野菜畑の様子(2021年、8・30)
2021 8 30 (art21-0367)
7月19日のブログで、野菜がおおむね順調に育ち、収穫も始まっていることを伝えました (art21-355)。この状態が8月に入っても続き、今年は野菜が沢山取れそうだと家内と話していたのですが、8日から始まった停滞前線による長雨で、それはかき消されてしまいました。10日間ほど続いた長雨と、その後のぐずついた天気で、野菜の生育がおかしくなりました。
(1)トマトの裂果
大玉トマト品種桃太郎の果実が裂果しました。裂果は、長雨が終わった後も続きました。今年は、大玉トマトが沢山できると楽しみにしていただけに、ガッカリです。程度によっては、裂果したトマトは食用になるのですが、今回は、とてもそんなものではありません。また、今回、ミニトマトにも裂果が起こることを知りました。
トマトの裂果は、夜間から早朝に起こると言われています。これは、根から吸収された水分は果実や葉に送られますが、昼間は、葉からの蒸散があるため、果実の水分は葉へ移動することができます。しかし、夜間から早朝にかけては、気温が下がり、相対湿度が高くなりますから、葉からの蒸散がほとんどなくなり、果実の水分が移動できません。そのため、果実内の膨圧が高くなり、裂果を誘発することになります。雨天は、まさに、この夜間から早朝にかけての状態と言えますから、トマトの果実は膨圧に抗しきれず、裂けてしまいます。
まだ赤色がついていない硬い未熟果にも亀裂が入っていました。水のポテンシャル、侮ってはいけませんな。
(2)キュウリの病気
長雨の後、キュウリの葉に炭疽病の病斑が出現しました。早速、殺カビ剤を散布して様子を見ることにしました。数日後、まだ、病斑が広がっているようなので、病葉を取り除き、もう一度、殺カビ剤を撒きました。株全体に病気が広がっていたシャキット品種は根元から切断し、他の2品種は、根元近くの病葉をできるだけ取り除きました。
(3)ナスの葉の萎れ
ナス3品種のうち、中央の黒陽ナスに、下端葉の萎れが発生しました。萎れは、日中、一部の葉にみられます。おそらく、青枯れ病だと思います。萎れた葉を取り除き、様子を見ています。今のところ、他の2品種にはその症状はみあたりません。
ぐずついた天気が終わり、25日頃から晴れ間が戻ってきました。日射が多くなると、野菜は元気になります。ただ、黒陽ナスがどうなるかはわかりません。
以下は、各野菜の収穫総数と、生育状態です。
キュウリ (豊作 38 夏すずみ 35 シャキット 31)
シャキットは姿を消し、豊作と夏すずみが残っています。共に、下半身が茎だけの姿になりましたが、上部に新しい葉を出して、健気に生長しています。
ナス (千両 15 黒陽 21 加茂 2)
加茂ナスの果実は、生長が遅く、ゴルフボール大になると割れて、内部が露出します。このナスには何か ”くせ” があるようで、栽培は難しそうです。それでも、まともな果実が数個とれ、美味しく頂きました。
パプリカ(赤11 橙8 黄10)
まだ、しばらく、色のつかない緑のパプリカを収穫しては食べています。緑色のパプリカはピーマンのようですが、果肉が厚い割に柔らく、生食向きです。
ミニトマト(千果 227 フルティカ 74 アイコ 193)
千果は、名前負けしない程、多数の果実をつけます。超ミニのトマトですが、結構甘味があり、いくらでもパクつけます。3品種とも、今のところ、開花‐着果‐肥大‐成熟を繰り返しています。
トマト(桃太郎 A31 B31 C30)
上段にまだ未熟果が残っていますから、どうなるか楽しみです。
ピーマン(エース27 京みどり 18 エース 31)
中央の京ミドリは、初期生育に遅れ、その後その遅れを取り戻すことなく、小さなままです。
インゲン豆(3株で 125)
ツルナシです。小さく育てています。長く栽培・収穫できるように、適時、枝葉を調整してきました。
新型コロナワクチンの接種(副反応)
2021 8 26 (art21-0366)
家内が2回目のワクチン接種を受けました。体が熱く感じると言っています。体温は上がっていないので、”ほてり感” のようです。1回目の接種時も、同様な症状が出ていました。
ワクチン接種の副反応として、接種部位の痛みの他に、発熱、頭痛、倦怠感、鼻水などが報告されていますが、体の "ほてり感" は取り上げられていません。そこで、少し、調べてみました。
厚労省のHPに、「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」として、副反応のデータがのっています
(データへ)。ここには、接種部位の症状として "熱感" が疼痛や痒みと併記されていますが、全身症状として、”ほてり感” の項目はみあたりません。
しかし、青森県立中央病院が調査したデータ(令和3年7月2日、新型コロナワクチン 1 回目および 2 回目の接種後副反応調査報告について[最終報]) には、"ほてり感" の項目がありました
(データへ)。この報告書は、ワクチン接種後7日間の症状についてアンケート調査し、解答をまとめたものです(解答者数:1回目1,380人、2回目1,323人)。
副反応としては、注射部位の痛みに加えて、筋肉痛、疲労、頭痛、発熱 (37.5℃以上) が多いのですが、その他の症状として、ほてりを感じた人が、1回目の接種で17人(1.1%)、2回目の接種で11人(0.8%) いたそうです(下表)。割合は低いのですが、"ほてり感" も、ワクチン接種の副反応と考えることができそうです。
また、その他の症状として、リンパ節の腫れが、1回目2回目の接種で、それぞれ、3人 (0.2%) 、28人 (2.1%) に起こっています。家内も、2回目の接種後、接種側の腋窩リンパ節が痛いと言っていました。
ところで、凡夫は、ワクチン接種を2回受けていますが、2回とも少し接種部位に痛みを感じた程度で、他の副反応の自覚はありませんでした。接種後、体に何も起きないと、これで免疫学的な戦闘体制が備わったのかいな? と、かえって不安になります。
ファイザーのワクチンは、mRNAワクチンです。ウイルスのスパイク蛋白質のmRNAを体内に注入して、体内でウイルスのスパイク蛋白質を合成させ、これを抗原にして免疫反応を起こそうとするものです。このワクチンは、mRNAだけでできている訳ではなく、mRNAの分解を防いで細胞まで届くように脂質ナノ粒子にくるまれています。これは、脂質やポリエチレングリコール(PEG)から成ります。また、接種時には、溶液に溶かしますから、塩類や緩衝液も含みます。
ワクチン接種時の副作用は、これらのワクチンの成分とmRNAから体内で合成されるスパイク蛋白質に対して起こった免疫反応によるものと考えられます。合成されたスパイク蛋白質だけに反応していれば、副反応の症状が出た時、”ああ、免疫系が頑張ってスパイク蛋白質に対する抗体を産生しているのだなー”、と思えるのですが、ワクチンに入っている他の成分にも反応しますから、ことは複雑です。他の成分に強く反応して、強い副作用が起こることもあり得ます。
実際のところ、副反応の強さとワクチンの効果の関係はどうなっているのでしょうか。よく耳にするのは『接種後の副反応の強さと体内で作られる中和抗体の量には関係がないので副反応が無くてもワクチンの効果について不安に思う必要はない』ですが、これは本当でしょうか。
国立病院機構 村山医療センターが 「ワクチンにより誘導された抗体産生と、性、年齢、および実際に生じた副反応との関連について」と題するコロナワクチン副反応調査レポートを公開しています(データへ)。ワクチン接種後に、副作用の強さと、ウイルスのスパイク蛋白質に対する抗体価(S抗体価)と中和活性の関係を、225人 (男性84人、女性141人) について、調べています。
そして、『以上の結果より、ワクチン接種後の全身的な副反応が強い場合、特に発熱や強い倦怠感が出現した場合、血液中のS抗体価の上昇や中和活性値の増強が期待できることが示唆されました。倦怠感の強さはワクチンによる抗体産生、即ち免疫学的な効果の強さを示す指標になりうると考えられました』と結んでいます。
下図は、公開データの一つです。倦怠感が強いほど、スパイク蛋白質にたいする抗体がたくさん産生され、中和活性も高くなることが示されています。有意水準の表示は、*:p<0,05, **:p<0.01, ***:p<0.001です。
この図から、倦怠感が無かった人でも、抗体も中和活性も、ある程度、増強していることが読み取れます。この増強分が正しく計測された値で、なおかつ、ワクチンの効果を担保しているとすれば、副反応が無かった凡夫にとって、一つの安心の種になります。
何はともあれ、副反応が強いほどワクチンの効果が強くなる?のであれば、多少の副反応は我慢できるというものです、かな。 ただし、両者には関係がないとの報告がありますから、?マークは外せませんが。
プルーンの裂果
2021 8 23 (art21-0365)
停滞前線が居座り、8月8日から10日間降り続いた雨で、プルーンが裂果しました。果実の下方からパックリ割れて、外から種が見えるものもあります。プルーンは雨により裂果しやすい果樹だと聞いていましたが、これほどパックリと割れるとは思いませんでした。パックリ割れた果実は、そのうち落果しますが、その前に、虫の恰好の食餌になるようです。いろいろな虫がたかっています。中には、コガネムシが頭を突っ込んでいたりします。虫が寄ってくるのですから、熟れて甘さがのっているのでしょう。
降雨に加えて、9日の強烈な風(最大瞬間風速20m/s)に枝葉が激しく煽られて、プルーンの果実が沢山落ちました。西からの風がプルーンの木を直撃したようです。この風で、この辺りの特産品になっている梨が落下した、とニュースが伝えていました。自然の気まぐれを前になすすべがありません。できることは後始末。風が通り過ぎた後、地面に落ちた果実を拾い集めて処分するだけです。
停滞していた前線は消えたのですが、まだ、天気はぐずついています。そして、プルーンの落果は続いています。土壌水分量が多く、根から過剰に吸収された水分が果実や葉に送られるのでしょう。しかし、葉からの蒸散が十分でなく余剰の水分が果実に流れ込み膨圧が高くなり、小さな裂傷でもあればそこから押拡げられ裂けてしまいます。土壌水分が低下すれば裂果はなくなるのでしょうが、この空模様では早々に低下するとは思えません。ただただ、落ちた果実を拾い集めては、穴に放り込んでいます。収穫期を目前にして、この作業はちょっと気が滅入ります。
マクワウリとプリンスメロン
2021 8 19 (art21-0364)
昨年、マクワウリを作ってみました。昔からあるウリで、形は球形から楕円形、色は黄色です。ほんのりとした甘さがあり、うり特有のシャキシャキ感とあいまって、我が家では好評でした。マクワウリは、完熟してから収穫すると、それなりの甘味があることがわかりました (art20-0260) 。
好評に気をよくして、今年も、作ることにしました。5月の連休前、夏野菜の苗を購入するためホームセンター “イナイ” へ出かけた時、マクワウリとメロンの苗を1本づつ買い求めました。マクワウリは、昨年栽培した品種ではなく、糖度の高い品種(銀閣)です。メロンのほうは、昔からある普通のプリンスメロンです。
カキとプルーンの木の傍に、50cm四方に土を盛って苗を植えました。伸びてきたつるを適当に広げていましたが、途中で、茎葉が込み合ってきましたので、プリンスメロンのつるを垂直に張ったネットにからませて、上方へ誘導しました。
マクワウリとプリンスメロンはウリ科(キュウリ、カボチャ、スイカなど)ですから、一つの株に雄花と雌花が付きます。授粉を虫に任せてもよいのですが、着果を確実にするため、雌花に雄花の花粉をつけて交配しました。
着果した果実は日に日に大きくなります。頃合いをみて、マクワウリの果実の下に、金網で果皮がいたまないように、タマネギの保存用のネットを敷きました。一方、プリンスメロンの果実は、紐をかけて空中にぶら下げました。
7月後半になると収穫です。収穫のタイミングは、マクワウリ、プリンスメロンともに、果実に付いているヘタが離脱した時です。食べるタイミングは、追熟させるかどうかによります。プリンスメロンは、収穫後1週間程室温において追熟させます。そうすると、果肉が柔らかくなり甘さが増します。一方、マクワウリは、収穫したら早めに食べます。マクワウリはみずみずしさとシャキシャキ感が ”ウリ” ですから、室温に長くおいて、それらが損なわれる前に食べます。完熟した状態で収穫すれば、甘さがのっています。
今年作ったマクワウリは、糖度の高い品種(銀閣)です。昨年作った普通の品種に比べて、確かに、甘くなっていました。しかし、その甘さが突出し、全体のバランスを崩しています。甘いだけのウリになっています。これはいけません。家内も同様な感想でした。次回作るときは、昔ながらの普通の品種にするつもりです。実は、今年もそうするつもりだったのですが、ホームセンターで幾品種かの苗を前にして、作ったことのない品種を作ってみようと気移りしたのです。
一方、プリンスメロンは、玉も大きく食べごたえがあり、味も食感もグッドでした。マスクメロンほどのとろけるようなジューシーさと甘さはありませんが、凡夫にはこちらのほうが口に合っています。懐かしの昭和のプリンスメロン、まだ、いけますぞ。ちょっと懐古趣味ですかな?
本『無名』
2021 8 16 (art21-0363)
この数日、日本列島に前線が停滞し、広い範囲で雨を降らせていました。ここ湯梨浜町も例外ではなく、雨が降り続いていました。畑の作業は休止状態でしたので、晴耕雨読ではありませんが、本を読んで過ごしました。
3週間程前から玄関の上がり框に続く廊下に無造作に本が積まれています。これは、東京在住の娘に頼み、横浜の拙宅から、送ってもらったものです。クロネコヤマトの配達業者がやって来て、段ボール箱を3つ玄関の上がり口に搬入してくれました。数日後、箱から本を取り出し、廊下に積み上げました。
その中から適当に本を抜き取っては読んでいます。ノンフィクション作家、沢木幸太郎の本「無名」(幻冬舎、2003年刊)は、その一冊です。氏の本は、他に「凍」(登山家、山野井泰史・妙子夫妻によるギャチュンカン登頂を描いたもの)と「キャパの十字架」(一枚の報道写真(ロバート・キャパ撮影)“崩れ落ちる兵士” にまつわる疑惑の真相を解き明かしたもの)を読みました。
「無名」の中で、ノンフィクション作家は、記憶を掘起して父親の人生の軌跡を辿りながら、息子である自分との関係性を一つ一つ紐解いていきます。
父親をこう表現しています。『父は何事も成さなかった。世俗的な成功とは無縁だったし、中年を過ぎる頃まで定職というものを持ったことすらなかった。ただ本を読み、酒をのむだけの一生だったと言えなくもない。無名の人の無名の人生。(本文p50)』と。
そんな父親が倒れ89歳で亡くなる。入院中の数ヶ月、母親と二人の姉と交代しながら付き添い、最後の十数日は自宅に連れ帰り、在宅介護を行う。病院や自宅の夜半のベッドで眠る父親に付き添いながら、父親の過去を掘起しては自分の記憶を重ね父親と自分(息子)との関係性をたどっていく。さらに、父親が50代から始めた俳句を見つけ、俳句に込められた父親の心の内を知る。父親の死後、句集を自費出版して近親者に配布する。
父親と自分(息子)の関係についてこう書いています。
『畏怖する父親は同時に自分が守らなくてはならない父親でもあった。(p192)』と。そして、守らなければならない理由として、『幼い頃から、私はどこかで、父をその老女の兄と同じように、外界の荒波を受けて生きていくにはあまりにも透明すぎる存在と思っていたような気がする。だから、私は守らなくてはならなかった。(p189)』と。
この関係性はちょっと凡夫の理解を超えています。畏怖すべき存在としての父親はわかりますが、守らなくてはならない存在としての父親はわかりません。幼い息子にそう思わせる父親って何なのでしょうか。また、幼心にそう思う息子って何なのでしょうか。
父親が歳をとり、肉体的にも精神的にも衰えてくれば、そのように思う息子はありうるでしょうが、これは別の話です。少なくとも、凡夫は亡父を守るべき対象と考えたことはありません。
そもそも、何から父親を守るのでしょうか? そして、著者は、何から父親を守ったのでしょうか?
アゲハチョウの幼虫
2021 8 12 (art21-0362)
ミカン畑のレモンの葉に、アゲハチョウの幼虫と卵を見つけました。幼虫は、4cmほどの緑色の終齢幼虫と1cmほどの白茶まだら模様の2,3齢幼虫です。卵は、1mm大の球形で、少し黄色がかっています。
アゲハチョウ(ここでは、よく見られるナミアゲハです)の一生:
産卵から4~6日で孵化し1齢幼虫になる、脱皮を繰り返すごとに大きくなり、5週間ほどかけて5齢幼虫となる。大きさは4cm前後である。この間、体色が変化し、1齢から4齢は、鳥の糞に似せて、黒(茶)色と白色のまだら模様であり、5齢は緑色となる。5齢の幼虫 (終齢幼虫) (10日ほどの期間) は、食欲旺盛で、緑の葉をバリバリ食べて、黒っぽいコロコロした糞をする。その後、下痢様の糞をたれて体内に残っている未消化物を排泄した後、蛹へ変態する。1、2週間後羽化し成虫となる。成虫の寿命は2週間ほどである。広い範囲を飛び回って1mm大の白い卵を1葉に数個ずつ産む。総数は200個ほど。
アゲハチョウがミカンの葉に産卵するのは、幼虫がミカンの葉を好むからと推察できますが、では、アゲハチョウはどうやってミカンの葉を選んでいるのでしょうか。これは、食草選択という本能のプログラムだそうです。産卵前に、“ドラミング” と呼ばれる行動を行い、ミカンの葉に含まれている不揮発性の物質を “味見” しているとか。"ドラミング" は、前脚2本で交互に葉の表面を叩く行動です。ミカンの葉には、10種類の産卵刺激化合物が報告されているそうです。アゲハチョウはそれらの化合物を味わうことで、産卵が誘導され、結果として、幼虫が好む葉を選んでいるのでしょう。すべては、DNAに織り込み済みのプログラムに従った行動なのです。
アゲハチョウは、小学校の理科の飼育観察によく使われています。週ごとに形や大きさが変化していきますから、飼育しがいがあるというものです。子供達には、緑色の終齢幼虫はポケットモンスターの一つ “キャタピー” として、さらに、完全変態(終齢幼虫―>蛹―>成虫)は、“キャタピーの進化“として、お馴染みの事物でしょう。子供だけでなく大人にとっても、公園や庭で、アゲハチョウがひらひらと飛び交う姿を目にするのはよいものです。
こんなに親しまれている身近なチョウですが、ミカン畑では、葉をムシャムシャ食べますから、ミカン栽培農家にとっては、歓迎できないようで、害虫として扱われています。
下の写真は、キンカンで見つけた羽化直後のアゲハチョウです。蛹の抜け殻が直ぐ近くにあります。
パルスオキシメーター
2021 8 9 (art21-0361)
2019年の12月、肺血栓塞栓症で入院しました。その時、血液の酸素飽和度(SpO2, saturation of percutaneous ozygen)をモニターするため、パルスオキシメーター (pulse oximeter) を指先に装着しました。この機器は、直接、血液中の酸素分圧を測定するものではありませんが、測定した酸素飽和度から酸素分圧を推測することができます。酸素分圧と酸素飽和度の対応関係は、酸素解離曲線で表すことができます。
パルスオキシメーターは、ヘモグロビンが酸素と結合すると赤くなる性質を利用して、酸素が結合しているヘモグロビンの割合を測定し、酸素飽和度 (%) として表示します。指先をパルスオキシメーターに挟み、指の上方から光をあて、指を通って、下方のセンサーに届いた光を解析します。この時、センサーに届いた光シグナルの中で、脈動している光シグナルを抽出して解析することで、動脈血の酸素飽和度を求めています。パルスオキシメーターのディスプレイには酸素飽和度 (%SpO2) と脈拍数 (PRbpm: pulse rate beats per minute) が表示されます。
若い人の酸素分圧は95mmHg程ですが、高齢者はすこし下がり80mmHg程だそうです。酸素飽和度では、それぞれ98%と95%になります。酸素分圧が60mmHg以下(酸素飽和度で90%以下)になると呼吸不全となり、各臓器が十分な酸素を受け取ることができないので、機能障害や損傷がおこり、危険な状態になります。そのため、酸素吸入が必要になります。
退院後も、酸素飽和度を起床時に測定しています。現在の凡夫の酸素飽和度は97%前後です。家内は99%です。凡夫の値が99%となることはありません。酸素飽和度は歳をとると低下すると言われていますから、こんなもんでしょうか。
肺血栓塞栓症に罹る前の値が分かれば、病気前後の比較ができるのですが、残念ながら前の値を測定していません。
肺血栓塞栓症で入院したときの酸素飽和度は、84%でした。息苦しさはほとんどなく一人で歩けたのですが、階段を上がろうとすると体が重く、だるく感じました。医者は、かなり危険な状態にあると言っていましたが、凡夫にはそうした感覚がありませんでした。酸素飽和度が90%以下になると、胸の痛みや息切れなどの低酸素血症(ハイポキシア)の症状が出ると言われています。
しかし、自覚症状は人それぞれです。富士登山を想起すればよくわかります。山頂では酸素飽和度が82.1±6.5% (n=26、関ら、川崎医療福祉会誌17:113, 2007) まで低下するそうですが、人によっては、息苦しくて会話もままならず、一歩一歩ゆっくりと足を運んでいる人もいれば、平地と同じように会話を楽しみながらスタスタ登っていく人もいます。かく言う凡夫は、前者の部類で、息苦しくて、少し歩いては休みすこし歩いては休みを繰り返しながら、どうにか山頂にたどり着きました。しかし、同伴した中学生の息子は、ひょいひょいと軽やかな足取りで登り、山頂で待っていました。
新型コロナウイルス感染から肺炎を引き起こし、酸素飽和度が80%前後になっても、息苦しいと感じない患者がいるそうです。酸素飽和度からみると低酸素血症のはずなのですが、自覚症状がない。これは、”幸せな低酸素血症”(ハッピーハイポキシア、happy hypoxia)と言われています。体が低酸素に順応している状態だと考えられます。かなり悪化しているのに自覚症状がない。おかしいと気づいたときには、手遅れになりかねないほど重症化しているとか。
この点は要注意です。新型コロナウイルスの感染者は、軽症(臨床ベット数の制約から中症もかな?)の場合自宅療養(経過観察)だそうですから、自宅療養中は身体の変化に注意を払う必要があります。この時、息苦しいとか体がだるいとかの自覚症状だけにたよるのは、危険が伴います。やはり、ここは、体温計やパルスオキシメーターを手元におき、体温、酸素飽和度、脈拍数を経時的に測定し、その変化に留意することです。変化があった時は、自覚症状の如何を問わず、速やかに医療機関にかかりましょう。なお、脈拍数については、低酸素状態がひどくなると、心臓が身体に多くの血液を送ろうとするため、脈拍数/心拍数が高くなります。富士登山の場合は、101.1±19.3bpmと報告されています。
イチジクの葉、黄変する
2021 8 5 (art21-0360)
イチジクの葉が黄色に変化しました。1枚や2枚でなく半分近くの葉が、一気に黄色がかり、翌日には黄色が強くなりました。濃い黄色の葉に軽く触っただけで、枝の付着部でポトリと落ちます。
7月7日の豪雨 (art21-0352) から、1ヶ月程まとまった降雨がありません。土が乾いているのだと思います。特に、この畑は、野菜栽培用に整備したもので、培養土の下は砂土(粘土分のすくない土)で、水はけはよいのですが、その分保水力が乏しく、水不足になりやすい畑です。そのため、果樹栽培には適さないかもしれません。
ここに、各種野菜の他に、イチジク、プルーン、カキ、ウメなどの果樹の木を植えています。野菜にはせっせと水を撒いているのですが、果樹には一度も水を撒いていません。
葉が黄変してからでは、手遅れだと思いましたが、 水を撒きました。水は、近くの川から汲み取り、大型のポリバケツに入れて荷車で運んだ川の水です。
今朝 (5日) も、朝食前に畑に出て、水を撒いてきました。日が出て気温が上昇すると全身汗だくになります。今日も、日射の強い暑い日になりそうです。
昨年、家内が作ったイチジクジャムが好評で、今年も、ジャムを作ると言っていましたから、なんとか、イチジクの熟果をとりたいのですが。このまま、葉の黄変が進み、葉が全滅するようなことにでもなると、まだ、硬いイチジクの幼果の生長が止まり、熟すことができなくなります。
今のところ、まだ、緑の葉がいくらか残っています。面白いことに、幼果の近くの葉は数枚、緑色を保持しています。これらの葉が、このまま残り、幼果の生長に働いてくれることを、祈るしかありません。
夏真っ盛り
2021 8 2 (art21-0359)
暑い。毎日暑くてたまりません。こう暑くては何をする気もおきません。縁側廊下の南側に日よけシートを張り遮光しているのですが、それでも、廊下に置かれた机の温度計は、33℃を示しています。日中は、部屋のなかで、じっーとしています。しかし、早朝と夕方、日課となっている畑廻りは休めません。
庭に小型のザルが2つ吊るされています。ザルには大小のウメの実が並べられ、日干しにされています。これは、今年初めて畑のウメの木に実った果実 (art21-0351) を、家内が塩+砂糖漬けにしたものです。水気がなくなれば、甘酸っぱい梅干しが完成する筈です。どんな食味になるか、楽しみです。
夜、すっかり暗くなり幾分気温が下がったころ、散歩に出かけます。コースは東郷湖の湖畔道路を進みハワイ夢広場までの往復です。夢広場は、屋根付きの多目的施設です。連日、照明灯の明かりの下、若者が歓声をあげながらテニスを楽しんでいます。夢広場の東隣りには、スケートボード施設があります。ここも、照明灯下、連日、若者がスケートボードに興じています。しかし、こちらでは、歓声はなく、黙々と練習?に励んでいるようです。ジャンプしたり、ボードを回転させたりしているようで、ガタン、ガタンと大きな音が響きます。
夢広場の手前、東郷湖と橋津川の融合地点にかかった橋の中央に立つと、静寂の中、時折、音が届きます。ヒュンッ!と、そして2,3秒後にポチャン!と。ルアーをキャスティングする時の、竿が空気を切る音とルアーが水面に落ちる音です。ヒュンッ!の音が聞えたら、耳をそばだてて、次の音を待ちます。ポチャン!、と聞こえてほっとします。目を凝らすと、両岸の暗闇に、人影がかすかに見えます。時折、明りをつけて、大径のタモを動かしていますから、大物が釣れるのでしょう。
夢広場と道路を挟んで、北西側に県の衛生環境研究所があります。新型コロナウイルス感染擬陽性者からサンプリングした検体のPCR検査を行っている施設です。7月に入ると、連日、部屋の明かりがついています。夜遅くまで、検査作業を行っているのでしょう。鳥取県でも新型コロナウイルス感染者数が増えました。
ひところは、県下の感染者は0人で、安心していたのですが、そうもいかなくなってきました。この1週間(26日から8/1日)の感染者数は、9-14-11-28-47-15-26でした。困ったものですが、感染力の強い変異ウイルスのようですから、感染拡大を防ぐことはできそうにありませんから、いつ感染してもおかしくありません。できることは、感染しても重症化しないように、ワクチンを接種したうえで体力を温存し、臨戦態勢を整えておくことでしょうか。とは言っても、この暑では、体力の温存、なかなか大変です。
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