いたことに、雨漏り箇所の周辺の藁から別のキノコが生えてきました。ちょと変なキノコです。
【朝方(7:30)】白色で、ツクシの頭部のような愛らしい形状をしていました。キノコは下向きに出ています(画像1)。

【夕方(16:50)】茎が伸び、傘が灰と白色のぎざぎざ模様に変わりました。キノコらしくなりました(画像2)。

【夜(22:45)】茎がU字形に伸びて、傘を上方へ持ち上げていました。傘は広がり、傘の周辺が反り返って黒ずんでいます。溶けているように見えます(画像3)。

【翌朝(7:50)】傘の部分がどろどろに溶けて無くなっていました。黒色の溶解物が下方に垂れています。茎の部分も褐色に変わり、水気が無くなっているように見えます( 画像4)。

キノコ図鑑で調べたところ、ヒトヨタケの一種のようです。
溶解は、自身が産生する酵素による「自己消化」だそうです。胞子を飛ばす代わりに、傘を溶かして胞子を流して拡散させているとあります。

一晩での変貌、驚きです。ヒトヨタケ(一夜茸)とはよく言ったものです。晩年の母がよく唱えていた “白骨の御文章” の一文が重なります。「されば、朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」

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[家内の寄稿]
最寄会、一品持ち寄り

2018 09 20 (art18-0060) 
最寄会で一品持ち寄りをしました。テーマは肉又は魚料理。
一回目 私は鮭の漬け焼きを作りました。素焼きにしてつけ汁に漬け込むだけですが、前もって作っておけるので忙しい日に便利、お弁当にも良いです。
2回目 鍋帽子を使ったさんまの甘辛煮。今年はさんまが早くからお店に並び、値段も安いです。まずは塩焼き、それからこの料理を作ります。ごぼうにも味がしみておいしいです。

家庭で飲んでいる牛乳を持ち寄って味比べ、100g当たりの単価比べをしました。牛乳の種類や殺菌のことなども勉強しました。瓶入り牛乳を配達してもらっている人が多いことがわかりました。値段の中に瓶代いや配達代が加わっているので単価は高くなります。我が家はスーパーで1リットルパックを買うので約23円です。皆にいろいろな牛乳の中からそれを選ぶ理由を聞いたところ、瓶入りが好き、美味しい、安心、配達してもらえることが大事、価格ということでした。

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ヒメジョウゴゴケ

2018 09 18 (art18-0059) 
庭のブロック塀にヒメジョウゴゴケが生えていました。名前にコケとついていますが、コケ類ではなく、地衣類です。

地衣類は、菌類(多くは子嚢菌類)と藻類(藍藻と緑藻)からなる共生生物です。菌糸が藻類の細胞を包み込んで地衣体と呼ばれる特殊な植物体を形成します。藻類が光合成した養分を菌類は利用し、菌類は藻類にすみかと水分を供給しています。

ヒメジョウゴゴケは、名前の通り、“じょうご”状に広がった子柄を伸ばします(画像1)。中には、子柄の淵からとび出た小枝の先端に、褐色の子器をつけているものもいます(画像2)。子器は共生菌の胞子が形成されるところです。放出され胞子は周辺に付着した後、条件が揃うと発芽し、菌糸を伸ばします。その後、藻類をとりこんで地衣体を形成します。

肉眼で見える ”小さな生き物の世界”です。高さ10mmに満たない造形です。身近な所にも興味を引く生き物がいます。

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雨漏りで発生した白いキノコ、シジミタケか

2018 09 15 (art18-0058) 
連日、雨が続きました。納屋の2階が雨漏りです。

納屋は、100年前に建てられた家屋の一部です(article18-0014)。屋根は土葺きです。土葺きは、野地板の上に杉の皮や藁などの下葺き材を敷いて、その上に粘土を乗せて瓦を固定したものです。当家では、下葺き材として藁を用いています。このような屋根葺き工法は、今では見られないものです。土葺き屋根は、重量が嵩み、耐震性に問題があります。反面、保温性があること、室内の湿気を排除すること等の利点があります。

納屋の天井板は撤去してあります。部屋から、屋根の垂木と野地板、そして、藁が見えます。雨漏りの様子がつぶさに見えます。垂木と野地板、そして藁がひどく濡れていました(画像1)。

雨が上がり、2日目、雨漏り箇所の藁に白っぽいものが付いていました(画像2)。近づいて見ると、キノコです(画像3)。キノコは、“かさ”、“ひだ”、“茎”、“つぼ”からなります。シイタケやシメジなど、よく見にするキノコは、つるつるした傘形の“かさ”の裏側(“ひだ”)がひだ状になっています。雨漏り跡に発生した白いキノコは、“かさ” は中央部がくぼみ、ひだ状になっています。“かさ” の裏側には明瞭なひだはなく、茎へとつづいています。まるで、“かさ” と “ひだ” が上下逆さまになって茎についているように見えます(画像4,5)。

Webで調べてみました。ジジミタケに近いようですが、本当のところはわかりません。キノコ(菌類の子実体)の同定は、なかなか難しいようです。

雨漏りの修理、たいへん興味がありますが、凡夫にはできません。理由は、屋根に上ることが出来なかったからです。以前、屋根瓦を点検しようと梯子をかけて上ろうとしましたが、足が竦みました。子供の頃は、元家屋二階の屋根に平気で上っていたのですが。また、上浅津の旧選果所の波うち屋根、旧浅津農協前の鉄筋コンクリートの倉庫の屋上、南谷の北野神社境内の椎の巨木など、結構高いところにのぼって遊んでいたのですが。凡夫も、歳をとったものです。

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トイレドアの修理

2018 09 12 (art18-0057) 
涼しくなってきましたので、家の修理作業を再開しました。築50年にもなると修理を要するところが出てきます。今回はトイレのドアです。これは家内のリクエスト。

トイレのドアは、フラッシュ構造です。角材で枠を組み、両面に化粧ベニア板を張ったものです。内部は空洞です。

化粧べニア板の最表層の薄板が一部剥がれていました。特に、下辺部の剥離が目立っていました。
修理方法は、以下の2通り。
  (1) 最表層の薄板だけをはがして、新たに薄板をはる。
  (2) 化粧ベニア板を枠からはずし、新たに化粧ベニア板をはる。
作業的には、(1) が簡単です。最表層の薄板は容易に剥がせます(写真1)。しかし、適当な薄板が入手できそうにありませんでしたので、(2) で、行うことにしました。

裏の納屋の一階に作業台を仮設しました。
化粧ベニア板は木枠に接着剤で附着しています。接着が予想外に強固で、化粧ベニア板を木枠から剥がす作業はたいへん手間取りました。どこかのWebサイトで、この種の作業はやめた方がよいとの一文をみました。確かに、厄介な作業です。しかし、やってやれないことはなさそうです。化粧ベニア板を剥がすと、木枠の一部にベニアの薄板が附着したまま残ります。この薄板は、鑿と作里鉋(art18-0019)で取り除きました(写真2)。

剥がした木枠に化粧ベニアを張り付ける作業は簡単です。ホームセンターで購入した化粧ベニア板をジグソーで切断し、鉋で削り、木枠に合せます。木工用ボンドで木枠に貼ります。両端の密着にはクランプを、中央部の密着には重石を用いました。ガラス板を窓枠で挟み真鍮釘で固定しました。最後にドアノブを取り付けました(写真3,4)。

修理したドアを元の位置に戻して完了です。家内から“マルゴウ”をいただきました。

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イラガ(2)

2018 09 09 (art18-0056) 
畑の柿の木にイラガの幼虫がいます(art18-027)。これは、ヒロヘリアオイラガの幼虫です。しかし、凡夫が子供の頃に見たイラガの幼虫と形態が異なります。もっと刺々しい姿をしていました。柿の木を周回して、そのイラガをさがしてみました。いました。まぎれもないイラガです。何度も刺されたイラガです。刺された痛みは忘れません。

子供の頃、凡夫はヒロヘリアオイラガを見たことはありませんでした。イラガと言えば、刺々しい姿のイラガでした。
今日び、柿の木にヒロヘリアオイラガを見つけることは容易ですが、イラガはなかなか見つかりません。今では、イラガと言えば、ヒロヘリアオイラガのことのようです。

ヒロヘリアオイラガは外来種です。九州南部にのみ観察されていたヒロヘリアオイラガは、1970年代後半に西日本各地でも見られるようになったそうです。凡夫が小学生を過ごしたのは、1960年代です。ヒロヘリアオイラガが本州に分布を広げる前ですから、当時、ここで、ヒロヘリアオイラガの幼虫に出会う機会はなかったことになります。

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アサガオ

2018 09 05 (art18-0055) 
奥の庭のアサガオに花がつきました。家内が育てている西洋アサガオで、ヘブンリーブルー (空色朝顔)と言う品種です。
8月10日に、最初の花が咲きました。それ以降、日増しに、開花数が増えて、9月に入ると、10輪以上の花がついています。

この花の青色は、シンプルですが、良いものです。 ヘブンリーブルー・アントシアニンと言う色素による着色です。アントシアニンは、花や果実の赤、青、紫を示す水溶性色素です。アントシアニンは多くの酵素反応によって段階的に合成され、細胞の液胞の中に蓄えられます。

遺伝子レベルの研究が進み、アサガオの花色は色素の合成に関わる遺伝子変異によって説明されるようになりました。アントシアニン合成酵素の遺伝子やその遺伝子を活性化する遺伝子に変異が入ったりすると、酵素機能が損なわれたり、活性が低下したりします。そうすると、色素の合成が途中で停止する、あるいは、合成量が減少します。その結果、合成途中の色素が蓄積したり、最終色素の産生量が変化したりして、本来の色(青色)とは違った色(白、紫、赤)が出てきます。

一方、最近では、単色のアサガオではなく、絞りアサガオのような斑入りアサガオをよく目にします。この班入りは、トランスポソンと呼ばれる動く遺伝子の作用で起こります。花びらを形成する初期の細胞で、トランスポソンがアントシアニン合成に関与した遺伝子に飛び込んで遺伝子を不活化すると、その細胞に由来する細胞群では、色素の合成ができません。その部分の花びらの色が変わります。トランスポソンによる遺伝子の不活化が、どの段階で起こるかによって、色変わりの領域(斑入り)の大小が決まります。

トランスポソンは、バーバラ・マクリントックによって、発見されました。ニューヨーク州ロングアイランドにあるコールド、スプリング、ハーバー研究所のトウモロコシ畑での研究です。1940年代の研究です。当時、動く遺伝子はありえないことだったようで、学会も黙殺し、"とうもろこし畑の変なおばさん" と言われていたそうです。しかし、この研究で、マクリントック女史は、1983年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
凡夫は、何度かこの研究所を訪問しましたが、その度に、もっと頑張らなくてはと意気込んだことを、思い出します。

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水木しげるロードの妖怪

2018 09 02 (art18-0054) 
お盆過ぎの18日、境港市の水木しげるロードに行きました。帰省していた娘と3人です。息子も帰省していたのですが、早めに帰りましたので同行できませんでした。これまで、水木しげるロードには数回行っています。今回は、ロード誕生25周年の7月に完成したリニューアルロードを見て回ることが目的でした。妖怪ブロンズ像は、数を増し、棲む場所ごとに分類され、5つのゾーンに配置されていました。総数177体の妖怪ブロンズ像が、境港駅から続く800mの商店街に立っています。歩道も整備され、歩き易くなっていました。太陽の照り付ける暑い日でしたが、お盆直後ということもあり、大変賑わっていました。

4点のブロンズ像を紹介します。妖怪ガイドブックの解説付きで。

畳叩き

夜中に畳を叩くような音が聞こえる。バタバタ、とも、パタパタとも呼ばれている。
〔姿を見せない妖怪と思いますが、だだをこねている子供のように見えます。足をバタバタさせているのでしょうか〕
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いそがし

この妖怪に憑かれると、とにかくあくせくしていないと心が休まらない、じっとしていると、何か悪いことでもしているような気分になる、とか
〔”あくせく” を形にすると、こうなりそうです。凡夫も、かつて、とり憑かれていたのでしょうか。〕
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すっぽんの幽霊

すっぽんを食べ過ぎると現れる。
〔よく見えなかったのですが、すっぽんの顔をしているらしい。体全体がしなやかです。すっぽんを食べる機会がありませんので、凡夫とは縁の無い幽霊/妖怪です。〕
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田の神

稲作を守り、豊作をもたらす神。
〔どうして僕はここにいるのだろうか、と、困惑顔に見えます。〕
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